第4話 バレてーら!
「おはようベリベリ。」
「・・・おはようございますマスター。」
「反応無いのつまんないな、面白く無いよベリベリ君。」
「寝起きの挨拶で面白さを求めないでください。」
「コレだから悪魔は、今何時?」
「とっくにお昼を過ぎてますよ。」
「起こせよー!」
「嫌です、起こせと言われて起こしたら殴られますが、起こさなければ文句言われるだけなので。」
「んじゃ起こさない時も殴るわ。」
「意味分からないです。」
香織はベッドから降りて着替える。
「おーコレ可愛い、何?コレもベリベリが作ったの?」
「今日はその呼び方で行くんですね、はい、先日聞いたゴスロリと言う服を作ってみました。」
「凄いな、ちょっとだけ尊敬したわ、今日のダンジョン入り具合は?」
「はい、総勢128人ですね。」
「おー凄いじゃん!なんで?」
「はい、先日の武器や防具を宝箱に入れ持ち帰らせましたので噂が広まったのでしょう、コレでダンジョン内で使われる魔力や消費される生命力をダンジョンコアが回収し、エネルギーとして変換、ダンジョンの増設が捗りますね。」
「・・・うん、説明ありがとう。」
「いえ、コレもマスターの執事としての仕事なので。」
「あ、執事だったの?」
「はい、執事じゃなければ何だと?」
「下僕。」
「・・・・まぁ間違いでは無いですが。」
香織はそう言うと水晶モニターを弄る。
「お、20階層来てんじゃん。」
「はい、あそこはミノタウロスエリアですね。」
「冒険者にミノさん倒せるの?」
「倒せる者もいますが・・・」
「あ、冒険者死んだ、あー、ミノさんつえー!」
「まぁミノタウロス1匹ならまだしも5匹いっぺんに来たらそうなりますね。」
「死んだ冒険者は?」
「はい、以前ホムンクルス製造でポシャった機材で蘇生回復して蘇生エリアに転送です。」
「うん、死んだら大量に生命力入るけど、それで終わりだからねー、何度も来てもらったらその度に入るから効率良いもんね。」
「はい・・・マスターも説明っぽいですよね。」
「そう?気のせいよ。」
「でもやっぱり半分は10階層か。」
「はい、今日も売り上げ良さそうですね。」
「ウハウハじゃー!」
「そう言えばダークエルフが面接に来てましたよ。」
「えーアイツら魔王軍の配下じゃん。」
「えぇ、あそこブラック企業もビックリする程過酷ですからね、マスターの噂を聞いて来たそうです。」
「ほぉ、で?どうしたの?」
「15階層の宿屋増築で10人程雇いました。」
「おっけー、メリットあんの?」
「はい、戦闘力は有りますので何かしらのイベントの時動かせます、あとボンキュッボンなスタイルなので男冒険者が群がります。」
「よし!採用!」
「すでに採用してますけどね。」
「あ、あと街に聖騎士が来てるという情報が出てましたね、マスターを討伐しに来たそうです。」
「はぁ?何そんな大事な情報をついでに言いましたみたいに言ってんのさ!」
「いや、どうせここ迄来れないでしょうし、マスターが街に行って出くわしても薙ぎ払うでしょ?」
「そりゃ聖騎士如きに遅れは取らないけどさ。」
軽くいうと立ち上がる香織。
「お出かけですか?」
「れれれのれ。」
「何言ってるんですか?」
「うるさいわねぇ、そこはスルーしなさいよ、お昼食べてくる。」
「街に行くんですね。」
「うん、人型だしバレないでしょ?」
「いや、多分街の人には正体バレてますよ?」
「うっそん、普通に話ししてるわよ?」
「そりゃ中身がカオスドラゴンでも街の守り神的な存在ですからね。」
「私何もしてないけど?」
助けた記憶がない香織は頭を傾げる。
「結果的にですけどね、以前魔物のスタンビート蹴散らしましたよね。」
「あー、ハーピーが魔物の群れが来たってうるさかった奴ね、お使い頼んで巻き込まれて怪我したとか労災だとか言うからムカついて焼き払ったなぁ。」
「あと数年前に日照りの水不足があったじゃ無いですか。」
「有ったねー、作物育たなくて食堂が閉店するかもって言うから、水龍拉致って池にぶち込んで死ぬほど水魔法かけさせたわね。」
「えぇ、あの池居心地良いそうで今も居ますよ、それで街の住人はマスターの事感謝してますから。」
「でも街に行く時人型だからバレてなく無い?」
「街でなんて呼ばれてます?」
「カオちゃん。」
「それカオスドラゴンのカオちゃんですからね?」
「えー!香織のカオじゃないの?!」
「多分違いますね、聞いてきたら良いですよ。」
「マジか、聞いてみよ、昼行ってくるぁー。」
香織は、それはないでしょーと言いながら街に繰り出す。
「こんちゃー!門番さん!」
「おーカオちゃんいらっしゃい!」
「ねー、私なんでカオちゃんなの?」
「え?そりゃ皆んながカオちゃんって言うからだよ。」
「デスヨネー。」
香織はいつもの食堂へ足を運ぶ。
「こんちわー!」
「カオちゃんいらっしゃい。」
「今日のオススメ定食お願いしまーす。」
「はいよ!」
「おばちyaあががが!アイアンクロー痛い痛い!おねえさま!」
「なんだい?」
「何で私の事カオちゃんってみんな呼ぶの?」
「そりゃカオちゃんだからさ。」
「何でカオ?」
「何でだろうねぇ。」
笑いながら厨房へ行くおかみさん。
「誰も理由知らないのかな?」
「お!ここ空いてるじゃ無いか!」
「へい!いらっしゃい見ない顔だね。」
「あぁ、王国から派遣された聖騎士団の者だ、ちょっと聞きたいんだがこの街にカオスドラゴンが人にばkeグァぁぁ!!!」
おかみのアイアンクローが炸裂する。
「お前何をする!」
「あぁん?この街でそれを言うと頭が弾けるからね、覚えときな。」
「あ!貴女は元剣聖の!」
「なに!?あの一夏のバカンスと言って海辺の街に行ってナンパされて出来ちゃった婚した剣聖なのkあがががぎゃぁぁ!」
両手で2人の聖騎士にアイアンクローをしたまま持ち上げ表に投げるおかみさん。
「さっさと王国に帰りな!じゃないと頭と体がお別れするからね!」
おかみさんはドアを閉めると香織と目が合う。
「あ、あのー。」
「なんだい?」
「いえ!何でも有りません!」
「もう直ぐできるからね~♪」
「うん、何も聞いてないし、見てもない、うん!」
お昼の定食はオムライスだった。
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