第2話 行動開始
100万年ぶりに再会した彼女たち。
牢獄の中で泣きながら1日抱きしめあったところで、少しづつ落ち着いてきた。
「みんな元気だったかい?」
『はい…』
4人は元気そうだけど、浮かない顔をしている。
「それが――」
「それが?」
「私たち4人はこの通り無事でしたが、あの時から2人欠けております」
「――!! ほんとだ――ミカとヘラはどうしたの?」
あまりの喜びで、気が付くのが遅れてしまった。
「はい―ミカはウィスト様が封印されて直ぐに攫われてしまいました。皆で捜索はしたのですが、見つかりませんでした」
「ヘラはウィスト様を奪還後しばらくして…今からですと4千年ほど前に
『私が封印を解いて、ミカも見つける。みんなウィスト様をお願い』
と言い残して、一方的に去ってしまいました。」
トガがそう説明をした。
「そうか、今でも連絡はつかないのかい?」
『はい―』
4人とも沈んだ表情。
その瞳には後悔と悲しみが投影されている。
「そんな落ち込まないで、これは俺の失敗が原因なのだから。もっとうまくやっていればこんなことには―――」
そうだ。
他に良い方法があったかもしれない。
みんなが助かる方法が。
ミスをしたのは、失敗をしたのは―――そう、俺だ…。
すると、ウルが返事をする。
「そんなことない!いつだって助けれらたのは私たちです!それにまだ死んだって決まったわけじゃない!」
ウルの元気な声で励まされる。
そして、確かにそうだ。まだ2人が死んだと決まったわけじゃない。
今からでも探しに行こう。
なんて言ったって、不死身なのだから。
時間ならいくらでもある。
「4人とも聞いてほしい。今から2人を探しに行こうと思うだけどどうかな?」
『お供します!!!!』
牢獄内を希望に満ちた声が響き渡る。
今の世界にどれほどの脅威があるかは分からない。
今度は失敗しないように慎重にいこう。
こうして、私と4人の吸血鬼との旅が始まった。
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