第73話 訴え

 魔法の練習で故意に怪我をさせられたとの訴えか。

 とりあえず洗脳魔法。


「生徒を故意に怪我をさせたか?」

「はい」

「判決、治療費を払え。そして反省文だな。反省文は講師や教授に出しておく。成績が悪くなるが構わないよな」

「はい」


 そして。


「なぜだ。なんで俺が謹慎一ヶ月なんだ。それとこの借用書は何だ」


 怪我をさせた生徒が喚いている。

 俺は廊下の角から、その様子を観察してほくそ笑んだ。


 さて、次の手紙はレイプか。

 これは重罪だな。


 洗脳魔法して。


「女生徒をレイプしたか?」

「はい。しました」

「よし、男が好きな男達の集まりがある。そこへ行け」


 レイプ魔の生徒はあるバーに全裸で入った。

 滅茶苦茶にして下さい♡と体に書いて。

 俺は洗脳魔法を解除した。


「俺は何でここにいる。なんだその目つきは。やめろ触るな」


 断末魔の悲鳴がバーの外まで聞こえてきた。

 これに懲りたら、レイプはやめとけ。

 レイプされる側の気持ちがよく分かっただろうからな。


 次の手紙は、テストの点数を細工された。

 講師の内部告発だな。

 教授と講師数名の名前が書いてある。


 洗脳魔法をして罪を告発させても、首にならないかも知れない。

 特に教授はもみ消したりしそうだ。


 こういうのはより権威がある所から叱って貰うのが良い。

 テストの細工に関わった人達に、自分はテストの細工をしていかにお馬鹿かの論文を書かせた。

 そして、それを学会と、教授連中とか、色々な場所に送らせた。


 教授の部屋の外で本を立ち読みするふりをする。


「なんでだ。なんで俺が学界から追放なんだ。それと他の教授の目がおかしい。何が起こった」


 講師がやってきた。


「教授、大変です。我々の名前でお馬鹿論文なるものが各方面に送られています」

「なんだと」

「誰かがやったと思って既に調べてあります。どうやら我々の姿になって犯行に及んだみたいです。サインや筆跡もよく真似てあります。大掛かりな組織ですよきっと」

「くそう、もう終わりか」


 そうだよ。

 終わっている。


 学園の警備員が大挙してやってきた。


「研究費、横領の罪で逮捕する」


 そんなこともやってたのか。

 今度から裏を取る時は余罪も聞いておこう。

 俺がやったと噂が立った。

 そして脅迫状が届いた。

 慰謝料として金貨1万枚を払えとある。


 やなこった。

 30人ぐらいの男達が家に押し掛けて来た。

 とうぜん返り討ちにして、賠償を取った。


 脅迫状を出した奴からも賠償が取れたようだ。

 スキルが大量に手に入っていいことだ。


 めぼしいのだと、高速思考と無詠唱だ。

 これはたぶん教授か講師の誰かだな。


 次の訴えは、女生徒に貢いだのに振られました。

 ええと判決は貢いだ物を返してやれだ。

 ただし半分だけ。

 だって、彼女として付き合った時間があるだろ。

 愛がなかったかも知れないが、いい夢は見れたよな。

 その金額が貢いだ物の半分だ。


「これで終りにしましょう。もう付きまとったりしないでよね」

「ああ、これで終りだ。返してもらった品物は新しく彼女が出来たら贈り物にするよ」


 使い回しは駄目だと思うが。

 女生徒の洗脳魔法を解いた。


「なんかすっきりした気分。いい男捕まえるぞー」


 さて、次の訴えは。

 魔法戦で嫌がらせを受けました。

 俺も受けたよ。


 ロイヤルガーデンだな。

 さてどうしよう。

 ここらでロイヤルガーデンの息の根を止めたい。


 洗脳魔法して退学も良いけど、それだけだと恨みが晴れない。

 金で解決かな。

 金がなきゃ借金させりゃいいだけだし。

 俺の賠償スキルも基本は金だからな。


 余罪も全部白状させて、賠償金を算出。

 被害者に配った。


「みろよ金が置いてある。ええと賠償金」

「俺の鞄の中にも入ってた」

「私も」


 学園中大騒ぎ。

 ロイヤルガーデンは解散状態になった。

 もっとも俺に掛かってきたときにスキルを奪ったから、学園の授業などに支障が出てたけど。


 1000人規模で襲い掛かってくること希望。

 でもたぶん殺し屋で来るだろうな。

 そんな予感がする。

 それならそれで嬉しい。

 殺し屋は良いスキルを持っているからな。

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