第2話 祖父との対面
リンダリアはリンガイアの様子を見ていた
甥であるリンデロイはあの後ショックのあまりに深い眠りについているようだった
「無理も無いわね…目の前で祖父が伯母を刺し殺したのを目の当たりにしたのだから…なんとも無い方がおかしいわ」
リンダリアはそう呟きながら我が子達がどう過ごしているのかも気になったのでディナライン王国の様子も伺うことにした
息子と娘はディナライン王国の後継者として日々勉強に明け暮れている様子が見えた
前国王であるドヴェルグによる武術訓練もこなしていた
「ドヴェルグ様って私のお祖父様に当たる方なのよね…若い頃の武勇伝を聞いた事があるけどどこまで本当なのかわからないわよね…実際に見たわけでは無いでしょうから脚色が入っていてもおかしく無いわよね」
そんな事を呟きながら我が子達の様子を食い入るように見つめるリンダリアだった
しばらくすると母と共に誰かがこちらにやって来た
「リンダ〜リングランド様がどうしても貴女に逢いたいって言うから連れて来たわよ〜ほらほらご挨拶なさいな」
リングランド?何処かで聞いた事ある名前だった
リングランドと呼ばれた人物は威厳ある男性でリンダリアを見るなり目を潤ませて手を握って来た
「こんなに早くお前に逢えるとは…順番ではリンスロットの方が先のはずだったのにわからぬものだな…リンダリアや…苦労したのう…次に生まれ変わるまでゆるりと過ごすが良いのう」
「あの…お母様この方は一体…父上の事もご存知なんですか?」
そう聞かれた母ニルヴァーナは驚いた顔をしてこう嗜めた
「何言ってるのよこの子は…この方は貴女の父方のお祖父様よ!リンスロット様のお父様なのだから当たり前じゃ無いの」
母の言葉に驚きを隠せないリンダリアはただただ謝るしか無かった
「まさかお祖父様だなんて…知らない事とは言え失礼致しました」
リングランドはリンダリアの頭を撫でながらこう言ってくれた
「お前がこう言う言動をするのは仕方ないことじゃな…儂はリンスロットが10歳の頃に死んでおるからのう…ニルヴァーナと初めて会った時は儂に殴りかかって来たからお前の方がまだマシじゃな…」
それを聞いたリンダリアは思わず母の顔を見た
「初対面で殴りかかったのですか?」
「だって急に手を握って来たから思わず…ね?」
「思わず嬉しくてのう…咄嗟とは言え軽率な行動をした儂の方が悪かったのじゃ…」
リンダリアは母が若い頃はかなりのお転婆だったと聞いた事があったのでそうゆう反応をするのはあり得る事だと納得していた
「まぁ兎も角仕事がひと段落したらみんなで食事でもどうだね?」
リングランドの提案に快諾したリンダリアはミルクティーを飲みながら夕方になるのを待ち侘びていた
まぁ死後の世界であるここに夕方という概念があるかどうかはわからないのだが…
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