第9話 二度あることはサンドあ~る!

「オハヨウヴェリァ~ル。」

「はい、おはようございます。」

「・・・・無反応ムカつく。」

「なんですか朝からそのテンション。」

「ふん!今何時よ。」

「8時です。」

「ふーん、良い時間じゃない。」

「いえ夜の8時で皆仕事終わって夕食食べてます。」

「・・・20時って言わない?」

「言いませんね。」



「今日の入りはどうだったの?」

「60人入って来て40人ほどお泊りですね。」

「か~っ!10階層より下に行った人間いないの!?」

「はい!いませんね!」

「なんで元気よく言うのよ。」

「いや、10階層で泊まってもらうと儲かるので。」

「そうだけどさぁ!」

「まぁ15階層に増築したダークエルフの宿に今の所泊まったのは4人ですからね。」

「いるの?15階層に宿。」

「いりませんね。」

「せめて20階層あたりはどうなのよ。」

「20階層はミノタウロスエリアなのでまぁ作るなら19階層でしょうねぇ。」

「ミノちゃん達21階層にして宿を20階層にしよう。」

「何でですか。」

「切りが良い方が覚えやすいじゃん?主に私が。」



「そう言えば25階層に住まわせた元魔王軍の四天王君達が家とか建てだしましたね。」

「そりゃ生活するなら家くらい建てるでしょ。」

「えぇ、それは立派な家を建ててます。」

「へー、どれどれ?」

 水晶モニターを25階層に合わせて見る。


「うぉ!なんじゃこれ!」

「凄いでしょう。」

「なに?魔王軍の兵士って大工いんの?」

「どうも魔法を使って建ててるみたいで器用なもんですねぇ。」

「凄いな魔王軍、良い拾いもんだったわ、これ45階層の私の別荘も豪華に出来るんじゃない?」

「使って無いじゃないですか。」

「だって遠いんだもん。」

「作る意味なかったですよね、寝起きはここでやってますし。」

「そういやココって何階層になるの?」

「階層とは別エリアじゃないですか、わすれたんですかー?」

「そっかー、そう言えばそうだったわねー。」

「・・・・19階層と20階層の間です。」

「そ、そうだったわね!別に設定忘れてたとかそう言う訳じゃ無いわよね!!」

「あったりまえじゃないですかー!今必死で1話から見直したとかするわけ無いですし!」



「おっほん!えっと・・・何の話だっけ?」

「えっと・・・魔王軍の建築がすげーなーって話だったと。」

「そ、そうだったわね、それで、こいつらこんな家建ててどうするつもりなの?」

「さぁ?なんか町っぽくなってますよね。」

「20階層のエルフこっちに宿作らせるか。」

「あーそれも有りですね、こっちにもサキュバスとナーガの支店作りますか?」

「それいいな、魔王軍の奴等が給料もらってそこで使うかも。」

「まぁ暫くは安月給なのであんまり飲めないですよ、多分。」

「それはしゃーないでしょ、それで納得したんだから。」



「マスター、お客様が来られてマス。」

「ダンタマ急に何よ。」

「せめてダンコアでお願いシマス。」

「はいはい、で?誰が来たのよ。」

「四天王の1人ダト言ってますガ。」

「・・・・はぁ。」

「どうするんです?多分四天王のガオス君が死んだ事になってますから話し合いではないと思いますよ。」

「マジかーめんどくさー、でもほっとく訳にもいかないか。」

「行くんですか?」

「いってくるよ、もう蹴散らしたほうが早いわ。」

 そう言うと1階層まで移動し表に出る。



「なんかゴルア!」

「うぉ!なんだ娘!」

「ココのダンジョンマスターだよ!カオスドラゴンだよ!」

「何処がだよ!!!」

「うっさいわね!変化してんの文句ある!?」

「あ、いや文句はないが・・・マジもんか?」

「マジよ、何しに来たのよ。」

「魔王軍第一軍のガオス他全員を全滅させたと聞いた!その仇討ちだ!」

「いや、全員生きてるしイキイキして建築してるし。」

「は?」

「魔王軍のブラック加減に愛想が尽きてうちに就職したわよ。」

「・・・・マジか?」

「マジよ、25階層で元気に町作ってるわよ。」



「ちなみに就職条件は?」

「週休二日、残業無しの一日8時間労働でお昼寝付きよ。」

「えっとまだ募集してます?」

「・・・・あんた達何が出来るのよ。」

「第二軍は遠距離特化の部隊だ、魔法や遠投武器の製造メンテが出来る。」

「・・・・いらないわねぇ。」

「えー!そこをなんとか!」

「え?マジで就職するつもりなの?」

「はい!」

「何人居るのよ。」

「総勢88名です!」

「多いなおい!」

「ダメですか?」

「んー取り合えず25階層行こ、ガオス君いるし。」

 ぞろぞろとエレベータに乗り移動する、途中エレベーターを動かすラットが疲れ動かないハプニングが有ったが気にしない。



「ガオスく~ん。」

「はい!マスター!あ、ギーズ!」

「ガオス!本当に生きてたのか!」

「おう!カオスドラゴン様の元で働くことにした!数日働いたが日に日に健康になって行くぞ!」

「いつも疲れてたもんな・・お前。」

「お前もな・・・・・。」

「で、この鹿の獣人君もうちに就職したいんだって、別に構わないけど多いから食事は自給自足を目指してね、外で狩りするときは少数精鋭でね。」

「はい!」

「で、給料は3か月は試用期間、あと自然湧きする12階層と19階層の魔獣を狩って肉と毛皮で生産、町に販売します!」

「了解です!」

「ガオス君、後輩の面倒みてよね。」

「了解しました!」



「はぁ・・・疲れるわ。」

「お疲れ様です。」

「ちょっと30階層から下3階層くらい自然湧きエリア増やして、生産性上げないと給料あげれないわ。」

「了解しました、ダンジョンコアに作らせます。」

「あ、ガオス君はミノ君10匹くらい相手出来るらしいから、強めの魔獣湧きで、高く売れるっしょ。」

「わかりました、それじゃぁ沸かせる頻度上げる為にマスター、カオスドラゴンモードの時間増やして貰って良いですか?」

「まーじーかー!分かったわよ!瘴気室に行って来るわよ!こんちくしょう!!!!」


 そして週に2日8時間ほどカオスドラゴンになり瘴気室でお昼寝するだけの仕事が増えた。


「ちくしょー・・・・ぐぅ。」





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