ノック、してよね おまけ

東森 小判

おまけ

 今日の体育はプールだった。

 だから今日みずきがかわいいパンツはいてるのはこうい室で見てて知ってる。それにかわいいミニスカート。お気に入りなのか、さいきんみずきがよくはいてくるやつ。

 田中くんがみずきのこと好きなのも知ってる。

 くすくす。

 いたずらを思いついたわたし。

 かえりの会のまえに田中くんにわたしのいたずらをこっそりおしえる。

 田中くん、おやゆび立ててよろこんでる。

 まじめそうな田中くんもスケベなんだね。

 じゃあ、いたずらじっこう!

 かえりの会がおわって、わたしはみずきのところに。

 田中くんもさりげなく、いや、かおがすでにわらってるじゃん、こっちにやってきた。

 「み〜ずき〜。」

 「かえろ〜。」

 みずきがせきから立つ。

 ふたりであるきだして、田中くんがわたしたちの後ろに来たから、わたしは立ち止まって、

 「えいっ!」

 わたしはおもいっきりみずきのスカートをめくりあげた。

 みずきはわたしがスカートめくるとかおもってもみなかったはずで、スカートをおさえもしないでかんぜんに丸見えじょうたい。

 「木村はピンク〜!」

 田中くんがわらいながらみずきのことをちらりと見て走ってにげていった。

 そこでみずきはなにがあったのかわかったみたいで、いつもよりひくい声で、

 「ゆいか。」

 わたしの名前をよんだ。

 その声に、いっしゅんでさむくなって、せなかに冷たいあせ。

 「男子にパンツ見られるのって、はずかしいよね。」

 みずきがわたしをにらみつけながら、やさしい感じだけどひくい声できいてきた。

 「い、いや、だって、田中くん、みずきのこと、、、」

 「田中くんはかんけいない。」

 みずきの声のせいできょうしつの温度が下がったような気がする。みんなもさっさときょうしつからいなくなった。

 「ゆいか。」

 「は、はい。」

 みずき、わたしにおこったことないから、こわい。

 「わたし、おこってるの、わかるよね。」

 いちだんとひくくなった声。おこってるのがはっきりわかるみずきの目。

 こわい。こわい。

 だってさ、ぱんつ、ミニスカート、そしたらさ、だって、、、う〜!

 みずきがこわくてこわくて、あっという間になみだがあふれてきて、とうとうわたしは泣き出した。

 「ごべんって、ごべんてば、みずき〜。ごべん、ぼうじないがら、、、わ〜ん!」

 わたしはゆかにすわりこんで、そのまま大声で泣いた。

 みずき、おこったらこわい。

 気がついたらみずきもわたしといっしょに大声で泣いてた。

 ごめん、もうみずきのことおこらせないから。

 

 今日の体育はプールだった。

 プール、あんまりすきじゃない。

 きがえがいや。ぬれたかみでじゅぎょううけるのもいや。

 いやいやばっかりだけど、もうおわったし、いい。

 かえりの会のまえ、ゆいかが田中くんとこそこそおはなししてる。

 あのふたり、なかいい。そのせいでときどき田中くんにはなしかけられるけど、わたし、田中くんにがてなんだけど。

 かえりの会がおわったのでゆいかがわたしのせきまできた。

 「み〜ずき〜。」

 「かえろ〜。」

 立ってゆいかといっしょにかえる。

 ちょっとあるいたらゆいかがとまった。

 ん?

 「えいっ!」

 ゆいかがおもいっきりわたしのすかーとをめくった。

 そんなことゆいかがするとかおもってなかったから、スカートを押さえたりもできなかった。

 もう、ゆいかってばなにするの、、、

 「木村はピンク〜!」

 田中くんがわらいながらわたしのことをちらりと見て走ってにげていった。

 もしかして、、、

 「ゆいか。」

 こんな声でゆいかの名前をよんだのはじめて。

 「男子にパンツ見られるのって、はずかしいよね。」

 ゆいかがいたずら好きなのは知ってるけど、これはゆるせそうにないかも。

 にがてな男子にぱんつみられたら、はずかしいしいやだ。

 そんなきもちのままゆいかを見たら、

 「い、いや、だって、田中くん、みずきのこと、、、」

 あわてていいわけするゆいかによけいにいやな気持ちになる。

 「田中くんはかんけいない。」

 いつもはなかよくしてるわたしとゆいかがけんかしてるからか、きょうしつのみんな、出て行っちゃった。

 「ゆいか。」

 「は、はい。」

 ゆいかがちっちゃくなる。

 「わたし、おこってるの、わかるよね。」

 いきなりゆいかがなみだいっぱいにしたと思ったら大声で泣き出した。

 ゆかにすわりこんで、大声で。

 ゆいかが泣いてる。

 泣いてるゆいか、はじめて見た。

 いっつもわらってるゆいかが泣いてる。

 わたしのせい?わたしのせいなの?わたしがおこったから?

 「ごべんって、ごべんてば、みずき〜。ごべん、ぼうじないがら、、、わ〜ん!」

 大声で泣いてるゆいかを見てると、わたしもかなしくなってきた。

 田中くんにパンツ見られたのははずかしかったし、ゆいかのことおこってるけど。

 泣いてるゆいか見たら、そんなのどうでもよくなった。

 ゆいかが泣いてるの、見たくない。

 ゆいかが泣くと、わたしもかなしい。

 う、、、

 気がついたらわたしもゆいかといっしょに大声で泣いてた。

 ごめん、もうゆいかのこと泣かせないから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ノック、してよね おまけ 東森 小判 @etch_haru9000

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