賠償スキルで、『最強無双』と『ざまぁ』します～魔王との戦いで逃げる時に勇者達に生贄として置いて行かれたので、賠償スキルでみんな奪ってやった～

第８４話 決勝戦

　今日は魔法戦の決勝戦だ。

　別に気負いとかない。

　魔王より強い奴がいたら見てみたい。

「では、構えて。始め！」

「【火魔法、バリスタ】」

　丸太みたいな炎の矢が形成されて、発射された。

「【氷魔法、盾からの人形】」

　氷の盾が矢を受け止め、盾は人形へと姿を変えた。

　人形は、俺の手を掴むとぐるぐるとジャイアントスイングを始めた。

「どっせい」

　俺は踏ん張り、急停止。

　今度は反対に人形が俺の周りを回った。

　そして、対戦相手に向かって飛んで行く。

「【火魔法、ファイヤーウォール】」

　炎の壁で氷人形は溶けた。

　熱湯が対戦相手に向かって飛ぶ。

　対戦相手は飛び退いてかわした。

　俺は氷人形を増産。

　氷人形は組体操して塔を作った。

　そして、対戦相手に向かって崩れて行く。

　対戦相手は回避に成功。

　笑いがないな。

　ええと、氷人形を俺はゆるキャラに変えた。

　ゆるキャラの氷人形達が一斉に対戦相手に向かって駆け寄る。

　対戦相手は圧死寸前のところを大ジャンプして逃れた。

　爆発か、風魔法で大ジャンプしたと思われる。

　着地はどうするのか見ていたら、ビタンと叩きつけられ、舞台の外に出された。

　死亡認定されたらしい。

　へっ、これからなのに。

　笑い取らないと。

　氷人形がふんぞり返る。

　俺は揉み手し氷人形達の機嫌を取った。

　そして、一体の背後に回りケツをキック。

　氷人形達が一斉に俺の方を向いた。

　俺が指をパチンと鳴らすと、氷のタライが落ちて来て、氷人形を押しつぶした。

　そして、意気揚々と舞台を降りようとした俺の背後に氷人形が再生、俺のケツをキックした。

　幻影魔法で、星を散らしながら、俺は舞台から落っこちた。

　氷人形は肩を震わせて笑っているポーズを取る。

　俺は氷の巨大ハリセンを出すとそれで、氷人形を叩く素振りを見せた。

　氷人形は命乞いをする。

　俺はハリセンを管のホースに変えた。

　管は氷人形のケツに刺さった。

　俺が氷で出来たポンプを動かすと大きくなる氷人形。

　そして宙に浮かんだ。

　俺がそれに跳び蹴りすると、膨れ上がった氷人形は空気を排出しながら、飛んで行った。

　それは萎み完全に小さくなり消え、会場に雪を降らせた。

　拍手が起こる。

　ショウが寄って来た。

「儲けが金貨１０００枚を突破したぜ。次のかけ金は、そこらじゅうの金貸しから借金して、金貨３０００枚を用意した。エキシビジョンはお前に全額賭ける。分かっていると思うが、頼むからな」

「負ける要素がない」

　勝てるとは思うが、イヤミィは天才だからな。

　きっと前よりパワーアップしているに違いない。

　いざとなれば賠償で弱体化できる。

　魔王討伐の功績を横取りしたのだから、その代償は払って貰おう。

「お前の応援のためにリリーの勤めているお店から、女の子を呼んだ。控室で女の子にマッサージして貰えよ」

「ありがとよ」

　控室に行って長椅子に横たわる。

　女の子が３人入って来て俺の体を揉み始めた。

　ショウもエッチなマッサージをするのは不味いと思ったのか普通のマッサージだ。

「あれから、ボンボレスはどうだ？」

「気をつけた方がいいかもね。ショウとあなたに復讐するって言ってたらしいの。店の女の子が聞いたみたい」

「まあ、そんなことだろな。ボンボレスの話であの方というのは出てきたか？」

「そんな話は聞かないわね。ただ魔力増強薬の話は聞いたけど」

「へぇ」

「勇者様に献上するんだって」

　勇者の名前がここに出てくるとはな。

　さて、エキシビジョンはどう戦おう。

　受けに回るか。

　イヤミィの攻撃を受けきる。

　実力差を分からせて絶望したところを止めを刺す。

　いいかもな。

「マッサージありがと」

「どういたしまして」

「またお店に来てよ」

「待ってるわ」

「どうだ。英気はやしなえたか」

　女の子が出て行き、入れ替わりにショウが部屋に入ってきた。

「おう、ばっちりだよ」

「ところでどうやって学園長を買収したんだ」

　人生一度の大博打を打っているから心配なんだろうな。

「実は俺、勇者パーティと一緒に旅をしたことがあるんだ」

「旅芸人なのは知ってるが、そんな縁がな」

「で学園長のイヤミィに俺は貸してる。借りを返してもらうわけだ。もちろん戦いに勝って学園長にはなったりしない。魔法戦が終わったら辞退して、また旅に出るつもりだ」

「そうなると学園長はまた返り咲くな。だから負けても良いってわけか。でその借りってなんだ」

「魔王討伐の功績に匹敵する貸しだ。詳しくは言えない」

「それは凄いな」

　ショウは盛んに頷いて納得したみたいだ。

　騙され易い奴だな。

　９割ぐらいは本当のことだがな。