第11話 魔王きちまったじゃねえか!

「おはようべりあるるる。」

「おはようございます。」

「・・・・嫌な気がするからもう一回寝る。」

「流石マスター!良い感してますね。」

「・・・・・」

「来てますよ。」

「・・・・・」

「どうします?」

「・・・・・」

「・・・・・」

「一応聞くけど誰が?」

「魔王。」

「もー!やだー!この人ー!ばっちりフラグ回収してるしー!」

「で、隣の部屋で待ってますよ。」

「うっそでしょ!?」

「本当です。」

「普通外で待つんじゃないの?」

「いやいや、魔王ですから余裕でココまで来れますよ、被害甚大になる前に入れました。」

「・・・正解よねソレ、分かったわよ、行くわよ!合うわよ!」

 しぶしぶ香織は部屋を移動した。



「あら、ダンジョンマスターのお目覚めかしら?」

「・・・・かえれ!」

「何よ、いきなりそれは無いんじゃない?」

「・・・・おっぱいでけーやつぁ帰れ!なんで女なんだよ!」

「私が一番強かったから魔王になっちゃったのよ、好きでやってんじゃないわよ。」

「まぁ私も好きでカオスドラゴンなんてやってないけどね、それで?何の御用ですかー?」

「そうよ、うちのバカが部隊連れてここに来たでしょう?」

「はい!来ましたバカ2人と部隊100人ちょい!」

「全滅させたの?」

「いえ?誰一人・・・いや1人死んだ?」

「大丈夫です、回復間に合って今は元気です。」

「だそうです、全員ぴんぴん生きてます。」

「あら、そうなのね、連絡付かないから全滅しちゃったと思ったわ、今何処に居るのよ。」

「えーっとうちに就職して別の階層で働いてます。」

 めんどくさそうに言う香織、それを聞いて魔王は溜息を吐く。



「はぁ、やっぱりそうよねー、うちブラックだからねー。」

「え?わかってやってたの?」

「下の奴等が勝手にやってんのよ、私はそっちには口出してないから。」

「口出してあげなさいよ、結構苦労してるみたいよ?」

「そうは言っても先代の魔王から続いた魔国のルールだなんだとジジイどもが五月蠅いのよ。」

「あー老害は何処でもうざいのねぇ。」

「ほんっとソレ、そのくせ自分達は動かず口だけ、一回皆殺しにして作り直そうかしら。」

「魔王も大変ね。」

「大変なのよ、それでその四天王と部隊の確認に来たのよ。」



「はぁ・・・、あ、これ飲む?」

 香織はスタビャのストロベリーフラペチーノを出す。



「頂くわ。」

「ずずずずず・・・ぷはぁうまー、ベリアルまだコレ売ってるよね?あと4つくらい注文しといて。」

「なにこれ凄い美味しいんだけど。」

「でしょ、とっておきだからね。」

「ココに居たらこれ飲めるの?」

「まぁ注文して数日待つけど飲めるよ。」

「私ココに住む。」

「ちょっとまてえ!!!魔王!あんたが居たらヤバいでしょ!」

「えー、もう魔国やだー!魔王やだー!」

「なにそれが素?」

「私に勝てるのが居ないってだけで魔王にされて崇められて祀られて鬱陶しいのよぉぉぉ。」

「なんか私でも勝てそうな魔王なんだけど。」

「それだ!私に勝って魔王になりなさいよあなた!」

「ヤダよ!絶対やだよ!」

 全力で断る香織。



「・・・今日は帰るわ、ぷらぺちーの有難う、また来て言い?」

「うん、我慢できなくなったらおいで、魔王の分も注文しとくから。」

「有難う、貴方の名前は?」

「香織だよ。」

「あら転生者だったのね、私はティティ、違う世界から来た者よ。」

「おー、可愛い名前、地球じゃ無いのよね?」

「初めて聞く世界ね、違うわ、別の世界。」

「そっか、転移か転生か知らないけどナカーマだね、いつでもおいでー。」

「それじゃバイバイ。」



「うお!消えた!」

「転移魔法ですね、中々の使い手ですねぇ。」

「なんか凄い同情するわ、ベリアル、フラペチーノお願いね。」

「了解しました、金貨10枚にしときますね。」

「くっ・・・・はい。」

 震える手でお金を渡す香織だった。





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