第7話 父の怪しげな行動
勇者一行が魔物の退治の旅に出た頃…リンダリアは父リンスロットが奇妙な行動をしている事に気がついた
時折リンガイアの城下町から何処かへ出かけていたのだ
「お父様ったら一体何処へ行ってるのかしら?」
気になったリンダリアは父の行動を監視する事にした
リンスロットは世界各国の王に謁見していた
そして何やら神妙な面持ちで会談していた
何を話しているのか内容はわからなかったが何か意図があるのだろうとリンダリアは思った
「何を企んでいるのか知らないけど勇者様達の邪魔をしないでくれたら良いわ」
リンダリアも勇者一行が魔王を倒して再び平和な世界になる事を望んでいた
そしてディオンとミュレイアがリンデロイと共にリンガイアに戻って来る日がやって来た
その日の父リンスロットは特に目立った行動はしていない様子だった
相変わらず行きつけのレディムの経営する洋菓子店に足を運ぶのを確認していた
そしてリンデロイと再会したのを嬉しく思っていた
「良かったわ…やっとリンデロイと再会出来たのね」
リンデロイが南の森へリング王子を迎えに行っている間、ディオンとミュレイアが父の質問攻めにあってるのを不憫に思った
「あらあら可哀想に…」
そして彼等の事を『ウィングナイト』と名付けた事を少し呆れた表情で眺めていた
リンデロイが再びディオンとミュレイアと共にエルフの里に向かった時…
リングと過ごしながら通信用の水晶玉で誰かと話し合いをしてるのを見つけた
「以前からずっと何か隠れて何かしてるわよね…」
不思議に思いながらも悪い事をしている訳でも無いようなので放っておく事にした
夫であるダイダロスも母国の様子を熱心に見ていた
彼等の子供達はすくすくと成長して王になる為に日々勉強を熱心にしているのを嬉しく思っていた
「あの子達も立派に成長しているみたいで安心した…そろそろエストランダムが国王に就任するのか…月日が経つのは早いな」
ダイダロスとリンダリアの息子はエストランダムという名前だった
娘もそろそろ嫁入りして良い年頃になっていた
兄が王位を継いでから嫁入りする事が決まっていたので嫁ぎ先を探す大臣は忙しそうだった
何故ならエストランダムが王位を注ぐ準備も同時に進めていたからだった
「大臣は多忙を極めているな…倒れなければ良いのだが…」
その不安は的中してエスメラルダ王女が小国に嫁いで行った翌年に大臣は過労により亡くなってしまうのだった
大臣の葬儀はしめやかに執り行われ後任は側近だった男が就任するのだった
ディナライン王国はこうして世代交代を終え国の秩序は保たるのだった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます