三擦半
暗い部屋。彼と繋いでいた手は少しずつ戯れを覚えて、寝間着越しに、彼のやわらかな性器に触れる。彼は笑ってその行為を窘めるけれど、気にせず、むにゅりと表現するのが正しいそれを、ただ握る。
彼の腹に頭を載せて、きゅるきゅるとお腹が鳴るのを聞きながら。少しずつ芯を持ち、熱を帯びた手中のものは、爽やかな夜の雰囲気を変化させていく。
優しく頭を撫でられて、いつもよりも優しい声音で、舐めて、と。浮いた腰に従って、寝間着と下着とを下ろす。
暗くて冷たい夜が熱を帯びた。
口内で怒張する昂りと、舌に感じるとろみが、彼が興奮している事実を強調する。挿入は痛くて嫌だから、できればこのまま。
彼に気持ちよく果ててもらうためなら、この苦しさなんて何とでもなる。手を添えた腹筋に力が入る、きっともう、限界なんだ。変わらないスピード、力加減で、彼が果てるのをじっと待つ。
出ちゃうから待って。
彼の言葉とほぼ同時に、口から彼がいなくなる。表情なんて見えないけれど、重なった唇と、優しく押し倒された事実が、望まない夜を深めるのだ。
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