第9話 小森美羽の独白

 私は静かなのが嫌いだ。1人が嫌いだ。家に帰っても1人になるだけだから出来る限り遅く帰るようにしている。

 高校に入ってあややん達に出会って友達も沢山出来た。最近はツムツムとよく話す。前に戻れたようで嬉しい。


 高校に入る前からツムツムとはSNSでよく話していた。最初はなんか変な話し方だし返信がやたらと早いとか思ってたけど、割と遠慮なく突っ込んでくれるし楽しかった。何よりいつも遅くまで相手してくれた。入学してしばらく連絡が来なくなってまた静かな夜が始まった。


 私が小さい頃にお母さんは離婚して女手一つで育ててくれた。金銭面で困ることは全く無く、部活で必要なものもお小遣いもスマホも特になにもいわずにくれた。お母さんにはとても感謝している。

 会社ではそこそこ偉い地位にいるみたいで、いつも帰りが遅い。仕方が無い私の為に頑張ってくれている。


 出来るだけ迷惑をかけまいと勉強や部活を頑張った。部活はそこまで結果を残せなかったけど勉強はそこそこ出来た。


 今度の体育祭にお母さんが見に来てくれるらしい。それを聞いて私は必死になって頑張っている。学校での私を見てお母さんが安心できるように。大丈夫だと思えるように。







 それで、


 それで少しでも、凄かったよって褒めてもらえたら嬉しいな。

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