03話 「冒険者砦」だべ
03話「冒険者砦」だべ
俺たちはフォールの小屋で恐竜の『焼き鳥』をサカナに呑(の)んでいた。
恐竜のシッポの先端だけ回収できたが、このシッポは鶏肉に似た味でなかなかイケる。
そういやワニの肉は鶏肉に似てるとか前世で聞いたな。
おそらく恐竜が絶滅した理由は北京原人(ペキンげんじん)やストランドローバーが焼き鳥にして食ってたからだろう。たぶんな。
俺は五本目の焼き鳥に手を伸ばした。
フォールが薪(たきぎ)を焚(く)べながら声を掛けて来た。
「じつはギルドから、もし『予言の勇者』が現れたら本陣へ連れて来いとの命令も受けている」
「マジかい。何で勇者が来ると知ってたんだべ?」
「わからない。まさか本物の勇者が居たとは私も思ってなかったよ」
「そりゃそうだろ、じつは俺も自分が予言の勇者だと知って驚いてるだべ」
フォールが知らないのは本当だろう。嘘を言う男では無い。
「あなたは本物の勇者だ。いずれ悪魔軍を撃ち破り世界を救う」
「なぜ、そう思うだ?」
「私も昔は冒険者でしたからね」
フォールは薪をくべながら、少し寂しそうに言った。
「そうか」
思えば俺の前世も底辺の土建労務者だったが、周りのオッさんや兄いちゃんたちも皆明るかった。
みんなで働いて酒呑んで、遊び歩いて、また働いて。
ダンプに乗ったり重機を操作したり、真夏のドブさらいや草刈りや、キツイ仕事もあったが、それなりに楽しかった。
まぁ…転生しても似たような生活だが。
だがフォールは違う。
これほどの腕と知識を持っている男だ、若いころは夢や希望に燃えていたのだろう。
誰だって好き好んで一人寂しく辛い仕事をしているワケじゃない。
それでもフォールは自分の使命を淡々とこなしている。まるでサムライみたいだ。
「焼き鳥だべ、パーッと呑もうぜ」
俺はフォールのカップにドワーフ酒を注いだ。
俺は八本目の焼き鳥に手を伸ばした。
翌朝、俺たちは出発した。
フォールは先日の猟師姿とは変わって、軽装のプロテクター類に手甲、短槍を持ち、背中には短弓と矢。腰には剣。足やブーツにもナイフが仕込んである。頭にはバンダナの様な布を巻いている。
うお〜本物の冒険者のレンジャーか!初めて見た、カッコイイ。
「もう歳なので昔の様には動けません」
いやどう見ても達人だろ!
旅の初めから凄い人物を仲間にできて良かった。
俺たちは焼き鳥をかじりながら山を越える。
フォールの話ではルート通り山を通過しないと不審者としてギルドの斥候から攻撃されるらしい。
たしかに時々人の気配がした。行き先はその都度(つど)現地の案内人から知らされる。
彼らもフォールの様な任務に就いているレンジャーたちだ、油断はできない。
『左上を見てみろ』頭の中にあの声が響いた。
藪(やぶ)の中に尖った柵(さく)の様な物が寝かせてある。
おそらくこれは斜面を滑り落ちて侵入者を串刺しにする罠だろう。
他にも丸太や投石用の石積みを見た。
『石詰めの様じゃな』
「何それ?」
『上から落石で潰して動けなくなったところを槍で刺して仕留める方法じゃ』
ウゲっ!嫌な死に方だな。
だいぶ厳重な警戒ルートの様だ。
三日目。
ちょうど恐竜の尻尾が食い終わったころ秘密の里に到着した。
森の奧の山の中腹の崖の上に石造りの大きな教会がある。二十件ほどの集落が見えるが、まるで忍者の隠れ里だ。
「動くな!」屈強そうな男たちに囲まれていた。盗賊か?どこに隠れていたんだ。
フォールは動じずに言う。
「マスターの命令どおり予言の勇者様をお連れした。連絡を入れたはずだが」
「そのチビ娘が勇者だと?ウソをつけ」
いやチビは余計だろ。美少女だぞ。
