多くの人が知らない面白い雑学

誤りやすい認識・生存者のパラドックス！

生存者のパラドックスとは、何らかの選択過程を通過した人・物・事のみを基準として判断を行い、その結果には該当しない人・物・事が見えなくなることです。

例えば、ある戦争で生き残った兵士を対象に、戦争で生き残るための要因を調査したとします。調査の結果、生き残った兵士の多くは、戦闘経験が豊富で、体力や精神力に優れていることがわかりました。この結果から、戦争で生き残るためには戦闘経験や体力・精神力が必要であるという結論を導くことができます。

しかし、この結論は生存者のパラドックスに陥っています。戦争で生き残れなかった兵士の中には、戦闘経験が豊富で、体力や精神力に優れている人も多くいました。しかし、彼らは戦死してしまったため、調査対象には含まれていません。つまり、戦争で生き残るためには戦闘経験や体力・精神力が必要であるという結論は、戦争で生き残れなかった兵士の存在を無視した、誤った結論である可能性が高いのです。

さらに実例では、ある調査によると大学卒業者は、非大学卒業者よりも収入が高いことがわかりました。

しかし、この調査は、大学卒業後に失業した人や、低収入の仕事に就いた人を無視した、誤った結論である可能性があります。

生存者のパラドックスを避けるためには、選択過程を通過した人・物・事だけでなく、その選択過程を通過できなかった人・物・事も考慮する必要があります。

例えば、戦争で生き残るための要因を調査する際には、戦死した兵士のことも考慮する必要があります。

また、会社を成功させるための要因を調査する際には、会社で失敗した経営者のことも考慮する必要があります。

生存者のパラドックスは、私たちの判断を誤らせる危険性があります。そのため、何らかの判断を下す際には、それらを強く意識するべきです。

これは、誇大広告に使われる手法でもあります。

意外と他人事ではありません。