第10話 リンスロットの役割

リンダリアは今日も母国の様子を見ていた


するとリンスロットがドラゴンに乗ってキングナーガ城に向かう姿を目撃した


それはリヴァルト達が決戦に向け最後の宿で休んでいる時の事だった


「これはリンスロット殿…どうされたのですか?」


「ウィングナイト達は魔王の元へ向かったかの?」


「いえ…明日の朝出発する為にこちらまで来るそうですよ」



「そうか…何とか間に合ったようだな…実はな…」



「何と!そんな事を…なるほど〜貴方の最近の行動の意味がわかりました」



「儂の最後の我儘と思ってくれれば良い…彼等の役に立てれば儂はこの命惜しく無い」



「そこまで仰るのでしたら貴方様にこれを託します」



法王カルタスからリンスロットへ手渡されたものはペンダントヘッドだった



「これは?」



「彼等の行く先で私の妻であるアンジェラに出会うはずです…妻は石像にされていて彼等の目の前で破壊されます…彼等にとっては衝撃的でしょうね…」



「お主は何故この先に起こる出来事がわかるのだ?」



「私の妻であるアンジェラは右目が水晶眼で少し先の未来を見る事が出来たのです…私は事前に妻から聞かされていました…私もショックを受けなかった訳ではありませんが受け止めるしかありませんでした…そして私が出来る最善の方法を取る事にしたのです」



リンスロットは辛そうに話すカルタスの気持ちが伝わって来た



「するとこのペンダントヘッドにアンジェラ殿の水晶眼をはめられるようになってるのじゃな?」



「その通りです…時期が来れば彼等に渡して欲しいのです…お願いします…貴方にしか頼めません」



「分かったのじゃ…お主も辛い立場じゃのう…儂も全力を尽くそうぞ」



「ありがとうございます」




そんなやり取りが繰り広げられているのをただ黙って眺めていたリンダリアはいよいよ最終決戦の日が明日に迫って来た事を知った



「いよいよ明日…この世界の運命が決まるのね…長い1日になりそうね」



リンダリアは神様に無理を承知であるお願いをするのだった



「う〜ん…そうですね…世界の運命が決まる時ですので特例で了承しましょう…」



「ありがとうございます!」



リンダリアはダイダロスや母であるニルヴァーナにも協力を仰いだ



「そういう事なら喜んで協力するわ!」



「世界が闇に包まれるのを少しでも抑制出来るのであれば協力は惜しまないよ!」



そして運命の日の朝を迎えた

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