しかしコイツらがギルドの冒険者なのか?イメージと違うな、まるで山賊かアパッチ村だ。
ギルド村の入り口で押し問答をしてる横でボルゲルのアホがまた余計な解説をはじめる。
「冒険者ギルドとは言っても中身は軍に雇われた辺境の山賊、野盗、流れ物の派遣会社ですからねぇ。
それが諸侯の傭兵(ようへい)になって、
ある時は敵、ある時は味方、
裏切り御免の無法集団になったりする連中ですね」
ちょ!お前、なにデカい声で呑気に解説してんだよ、メチャクチャ睨(にら)まれてるぞ。
話してる間に背後に三人ほど回り込んで来ている。
痴漢かな?狙いは俺だな…まぁ美少女だからな。
俺は知らんぷりしている。
フォールが振り返る。
「止めておきなさい、彼女はあなた方より強い」
フォールは男たちに警告したが、それより早く背後から一人、大男が俺を抱き上げようとした。
「ギャっ」と悲鳴を上げて大男は転げ回った。
背中に担いでいる斧が赤熱化している。
ダブルトマホウクの痴漢防止機能が働いたようだ。
運が良かったな腕が蒸発しなくて。
俺は全然熱くないが、岩盤をも溶断する高熱だ。本気なら一瞬で黒焦げになる。
しかしコイツら人さらいも手慣れたものだな冒険者ってそういうヤバい仕事もしているのか?
「このガキ!」今度は二人が左右に分かれた。
美少女に向かって失礼な!子供だなんて思ったら大間違いだわよ
俺は背中の斧を引き抜いて右手上段に構え。
鳶口(とびくち)は下段に二刀流で構える。
1人は正面から追い詰め、もう1人が横に回り込もうとしている様だ。
俺の道具が魔法武器なのはこの連中も知ってるはずだ。
普通は警戒して魔法を避けるはずなのに、この二人はためらわず間を詰めて来る。
(こいつらは強いな…)
『魔法が発動する前に仕留めるつもりじゃな』
また頭の中にあの声が聞こえてきた。
「魔法が発動する前?」
『魔法は万能では無い。魔法武器を発動させている最中は意識を一人に集中させないといけない。
ならば一人を犠牲にして、もう一人が確実に仕留めれば良いという事じゃ』
なるほど命を捨てて勝つつもりか、
コイツらただの盗賊なんてレベルじゃない。訓練されたプロの精兵だ。
一人は正面もう一人は背後。
こりゃヤバい、先手必勝に限る。まずは真後ろからだ
振り向きざまに斧を振り回す
「ダブルトマホウク!」
気配を察して最強村人Aはとっさに飛び退いたが、俺の狙いはそこじゃ無い。
俺は横の大岩をブッ叩いた。
ダブルトマホウクの衝撃波でバラバラに粉砕された飛石が弾丸の様に散らばり飛ぶ。
飛石にぶち当たった最強村人Aはひっくり返った。
ついでに横に居たボルゲルのアホもひっくり返った。
すかさず背後からもう一人が襲いかかって来た
「マイクラ!」
左手の鳶口(とびくち)で地面に丸を描くと、地面から円柱が飛び出し、最強村人Bの股間を直撃して悶絶(もんぜつ)していた。
ナニをぶつけたかは美少女の口からは言えないけどな!
「勝負ありですね」フォールが周囲を見回した。他のレンジャーたちはこちらに向かう気配も無いようだ。
俺の足元には最強村人たち三人が転がっていた。
その時、角笛(つのぶえ)の音が鳴り渡った。
「敵襲!」
「ヤツらだ!」
さっきまで俺たちの回りを囲っていた冒険者たちが、ものすごいスピードで教会に向かって戻って行く。
あの教会が冒険者砦の本陣か。
最強村人ABCたちもヨロヨロと走って行く。
よく走れるな…いや俺がやったんだけどな。
「しかしヤツらとは?」
フォールの方を見る。
「西の森の怪物どもです。まさか『彼女たち』を使うとは、かなりの緊急事態ですな」
『彼女たち』とは?
