第3話 異世界から来た男

リンダリアは祖父であるリングランドに連れられて食事処にらしき場所に来ていた


店の名前は「極楽亭」


変わった名前の店だと思ったが祖父の行きつけの店なのだらしい


店の中は純和風の居酒屋らしく雰囲気がある店内は客で賑わっていた


「いらっしゃいませ…いつものでよろしかったですか?」


「ああ…この子には串焼きの盛り合わせと日本酒を見繕ってくれないか?」


日本酒?聞き慣れない言葉に戸惑っていると店主らしき人物がやって来て見た事もない入れ物に入れられたお酒と小さな容器と美味しそうな串焼きの盛り合わせがテーブルに並べられた


「おや…初めての方ですね。私はこの店の店主の北川と申します。常連さんにはキタさんと呼ばれております。以後お見知り置きを」



「変わったお名前ですね。お店も見た事ない作りですし何だか異世界にでも来たみたいですわ」


すると北川は笑顔でこう答えた


「ええ…私の故郷の居酒屋をイメージして作ってもらいました。食材なども故郷のものに近いものなどを作ってもらったりしているんですよ」


「へぇ〜随分と遠い所から来られたのですね?店の装飾もこのお料理も見聞きした事がないもののようですわね」


「キタさんは地球というこことは違う世界から転送されて来たらしいんだよ…にわかには信じ難いが本当の話だよ」


それを聞いたリンダリアは驚きを隠せなかった


「こことは違う世界があるのですか?この日本酒が入れられた容器も見た事無いものだし嘘を言ってるようには見えないわね…」


「私の故郷は魔法や錬金術などが存在しない世界でその代わりに医療や科学が進んでいる世界なのです…鉄の塊が人を乗せて走ったり飛んだりが普通に行われている世界なんですよ」


「ええっ!鉄の塊が人を乗せて運ぶの?想像も出来ないわ…」


「私にとってはこの世界の方が信じ難いのですけどね…私の住んでた国は豊かで他の国に比べて平和な所でしたからね…他の国では戦争が起きたりしてましたけど」


リンダリアは北川の話に興味が湧いて来た


そしてもっと彼の話を聞きたいと思うようになった


こことは違う世界だなんて好奇心が湧くのがわかった


その日からリンダリアは「極楽亭」に毎晩のように通うようになるのだった

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