第3話 米食わせろや!

「おはようベー君。」

「もう一文字で来ましたか、おはよう御座いますマスター。」

「イモムシに囲まれて身動き取れない夢見たわ。」

「殲滅して呪われたんじゃ無いですか?」

「呪いが怖くてカオスドラゴンなんてやってられないわよ。」

「まぁ呪われてますからね、それより苦情が入ってますよ。」

「はぁ?誰からよ。」

「ハーピーからです。」

「あー一緒に焼き払ったもんね。」

「いえ、そっちじゃ無いですね。」

「んじゃ何よ。」

「えっとですね、表紙の絵が詐欺だ、だそうです。」


「はぁ!?もうそのままの姿絵じゃない!何言ってんのあいつ、もう一回焼き払って来るわ。」

「まぁ、見た目は合ってるんですが、あんな愁を帯びた目した事ないですよね?」

「は?有るわよ。」

「いやいや、あの26倍くらい目つき悪くて口元薄ら笑いしてる感じですよね、アレは詐欺ですよ。」

「うっさいわ!どっから26倍って来たのよ。」


「それで、今日の予定なんかあんの?」

「45階層の別荘が出来たそうです、擬似太陽も作り昼夜を外とリンクして完璧だと、ポンコツ、もとい、ダンジョンコアが自賛してました。」

「へー、仕事早いじゃーん、見に行くかな。」

 2人は45階までエレベーターに乗る。


「このエレベーターって動力何よ。」

「14階に有る隠し部屋で魔物が動かしてます。」

「どうやって?」

「デッカい輪っかの中をビッグラットが走ってますね。」

「人力ならぬハムスターの回し車か、超ハイテクなイメージしてたのに騙されたわ。」

 45階に到着する。


「ほー・・・擬似太陽有るね」

「はい、ありますね。」

「別荘も立派じゃん。」

「えぇ、良い仕事してますね。」

「で?ここの気温今何度?」

「えーっとですね、60℃くらいですね。」

「まぁ私は大丈夫だけど。」

「悪魔なんで自分も大丈夫です。」


「植物もナーンもないね。」

「そりゃこんだけ暑かったら育ちませんよ。」

「・・・せめてさー、こうさー、見た目をさー、もう荒野じゃん!ほんっとあのポンコツ玉は!」

「まぁダンジョンコアにそう言うの求める方がバカですよ。」


「そうね、あたしがバカだったわ、それじゃベリアル、ここいい感じにしといて。」

「はい、悪魔仕様にしておきます。」

「お前もバカでしょ?」

「いえ、マスターとは違いますから。」

「そうやってチマチマディスるのやめなさいよこの悪魔!」


「お褒めいただき恐悦至極。」

「もう良いわ、よろしくね。」

「どちらに?」

「上に戻るのよ!大丈夫って言っても暑いのよ!」

「カオスドラゴンに戻れば余裕でしょ。」

「そうね、戻ってあんた踏み潰して上行くわ。」

「嘘です、やっときますんで上に行ってて下さい。」

「最初からそう言えば良いのよ。」

 香織は1人で上の部屋に戻った。


「ん-やる事無いな、しゃーない朝ごはん食べに行くか、あ、人型だと瘴気抑えれるからね?」

「ますたーだれにいってんのー?」

「出たなハーピー!てめぇ!誰が表紙詐欺よ!」

「だってー!あんなかわいくないm・・ぎゃー!あたまわれるわれる!!なんで手だけドラゴンなぁぁイタイイタイ!」

「えーっともう一回聞くね?誰が表紙詐欺なの?」

「・・・・さぎぢゃないでsイタイイタイ!。」

 ぽいっ


「ひどいですう!」

「帰ってイモムシ食ってろばーか!」



「さて、街に着きました!」

「お、いらっしゃいカオちゃん。」

「門番のおっさんこんちゃー。」

「今日も飯屋かい?」

「はい!うちの料理人が帰省してるんで。」

「大変だなーカオちゃんの所も。」

「そんな事無いですよー。」


「こんにちわー!」

「おや?今日は早いじゃない、カオ。」

「はい!オススメお願いします!」

「朝のオススメはホットドッグとオニオンスープだよ。」

「お願いしまーす!」

「カオちゃんが教えてくれる料理は人気あるからねー、どんどんお食べー、ハイどうぞ。」


 もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ


「おばちゃん今日h・・・うぐぁぁぁ!!頭いたいいいいい!」

「だーれがおばちゃんだって?」

「アイアンクローいたいいたい割れる割れる!おねえさまあぁぁ!」

「よろしい。」

「はぁ・・・ハーピーの気持ちが分かったわ・・・ごめんよ。」

「それで今日がなんだい?」

「・・・・なんだっけ、今ので全部吹っ飛びました。」

「思い出したら言っとくれ。」

「へい。」


「おb・・おねえさま、お勘定はい、ごちそうさまでした。」

「はい毎度!今日夕食も食べるのかい?」

「はい!来ます~♪」

「そうかい、良い肉入ってるからね、この前教えてもらった料理出すから楽しみにしてていいよ。」

「やった!」

 一度ダンジョンに戻る。


「はぁー美味しかった、米が有ったらいいのになー。」

「マスター、米有りマスヨ。」

「はぁ!?いきなり出て来てなんて爆弾発言してんのよ!何処に有るの!?」

「ダンジョン製造項目の植物に御座いマス、魔物を使って栽培致しマスカ?」

「なんで10年も言わなかったのよ!するする!最重要項目で進めて!」

「言わないと教えない言ったじゃ無いデスカ(ボソッ)了解しまシタ、湿地帯エリアのリザードマンあたりを使いましょう。」

「あートカゲいっつも暇そうだもんね、それで頼むわ、もし作れたら報酬考えとくって言っといて。」

「了解しまシタ。」



「よっしゃー!米だー!」




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