第5話 聖騎士団と魔王軍うぜえ!

「おはようベリーベリーストロベリー。」

「何ですかそのフラペチーノみたいな名前は。」

「飲みたいなーと思って、エクストラホイップで。」

「今年は選べるフラペチーノですよ。」

「何でそんな事知ってんのよ。」

「魔界通信に書いてました。」

「何それ私も読みたい。」

「ちゃんと名前呼べたら渡します。」

「ベリアル!」

「はいはい。」


「それで、今日はどんな感じ?」

「今日の冒険者は0です。」

「はぁ?!開店休業なの?」

「はい、外に聖騎士共が陣取ってますね。」

「くっそアイツらマジムカつく。」

「あと、魔族軍も来てます、睨み合いしてますねー。」

「何で魔族軍まで来てんのよ。」

「最近ウチに魔国から面接多いので見に来たんじゃないです?知らんけど。」

「なに大阪のおばちゃんみたいな語尾付けてんのよ。」

 香織は文句を言いながら、ベッドから降り立ち上がる。


「どうします?」

「ちょっと蹴散らしてくるわ。」

「行ってらっしゃいませ。」

 香織は隠し通路のエレベーターを使い1階層に出るとカオスドラゴンに変化する。



「くぉぉらぁぁ!人のシマで何やっとんじゃー!」

「出たな!カオスドラゴン!この聖騎士団団長のわt 「アシッドブレース!」」


ブフォァァァ!


「ぎゃぁぁ!撤退ぃぃ!」

「で、魔王軍は何なの?」

「何なのとは何なのだ!私こそは四天王の1人その名もk「尻尾プレス!」」


ペチッ


「あ、弱っ。」

「そこのあなた、コイツ拾って帰れ、次来たら視野に入った瞬間ドラゴンブレスだかんね。」

「はいいいぃぃぃ!撤収ぅぅぅ!」


「まったく、何なのよ一体。」

「何なのってマスター聞く前に蹴散らしましたよね。」

「だってイラッとしたから、って言うか付いてきたのね。」

「後処理が必要かと思ったのですが要りませんでしたね。」

 2人は撤収する聖騎士団と魔王軍を見ながら呟く。


「あー、今日は閉店!お休み!寝る!」

「今起きた所じゃないですか、あ、そう言えば米が収穫出来そうってコアが言ってましたよ。」

「マジで?!流石ダンジョン!発育早っ!見に行こう!」

 香織は急いでダンジョンに戻る。



「おー!めっちゃ出来てるー!」

「はい、言われたように精米もしています。」

「ほうほう、早速米炊くかな。」

「炊く?」

「そう、ご飯を炊くの。」

「どんな調理法なんですかね。」

「・・・米洗って、水入れて・・・炊く。」

「ざっくりとした説明ですね。」

「だってぇ、炊飯ジャーに米入れて水はメモリで見えるし、あとボタンぽちーって押すだけだったもん。」

「だったもんって可愛くいっても作れませんよ。」

「誰か作れない?」

「さぁ、ハーピーに作らせてみます?」

「ヤダ、変なもの入れられそう、イモムシとか。」

「それじゃココにいるリザードマンに作らせてみますか。」

 そう言ってリザードマンに作り方を説明する。


「わかった?」

「ワガリマジダ」

「まぁこんだけあるから成功するまでがんばれ、それじゃ私は帰る。」

「早いですね。」

「だって食べれる様になってから来た方が良いじゃん、どうせ一回で成功しないだろうし、炊くのに時間掛かるじゃん。」

「まぁそうですけどね、それじゃ帰りますか。」

 2人は香織の部屋、執務室であり指令室であり寝室に戻る。


「だんじょんこあー!」

「ハイ、御用でしょうカ?」

「用事が有るから呼んだんでしょう、バカなの?」

「バカって言う方がバカなんですヨ?」

「うっざ!あんた米の炊き方知らない?」

「知ってますガ?」

「・・・・今すぐリザーどん達に教えて来て!」

「ハイわかりまシタ。」



「マジであいつ聞いた事しか教えないのよね。」

「ダンジョンコアなんてそんなもんですよ。」

「お?冒険者入って来てんじゃん。」

「本当ですね、邪魔者が消えましたからとりあえず10階層目指すんでしょうね。」

「ほんっとアイツ等好きよねー。」

「でも今日の売り上げ0よりましですよ。」

「そりゃそうだ、今日は10階層までの魔物減らしておいて。」

「良いんですか?エネルギー使わせないと溜まりませんけど。」

「今日は休業みたいなもんだしサービス!その代わり一杯お金落としてもらおう!」

「マスターが良いならいいですけどね。」

「所でお酒とか何処で手に入れてるの?」

「街ですが?」

「誰が買いに行ってるの?」

「普通にサキュバスやハーピーとか、たまにコボルト達も配達してますね。」


「ちょっとまって、魔物が普通に街で買い物?」

「はい、あそこの街ってカオ様のお使いですって言うと素通り出来るんですよ、知らなかったんですか?」

「知る訳ないでしょ!まさか魔物が街に入れるとは思わないじゃない!」

「それが入れちゃうんですよねー、しかも街だけじゃなくダンジョンから街までの街道も討伐されないんですよ。」

「どう言う事?」

「街道はずれた森とかだと冒険者に狩られるんですけど、街道を通るうちのお使い連中って挨拶するんですよ。」

「誰に?」

「商人とか冒険者に。」

「なんでそこはフレンドリーなのよ、ダンジョンで殺し合いしてんじゃん!」


「うちのダンジョンって冒険者死んだらどうなります?」

「えっとホムンクルス培養層で蘇生して返す。」

「はい、うちのダンジョン超安全なんですよ、冒険者死なないんですよねー。」

「・・・・そういやぁそうだったわ。」

「魔物も復活出来るのがバレてるみたいで、街に買い物行ってるのも知ってるみたいで、街道で挨拶をする時は戦闘しないと暗黙の了解が出来上がっております!素晴らしですね!」


「うん、すばらしいね、そんな話聞いたこと無いよ。」

「はい私も知りません、最初に挨拶したのコボルト君らしいんですが、今じゃ街で忠犬扱いで人気者らしいですよ。」

「そのコボルト君ダンジョンでは?」

「はい!しっかり戦ってますよ!毎回死んでますけどwwww」

「笑えねえ・・・。」


「まぁいいや、もう寝る。」

「さっき起きたばっかりでしょう。」

「なんか疲れた、どうせ冒険者も10階層で泊まって帰るだけじゃん!仕事ないじゃん!お米うまく炊けたら起こして!」



「はい、お休みなさいませ。」




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