フォールが指差す方を見れば、教会の二階テラスに白い服に赤いフードを被った二人の人影が見える。
神官かな?
二人とも女性に見える。そのうちの小さい方は子供に見えるが、大きな飾りの付いた魔法の杖の様な物を持っていた。
教会の魔法使いの戦士か?
小さな神官がデッカい魔法の杖らしきものを振ると教会の横に積まれていた石積みがモコモコと動き出し、二階建て民家ぐらいの大きさの人型になって歩き出した。
「何じゃありゃ?」
ボルゲルは望遠鏡をのぞいている。
「ははあゴーレムですねぇ、わりと上級魔法ですが」
ゴーレムか!マジかよ。
あの小さい方の赤頭巾の神官が操ってるのか?
まだ子供に見えるがスゲぇ魔法使いだ。
…まぁ俺も美少女だけどな。
村の近くまで行くと巨大な狼の群れが甲冑を着けた村人たちと戦っているのが見える。
あの村人たち、かなり訓練を受けた動きだな。
あの連中、冒険者か盗賊村のフリをしてるが正規の兵士たちだろう。
狼の群れの後から巨大な白い怪物が現れた。
あれは…『焼き鳥!』いや、モフモフ恐竜だ。モフモフ恐竜は兵士たちには目もくれず狼の群れを追い回している。
「モフモフ恐竜は狼と戦ってるだべか?」
頭の中にあの声が響いた。
『そうじゃ、あの狼は悪魔軍の手下じゃ』
悪魔軍?ドワーフのじい様に聞いたアレか。
「悪魔城はドワーフの勇者に滅ぼされたはずだべ」
『悪魔は滅びてはおらぬ。また悪魔王の復活が近づいて来たからのう』
悪魔王復活?!何だそりゃ?
「あの声」はいつも一方的に指示するばかりで肝心な部分を教えない。
ワザと遊んでるんじゃないかと疑う時もあるが…
「なぁフォール、悪魔王の復活って何だべ?」
「悪魔王については分かりませんが、北方の魔導師(まどうし)の活動が活発化してきたのは確かです。
獣王国の守護竜が人間界に現れるのもそのせいでしょう」
獣王国の守護竜?焼き鳥の事か。
あの恐竜は、今までずっと食糧としてしか見ていなかったが、悪魔王が復活したという事は伝説の勇者も仕事しなけりゃならないって事だよな…マジかよ。
俺はドワーフ村で酒呑んで騒いでれば幸せなんだけど、なんかイヤな予感しか無い。
巨岩のゴーレムがゆっくり歩き出し、モフモフ恐竜と戦いはじめた。
甲冑を着けパイク槍を構えた村人たちが周囲を囲んでいる。
怪獣大戦争だなこりゃ。
焼き鳥としては人間なんてどうでもイイんだろうけど、このままではこの村が潰されてしまう。
兵士たちが狼とモフモフ恐竜の両方を攻撃してるが、とても勝てそうには無い。
だいたいあの大型の狼の群れはライオンぐらいあるデカさだ。
甲冑着けた兵士でもバタバタと薙ぎ倒されてしまう。
教会から光が飛んだ。
二階のテラスから赤いフードを被った神官の一人が指先から光線を発射している。
その光線に当たった狼はバタバタと倒れていき、そこを兵士たちが取り囲んで槍で突き刺した。
何が起きたんだ?
「あの光で生物の幽体を飛ばしたようですね〜」
ボルゲルが解説する。
なるほど外道照身霊破光線みたいなものか。
光線に追われて狼の群れがこちらめがけてやって来た。
あちゃ〜来ちゃったよ。
さてどうする?一匹づつ仕留めるしかないか?やれやれ面倒な話だ。
俺は斧を構えた。
『防御魔法を使え』
また頭の中に声が響いた。
「防御魔法とは?」
『バリアを張れば良いじゃろ。超電磁とか光子力とかあるじゃろ』
アニメじゃねぇか!異世界ファンタジーにそんなもん有るわけ無いだろ!
