第12話 お小遣い増やせやー!

「おはよう・・・ベリア~ル。」

「おはようございます、良く寝ましたね。」

「どれくらい寝てたの?」

「そうですね、10日くらい寝てました。」

「・・・・・うん、そんくらい寝てたんだろうね。」

「はい、もう死んだのかなと思うくらい寝てましたね。」

「死なんわ!で、寝てる間に何か有った?」

「そうですね、魔国との交易が始まりました。」

「へぇ、ってうちに何か出せる物あったっけ?」

「はい、12階層と19階層の自然湧き魔物素材でしたが、魔国の連中結構強かったんで25階層から下に3階層ほど自然湧きエリアを増やしました。」

「へー、それで何が捕れるの?」

「色々捕れますよ、魔獣化した獣がメインですけど。」

「ほー、魔国からは何が来るの?」

「紅茶や甘味、後は衣料品がいくらか来てますね、サキュバスやナーガ、あとハーピー共がこぞって買ってます。」

「へぇ、まぁこっちも儲かるなら問題無いか・・・無いよね?」

「はい、今の所収入はプラスです。」

「おっけ!んじゃ問題無い!」


「あ、あと魔王が何回か来ましたよ。」

「え?そうなの?」

「はい、フラペチーノ飲みに来てました。」

「・・・・それ私が頼んでた奴じゃん?」

「はい、どうせ渡すでしょ?」

「まぁ渡すけどさぁ!」

「それじゃ良いじゃないですか。」

「何回くらい来たのさ。」

「5回くらいですね。」

「2日に一回来てんじゃんよ!なに!?暇なん?魔王って!」

「一昨日来たんで今日も来るんじゃないですか?」

「ココはスタビャじゃねえ!!!!!」


「良いじゃ無いですか、あと25階層のガオス君達にも頑張れってエール送ってましたし。」

「いや、そこはお前ら何やってんだゴルア!って言う所じゃん?何やってんのよ魔王。」

「なんかすっごいガオス君とギーズ君みて泣いてましたよ、羨ましいって。」

「いや・・・まぁ、そうね、大変よね魔王って。」

「はい、なんか改革するって意気込んでましたし、そろそろ悪害な輩は討伐されるんじゃないですか?」

「うっわ、原因が私じゃ無い事を祈るわ。」

「いや完全にマスターが原因ですからね?」

「・・・・知ってるわよ。」

「デスヨネー。」


「はぁ、私のフラペチーノ頂戴。」

「あ、あと2個しか無いですけど。」

「・・・・え?」

「魔王が毎回飲んでましたから。」

「今日来るって言ってたよね?」

「多分来ますね。」

「私金貨10枚払ったよね?」

「はい。」

「金貨10枚払って私1個しか飲めない?」

「そうですね、わらっちゃいますね。」

「笑えるか!魔王も金払えや!っていうかお前お金取れよ!!!」

「え?マスターのおごりだと思ってましたんで。」

「・・・・・やめてよぉ、一応設備投資でお金使って私のお小遣い少ないんだからぁ。」

「大丈夫です!25階層の稼ぎでお小遣い増えましたよ!」

「マジで!?いくら!?いくら!?」

「1日金貨25枚分、経費と魔国の給料を引いても金貨5枚は稼げてます!」

「まじか!私の取り分は!?」

「銀貨5枚くらいっすね。」

「・・・・世知辛いんじゃああああA!!!!!!!」


「香織ちゃーん!遊びに来たわよー!」

「出たな魔王!」

「あら、起きてるじゃない。」

「うん、久しぶりに起きたわ。」

「10日ぶり?」

「うん、そうね、なんか2日に一回来てフラペチーノ飲んでんだって?」

「ええ!もう最高ね!」

「お金払え!」

「え?良いわよ?いくら?」

「え?良いの?」

「そりゃ払うわよ、いつもくれるから飲んでたけど、お金要るなら言って頂戴。」

「1個金貨2枚よ!」

「あら、そうなのね、それじゃ今日の分も合わせて12枚でいい?」


「・・・・ふぉぉぉ、マジでもらえたあああ!!!!」

「何泣いてんのよ。」

「だってぇ・・・ダンジョン経営してても経費だー給料だー、飯代だーって使う所多くて、私のお小遣い少ないんだもん。」

「そうだったのねー、良いわ、今度からフラペチーノ代は私が出してあげる♪」

「まじ・・・で?」

「まじまじ、大マジ。」

「べりあるぅぅぅ!2日に一回2個注文して!!!」

「了解です。」

「そんなにお金無いの?」

「うん・・・使うって言っても街でご飯食べるくらいだったし・・・。」

「そう、私もあんまり使う事ないからこれくらい良いわよ。」


「魔王!」

「なによ。」

「好き!」

「あら、それじゃ仲良くしましょうね。」

「する!」

「あと私の代わりに魔王やんない?」

「だが断る!!!!」

「えー、お小遣い増えるわよ?」

「・・・・だ・・だが断る!!!!」

「魔王さん、もう一押ししたら行けそうですよ。」

「べーりーあーるー!!!!今あるフラペチーノ置いて次の注文してこいやああ!!!!」

「はいはい、どうぞ、それじゃ注文してきますねー。」


 ニコニコしながら飲む魔王と、泣きながらズゾゾゾゾッゾと飲む香織は久しぶりのティータイムを過ごした。



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