プロローグ 俺という人間

俺という人間の話をしよう。

高校一年のとき学校では普通にしていた。

なのに、

誰とでも寝る男という不名誉を貰った。

理不尽極まりなかった。

しかし、しょうがないとも諦めた。

俺は元々はそういう男だからな。


俺は実際に◯フレを作っていた。

何人もの女と寝ていたし、

一時期は複数人の◯フレもいた。

そんな俺は噂と遜色ない人間と言えるだろう。


だが、それはいけないことなのだろうか?


避妊はもちろんお互いのためしてるし

◯フレが嫌がるようなことは一切しない。

上とか下もない対等で

お互いの性欲を処理する関係。

それを間違っていると言われる筋合いはない。


と今はそう言っているが

最初からそうだったわけではない



小さい頃の話をしよう…





俺は小学生の頃は普通だった。

暴力などの非行に走ることのない

大人しい子供だった。

今と変わらず友達らおらず、常に一人だったが

別に対して気にはしていなかった。


俺には母がいたから。



母は俺と同じ金髪でとても優しい人だった。

俺が生まれてすぐに

病気で父が死んだにもかかわらず、

彼女は俺のことを一人で育ててくれた。

愛情を込めて俺を育ててくれた。


だから、俺は彼女に少しでも報いるために

精一杯生きようと決めていた。

料理を覚えたのもその時だ。

俺が道を外れなかったのは彼女のおかげ。

彼女は俺が今まで生きてきた中で

唯一、心を許すことができた相手だった。





母は○んだ



母は俺が小学校6年のときに事故で○んだ。

突然のことだった。

俺はもちろん母の○を受け入れられなかった。

まだ小さい頃で精神が弱かったのもある。


母親おれのいきるいみを失ってどうすればいいのか

あの頃の俺…違う。

今の俺にすらそれは分かっていない。



そんな俺だったがその後、

父方の祖父の家に引き取られることになった。

祖父母はとてもいい人たちだった。

俺をどうにか励まそうとしてくれていた。

だが、俺はそんな彼らを拒絶した。


最低だったと思う。

相手は無償の優しさを俺に向けてくれたのに

当の俺は受け入れようとしなかったのだ。


拒絶をして口もろくに聞かない俺。

家に帰るのも嫌で少しでも遅く帰る俺。

祖父母たちも心配しただろう。

本当にクズだったと思う。

母の幻想に執着するクズだった俺。

そんな俺を三年も住まわせてくれたんだ。

あの人たちは聖人かなにかだろう。


死んだように生きていた俺だったが

少し…

ほんの少しだけマシになる出来事があった。


今の俺のはじまりの出来事が…


『そこの君、ちょっといい?』

はじめは知らない20歳ぐらいの女性だった。


俺が何かを求めて夜中に出歩いている時に

彼女は俺に向かって話しかけてきた。


『ここの場所知らない?』

彼女はそう言い、ある写真を見せてきた。

写ってたのはホテルとその場所の地図の写真。


『知ってます。

 良ければ案内しましょうか?』

『いいの!』

場所に覚えのあった俺は案内することになった


今思えば本当に頭が悪いと思う。

地図が分かってるのに

わざわざ聞く必要はないはずはないのに…



『君、本当にはじめて?

 とても気持ちよかったわ~

 また機会があったらよろしくね!』

俺は彼女と一晩を共に過ごした。

行為の内容はあまり覚えていないが

別れはあっさりだったのだけは覚えてる。


そう彼女は俺に道案内を頼んだわけではなく、

ホテルに行けるかどうか聞いていたのだ。

それに俺はなにも考えずついていった。

だから、彼女に食われても仕方がなかった。


俺の初体験はそんな酷いものだったが

あのときの女性には感謝している。

彼女のおかげで知ることができたからだ。


行為をしている間は全てを忘れられることに…


その後、俺は行為を求めた。

行為をしているときだけ生きている気がした。

幸い俺はその筋の人には受けがいい見た目だ。

だから、相手には困らなかった。


経験人数は余裕で二桁を越えていたと思う。

それでも続けていた辺り、

俺は人間としておかしくなっていたのだろう。

今でも十分おかしい俺だが

その俺ですらあの頃の俺はヤバいと思う。


そして、俺は高校生となり、

ある程度精神が安定し無茶はしなくなった。


だが、その頃にはもう遅かった。

行為にどっぷり使った反動だろう。

誰と寝なければ眠れない体になっていた。

だから、セ○レを求めてしまう。


結局のところ、俺は穢れた存在ということだ。

ある程度、今はマシに見えると思う。

だけど、本質はどうやっても変えられない。

どれだけ自分を間違っていないと

言い訳を並べたとしても俺は獣以下だ。

人間にはなれない。


今、俺と一緒にいてくれる彼女たちも

本当に俺を知れば俺から離れていくだろう。

俺みたいなやつは誰も認めるはずがない。

この世に存在していいやつではない。


でも、それでいい。

彼女たちは間違っていない。

本来俺と関わるべきではなかったのだ。

だから、もし離れるなら早くしてくれ







ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 


「もう少し甘めの方がいいか?」パク

俺は朝5時に起きて弁当の準備をする。

今日から学校だ。

なので、玲のために弁当を作っている。


今日は午前中までで終わりなのだが、

玲がどうしてもとお願いするので作っている。


ジュー


今作っているのは卵焼きだ。

俺は甘い卵焼きが好きだから砂糖多めだ。

前にそれが俺らしいと玲に言われたが

名前を使ったジョークだったのだろうか?


佐藤だけに甘い…


「…ぷっ」

玲らしからぬジョークに笑いが込み上げる。

堅物な彼女にはイメージがまるでない。

だからこそ、おもしろい。


ヒョイ

そんな風に玲のことを

考えながら卵焼きをフライパンから皿に移す。


今日も上々の出来だ


ピンポーン

俺が弁当を盛り付けていると

家のチャイムがなる。

まだ、朝6時にもなっていない。

こんな時間に来る人間はそうはいない。

いるとしたら…


「美鈴か?」

俺は美鈴が来たのだと決めつけた。

彼女は割りと早い時間に来ることが多い。

だから、来るとしたら彼女しかいないはず。


しかし、疑問がある。

今日は確かに美鈴の来る日だが

そもそも、今日は学校が始まる日だ。


だから、来る訳はないはずなのだが…


ガチャ


疑問に思いながらも俺は玄関を開ける。

一応、チェーンは付けたままだ。

強盗とかの可能性も少しながらある。

用心に越したことはないだろう。



「おっはよー!」



結果的にそこにいたのは美鈴ではなかった。

しかし、知り合いの少女ではあった。



「なっ…!?」

俺は驚きのあまり声を失ってしまう。

驚くのも無理はないだろう。


だって、そこにはー



「来ちゃった🖤」


が立っていたのだから








ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あとがき

プロローグということで今回は短めです。

ここから先、

主人公を取り巻く環境は少しずつ変わります。

色々と間違えたり倫理的におかしい彼ですが、

そんな彼がちょっとずつでも

幸せになれたらいいなと思っています。

そんな彼への応援よろしくお願いします!





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