ドラえもん(ハドソン・1986年)

 プレイ時期:1990年頃

 ソフト入手:おもちゃ屋で買ってもらう

 クリア状況:エンディングまで

 おすすめ度:★★★★


 *


 このゲームは自分で選んだのか、ゲーム好きの親戚の推薦だったのかは覚えていないが、当時ドラえもんが大好きであった私がこのゲームを遊ばない理由はなかったと思う。


 ステージセレクトの裏技を教えてもらい、最初のうちはもっぱら魔境編ばかり遊んでいた。そのうち開拓編から通しでクリアできるようになったが、海底編をクリアできるようになるには年単位でかかった気がする。難易度どうこう以前に、怖くてなかなか進めなかった。お守りも持たずに宝箱を開けるなんて!


(アイテムは2個までしか同時に持てない。宝箱を開けるには「鍵」が必要。中にはキーキャラまたはウミヘビが入っていて、ウミヘビは「お守り」がないと倒せない。「通りぬけフープ」が必要な場所には、必然的に「鍵」も持ち込む必要があるので「お守り」は持ち込めない。さらに宝箱の中身は毎回ランダム)


 ゲームとしてレビューすると、開拓編・魔境編・海底編で全く異なるゲームシステムというのが特徴。さらに開拓編は見下ろしとサイドビューがあり、魔境編は横スクロールと見せかけて上下にも入り乱れる。調べてみると3本分のソフトを作るつもりで作ったという豪華な仕様。


 開拓編のサイドビュー面では、同社の『ハットリくん』『迷宮組曲』と異なり、慣性の影響を受けないので非常に操作感が良い。見た目にはぎこちない印象を受けるが、実際に操作しやすいのは間違いなくこちらのほうである。


 魔境編はライフ&残機制だが敵の攻撃はそれほど激しくない。おそらくシューティングゲームが上手な人ならノーダメージも余裕ではないだろうか。まだ『グラディウス』すらクリアできない頃でもこのゲームはクリアできたのは納得である。


 システムとして得点があるが、ゲーム開始直後から極めて安易な永久パターン(回復アイテムでもあるどら焼きが何度でも復活する)がある。つまり得点から「ゲームの腕前を示すもの」という意義がなくなり、「残機稼ぎのノルマ」だけになっている。当時としては英断ではなかろうか。


 なぜか、世間ではしばしば高難易度扱いされている。しかし個人的にはきわめて「ちょうどいい」難易度だと考えている。ステージセレクトにより練習も可能だし、特別難しい部分があるとは思えない。せいぜい「開拓編の終盤は回復が安定しないので死にやすい」とか「魔境編では被弾を避けてアイテムを維持しないと元気キャンディが出ないのでライフ上限を増やせない」のが難点になるくらいだ。


 これより難しいファミコンソフトはいくらでもあると思うのだが、たまたま題材がドラえもんだったからこそ、幅広い層のプレイヤーが遊んだからこのような評価になっているのだろう。

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