第2話 4年に1度の・・・

2026年6月。

今月は、拓実の大好きなサッカーのワールドカップがアメリカ・カナダ・メキシコの3か国で共同開催される月だ。


サッカー日本代表『サムライブルー』は、2022年冬のカタールワールドカップ終了後から順調にFIFA《フィファ》ランキングをあげ、2025年には念願の10位以内に。今大会を迎える前には世界トップ7目前の8位まで順位を上げていた。

日本はアジアに留まらず、「世界を魅了するサッカー大国」に進化を遂げようとしていた。


そして、明日は日本のグループステージ第一戦、ブラジル戦の試合日だった。


北米開催のワールドカップということで、現地時間19:00キックオフの試合を日本で見ようとすると、朝の10:00ぐらいの放送となる。普通の社会人だったら平日の午前中は絶対仕事中で、拓実は

「どうやって見ようかな〜録画してもいいけど、リアルタイムで見ないと結果分かったら面白くないからな〜」

などと考えていた。




日本は2022のカタール大会に続いてワールドカップ連覇を狙うアルゼンチンを抜いて世界ランキング1位のブラジル、開催国のカナダ、そしてアフリカ大陸のチュニジアと同じグループCに入っていた。

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