つか何でそんな昭和アニメを知ってるんだ?
しかし「あの声」の指示はだいたい当たっているからな。何か方法があるのだろう。
バリアか。
鳶口で地面にガリガリと長い線を引く。
狼が俺たちに飛び掛かろうとした瞬間に、魔法の呪文(プロンプト)を唱える。
「マイクラ」
すると、地面から薄いコンクリートの壁が飛び出す。
狼たちは壁にぶつかりギャンと吠えている。
壁の横からフォールが弓で狼の群れを足止めする
そのスキに俺は地面にガリガリと線を引いて行く。
「マイクラ」「マイクラ」「マイクラ」
全ての狼の群れをコンクリートの壁に閉じ込めてしまった。
ハイ一丁あがり。
狼たちは壁に阻まれてウロウロ歩き回っている。
(狼って…うまいかな?)などと酒のツマミを考えていると、背後で「ドスン」と、ゴーレムが倒される音がした。
モフモフ恐竜がゴーレムの手足を噛み取っていく。
ありゃ〜ゴーレムより強いのかモフモフ恐竜。
教会から恐竜に向けてメーサー光線が浴びせされているが、さすがにデカ過ぎて効かない様だ。
まぁ怪獣映画のお約束だな。
恐竜は光を浴びてもますます怒るばかりで兵士を蹴散らし教会に向かって行き、教会の石積みの壁を破壊し始めテラスの赤頭巾の神官たちを襲った。
危ねぇな…ちょっと助けてやるか。
恐竜めがけてダブルトマホウクをブン投げたが弾かれる。やっぱりコイツには全然効かないみたいだ。
光線を発射していた神官の赤いフードが外れて緑の髪が現れた。
輝く様な不思議な瞳と白い肌。尖った耳。
「エルフ?!」
スゲぇ美人だった。驚いた顔がまた美しい。
そして不思議な髪と瞳。
この世界のエルフって、こんな神秘的な生物なのかな?
恐竜は怒ってこちらに向かって来る。
あ!ヤベ!焼き鳥の存在を忘れてた。
地面に四角を描いて発動呪文(プロンプト)を唱える「マイクラ」
コンクリートの壁が地面から突き上がるが、モフモフ恐竜は易々とコンクリート壁を破壊して来る。
そりゃそうだよな。鉄筋組んでねェし!
建築強度が足りてないわな。
モフモフ恐竜は行きがけに狼の壁まで破壊してしまい、中から狼は逃げ出して行った。あ〜せっかく捕まえたのに…うオッと!それどころではない、俺たちも狼と一緒になって逃げ回る。
というか狼まで踏み潰されている。見境い無しだなこの焼き鳥は。
フォールが立て続けに矢を放つと、恐竜は嫌がり足が止まった。
チャンスだ。
俺は振り向きざまに鳶口(とびくち)を頭上に指し上げた。
「変身っ!ぴぴるまぴぴるま超力招来!!」
鳶口(とびくち)の先から光の輪が発生し、空間操作魔法で俺の全身を引き伸ばす。
手足はスラリと長く伸び、長く飛び跳(はね)た赤い髪、クビレたウエスト、ピチピチの小さな服からはみだしそうな大きな乳!
大きな乳!!
兵士たちから「おおお〜」と歓喜の声が上がる。
そりゃそうだろう。俺も思わず自分で揉(もん)でしまったからな。
ふと教会のテラスを見ると緑の髪のエルフの美女が呆れた顔でこちらを見ていた。
あ…このままではまるで俺がバカか変態だと思われてしまう、勇者っぽく振舞わねば!
