第4の魔法「黒竜の血の杖~魔女の元彼?上島広也編」
〇登場人物紹介〇
「上島広也」-かみしまひろや
気の弱そうな二十代後半位の男性。
病気の父親を助けたいと願い。ルミナエール堂に導かれる。
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少し気の弱そうな風貌の
二時になるのを待っていた。
そして、二時。広也はスマホに必死に願う。
「ルミナエール。お願いだ。僕は、がんで闘病している父さんを助けたい。頼む!」
その瞬間スマホが光り、広也はあっという間にルミナエール堂に導かれた。
広也が目を開けると、店内におり。店主ルミナエールと知らない少女が立っていた。
「いらっしゃいませ。ルミナエール堂へ。私は木野真理と言いますっ」
真理は、可愛いエプロンドレスを着ており、にっこりと笑顔を向けておじぎをした。
ルミナエールは、広也をじっと見つめている。
広也もじっと見つめ、口を開いた。
「ルミナエール、導いてくれてありがとう」
真理が広也を見てから、ルミナエールの方を見て問いかける。
「ルミナエールさんっ、この人。知っているひとなんですか?」
「ああ、上島広也と言うんだ」
広也は父親が、胃がんで闘病している事を伝えると、ルミナエールに頭を下げた。
「ルミナエールさん。私の魔法で“魔法のお守り”を探しますか?」
「いや、今回は私がやるよ」
ルミナエールは、手を組み念じる。
「ルミナエール堂、広也の願いに応えられる魔法のお守りを私の元へ!」
彼女の身体が淡く光ると、ルミナエール堂が呼応し、奥の棚から小さな杖が飛んできた。
ルミナエールは、受け取るとそれを広也に手渡した。
それは、深い緑色の杖で上部には竜の姿をした飾りが付いている。
「これは、“黒竜の血の杖”と言う。魔法のお守り……。竜の血で作られている。これを使えば、その大いなる力で、あんたのお父様は助かるだろう」
「ありがとう!ルミナエール。金額は、いくらなの?今度、おろしてくるから」
広也が喜び勇んでいると、ルミナエールが心配そうに言った。
「病院代や治療費で、大変なんだろう?お金は、良いよ。その代わり、能力の代償にその竜の気性も受けちまうのがその杖で、危険な代物(しろもの)なんだよ。そして、それに打ち勝てなかった者は最後には、粗暴な竜そのものになってしまうんだ。本当は、あんたに使って欲しくないんだよ」
「大丈夫、大丈夫!こんな物なんかに僕は、負けないから」
彼は笑って、ルミナエールの肩をポンと叩くと彼女は指を鳴らし、元の部屋に戻した。
「ルミナエールさん、大丈夫なんですか?あの人」
真理が恐る恐る聞くと、ルミナエールは真理の背中を叩いて。
「真理ちゃん。私のサポートを頼む。広也を尾行するよ!」
ルミナエールが、真理の肩を抱き、パチンと指を鳴らすと二人は、広也のアパートの前に瞬間移動をした。
広也は、次の日の昼過ぎに父親の病院に出かけて行き、父に杖を使った。
すると、父は竜の力でみるみる全快し、医師達を驚かせた。
ルミナエールと真理が見ていると、広也が病院から出て来た。
彼は、まるで悪魔のような表情をしており案の定、竜の気性に捕らわれていた。
「あはははっ!この杖があれば、俺は支配者にだってなれる!まず、手始めに」
その時、ルミナエールは時を止める魔法で時間を止めた。
「いくよ、真理ちゃん」
「はいっ!」
「「竜の血よ。静まりたまえ。荒ぶるこの者から立ち去りたまえ!」」
ルミナエールと真理は、力を合わせて竜の杖の力と気性を広也から浄化した。
黒い竜の霧が身体から消え去り、広也が倒れ掛かる、ルミナエールは彼を支え、額にキスをすると。
「じゃあね。広也、他の人と幸せにね。これで永遠にさよならだよ」
記憶を消し、彼から黒竜の血の杖を取ると、真理を家まで送ってからルミナエールは
ルミナエール堂に戻って行った。その目元には涙が光っていた。
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