ランボー(パックインビデオ・1986年)

 プレイ時期:1980年代

 ソフト入手:親戚から本体ごともらう

 クリア状況:エンディングまで

 おすすめ度:★★★


 *


 スタローンの有名映画のゲーム化。タイトルだと紛らわしいが、原作は『ランボー2』であり、ベトナムに行くやつである。横スクロールの探索型アクションアドベンチャーとなっている。


 このゲームはとにかく曲がかっこいい。同世代の他のゲームと比較すると、曲以前に音源の使い方が異次元のセンスである。特にタイトルのインパクトは抜群。聞いたことがないという方はぜひ検索して動画サイトで視聴していただきたい(なお、原作のBGMではなくオリジナルのようだ)。


 ゲームとしてはかなり大味で、ダメージを喰らいながら回復前提で進むような場面が多い。特定の敵を倒すとアイテムを必ずドロップするので、いかに消耗品(飛び道具と回復薬)を集めるかというのがポイント。


 一応、経験値とレベル制を採用しているのだが、レベルが上ってもあまり実感がない。ナイフの攻撃力が上がっているらしいのだが、もともとナイフは一撃必殺に近い威力がある。この経験値とか、弾丸を1発単位で保存するせいでパスワードが過剰に複雑化していると思われる。なおライフ上限はボスを倒すと上がる。終盤はボスラッシュでインフレ気味。


 ストーリーはおおむね原作通りだと思うが、なぜか前半は巨大グモやら炎のヒョウといったモンスターがボスとして登場する。後半はトンデモ兵器が出てきたりするが、まあこのあたりはゲームならではのアレンジの範疇だろう。


 ラスボスは手榴弾しか効かないのだが、無限にポップするザコを倒すと手榴弾と、ついでに回復薬が腐るほど手に入るので、死ぬほど大味な戦いになる。終盤はダメージを受けるとなぜか顔だけ巨大化するボスとか、ラストのキャラ紹介のメッセージとか、エンディングのスタッフロールなど、全体的にギャグ描写が目立ちバカゲー感が強い。


 1986年発売のゲームとしては音楽とグラフィックのセンスは飛び抜けている。ゲーム内容も理不尽な難易度にはなっておらず、雑にプレイしてもクリアできるようになっているのは評価したい。周回制ではなく明確なエンディングで終わるのも、当時のアクションゲームとしては珍しい。


 ダメージを食らうと足場から落ちてしまう。エリアによっては攻撃で対処不能な落石や泡などを避けて進む必要があるので、このあたりが難所となる。とはいえ全体的には簡単寄りのバランス調整になっていると思う。最初は戸惑っても、理解すると一気にクリアできるようなゲーム。


 個人的な思い出としては、スーパーマリオなどと比べると最初は何をすればいいのかわからなかった。後に、会話イベントなどでフラグを立てながら進める(例えば条件を満たしているか否かで行き先が変わるポイントがある)ことを理解したが、パスワードが複雑すぎて中断。クリアしたのは数年後だった。


 手放しで名作とは言い切れないのだが、これをクソゲー扱いする人は信用できないと思っている、そんな立ち位置である。もうちょっと頑張れば本当の名作になっていた感じがする、惜しい作品。

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