俺は勇者然として大怪獣の前に立ちはだかった。
「待てぃ!焼き鳥!お前は俺の獲物だべ!」
と叫んだとたん、いきなり恐竜の尻尾に吹っ飛ばされた。
俺はもの凄い勢いで地べたを転がり回る。
「ぐああああ!」地面に鳶口と斧を突き立ててようやく止まった。
「さすがドワーフだ、なんとも無ぇぜ!だべ」
『バカ者、魔王の杖の空間操作魔法のおかげじゃ』
また頭の中の「あの声」に怒られる。
なるほど。
『空間操作は重力や衝撃をコントロールできるので、通常の数倍のスピードと衝撃耐久力があるのじゃ。空間操作や重力制御は攻撃にも防御にも使える。やってみよ』
どうやって?
『自分で使って考えんか!バカ者が!』
すいません。
トホホまた怒られた。
空間と重力か…ピコーン!ひらめいた。
ヨシ!高さで勝負だ!
自分の足元の地面に鳶口(とびくち)で円を描く
「マイクラ!」「マイクラ!」「マイクラ!」
呪文を唱えるとズズーんと地面が丸くせり上がりコンクリートの柱が俺を乗せたまま上空にグングン伸びて行く。
恐竜は呆気にとられて見上げ、周りの兵士たちも口を開けて驚いている。
柱の高さは、もう100mは超えたか。
さすが魔王の杖だ!何でもアリだぜ!
俺は柱のてっぺんから飛び降りた。
「行くぞ重力操作フルパワー!」
魔王の杖が光ると落下速度が一瞬で音速を超えて衝撃波が走るギョエェ!早い早い!
凄い勢いでモフモフ恐竜が迫って来る。
もうこのまま行きやがれ!
「必殺スーパーライダー月面ドワーフキック!」
何が月面なのかは分からないが、恐竜の頭めがけて超重力キックを放った。パンチラはサービスだ。
必殺キックを喰らった恐竜は頭ごと地面にめり込み、モフモフ恐竜は動かなくなった。
「やった!」
万歳!と兵士たちが歓喜の声を上げる。
「ふっ…人助けもヒーローの使命だからな、まぁ少しぐらいならお前らにも焼き鳥を分けてやるだべ」
ボルゲルがマジマジと恐竜を見ながらつぶやいた。
「しかし酷い必殺技名ですね」
うるさい。
「あ、眼を開きましたね」
なぬ?
地面から出ている巨大な目玉がこちらを向いた。
モフモフ恐竜は再び起き上がった。
ぎょえええ!生きてたんか!
俺とボルゲルは慌てて逃げるが、その先は崖だった。
あ…追い詰められた。
もうこうなったら分厚い壁に隠れるしかないんじゃないかな?
地面に四角を描いて魔法呪文を詠唱する「マイクラ!」
分厚い壁が飛び出すが、恐竜は高い壁を構わず乗り越えようとガリガリよじ登ってくる。
ゲゲっ!これヤベえだろ!
とっさに魔法詠唱を続ける「マイクラ!」「マイクラ!」「マイクラ!」「マイクラ!」
壁はどんどん高くなり、恐竜ごと上空に持ち上げた。
あ、これイケんじゃね?
俺は斧を赤熱化させて壁を斜めにガンガン掘り込む。
「行くぞ!ドワーフをナメんな!ダブルトマホウク!受け口斬り!」
今度は振り返りざまに反対側の壁をブッた斬った。
「必殺!追い口斬り!」
「それって必殺技なんですか?」ボルゲルがツッコむ。
うるさい。
マイクラ壁の切り口に亀裂が入り、やがて大きく傾き始めた。
巨大な壁はゆっくり絶壁の方へ倒れて行きめ、恐竜ごと落下していく。
崖から覗き込むと、下方でモフモフ恐竜が翼を広げて飛んでいた。
恐竜はグライダーのように上昇気流に乗って高度を上げると、はるか山並みの向こうに飛び去って行くのが見えた。
「しまった!焼き鳥が!…」
俺は飛び去る焼き鳥を呆然と見送っていた。
つづく!だべ
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