第3話 ワールドカップ開幕戦
「普段の1試合以上の価値がある」と言われることが多い開幕戦。そのチームのシーズンの流れを占うような試合になることが多い中、短期決戦のワールドカップにおいて開幕戦の重要さはどれほどであろうか。日本が迎える相手はいきなりサッカーの強豪国・ブラジル。
拓実は「最悪有休を使ってでも見よう」と思っていたのだが、拓実がサッカーを真剣に見だしたら何も手につかなくなることを知っていた部長の言葉に救われていた。
「青葉くん」
「はい!」
「明日は昼からの出勤でいいよ。青葉君の好きなサッカーワールドカップの開幕戦でしょ?どうせ試合が気になりすぎて仕事できなくなるでしょ?」
「ほんとですか!そうなんです。明日は開幕戦でしかも世界ランキング1位のブラジルとの対戦なんですよ!もしこの試合に勝つようなことがあったらグループリーグ突破にも日本のサッカー界の発展にもかなり大きいと思います!」
「おお~そうなのか!じゃあ、入社からいつも仕事もきっちりしてくれる青葉くんには可能な限り日本の時は全試合で遅れて出勤する権利を与えようかなとか思っていたけど、もしブラジルに勝ったらそのあとの試合はいつも通り朝から出勤してな?笑」
「え…」
部長はそんなこと思ってくれてたのか。その言葉を聞いた瞬間、拓実はテンションを一回上げて落とされた…
「うそうそ、冗談だよ。日本があるときは試合終わってからの出勤で大丈夫だよ笑笑」
僕の入社したところはなんて優しい会社なんだ。
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