第二話

 自分が誰なのかを探すべく、部屋にある、保険証や、運転免許証など、自分についてわかる身分証明証のようなカードを探したが、見つからなかった。

 他に持っていたであろうポイントカードなどを探したが、見つからない。

 次に郵便物を探して、住所や名前などを探そうとしたが、やはりこれも見つからない。

 スマホのマップのアプリで、住所を探そうとしたが、そもそもマップのアプリがなかった。

 そうして探していたが、時刻は、19:15になっていた。

 色々探して、疲れたので、コンビニの弁当を今日は食べる。

 その後はすぐに布団に入った。



 家からは情報が得られなかったので、今日は警察に行こう。

 いつも通り着替えて、警察署に向かうため玄関を出るが、警察署がどこにあるのか、近いのか遠いのかが、分からない。

 でも、交番だったらある程度近くにはありそう。

 まずは近所を散歩しながら、案内板や、交番などを探すことにした。

 公園や、本屋、スーパー、コンビニ、小さなホームセンター、飲食店などがあった。

 その中には、図書館があった。ここには案内板があってもおかしくないと考えたが、見つからない。

 探しているうちに、自販機を見つけ、喉がかわいていたので、水を買った。

 その後、駅も見つけ、ここならあるのではないか。案内板をようやく見つけ、交番を探す。どうやら街のはずれのほうにあるようだ。

 だが、そこで思いついた。110番通報をすれば、警察の方が来てくれるはずだ。早速電話をかける。

プルルル、プルルル、プルルル…

「はい、事故ですか?事件ですか?」

「自分が誰か分からなくて誕生日も分かりません。場所もわかりません。どうすればいいですか?」

「都道府県名や、市区町村名は分かりますか?」

「分かります。群馬県の——————」

「分かりました。捜査官をそちらに向かわせます。」

「ありがとうございます。失礼します。」

 ああ〜良かった。これでなんとかなるな。


 それから、3時間が経った。遅いな〜


 そこからさらに、2時間が経過した。現在は17:34。

 プルルル、プルルル、プルルル…

 スマホの画面には"非通知"の文字が表示されていた。

「はい、もしもし。? もしもし、なんですか?」

「天国か地獄どっちがいいですか?」

「えっ?!天国…?」

 プツッ、プー、プー、プー

 切れてしまった…。でも、天国か地獄かなんて、まるで私が死ぬみたいな言い方で、不気味だったな〜。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る