推しとゲーム 後編



『もう今日辞めようかな』


:いやいやいや...

:そんな日もある

:えぇ...

:眠くなるまでやろう


いずもちゃんいじけちゃったよ...今回に関しては味方2いずもちゃん8くらいの割合で戦犯だから、みんなもそこまで庇えてない。


『はい今回のチャンピオンはlaughing clownさん、†闇の堕天使†さん...笑、Cat foodさんでしたー、はいはくしゅー』


:ざっつ

:あ、厨二病バカにした?

:炎上案件

:闇の堕天使かわいそー

:わー、ぱちぱち

:"†闇の堕天使†”だぞ!間違えるなよ!


『はいはい、2試合目始めるから1試合目入れた人以外来てねー。カスタムIDは123456ね』


ローディング来たから行けたと思ったのに、また無理でした。流石にみんな早くない...?せっかくいずもちゃんとできると思ったのに、このままじゃ参加出来ずにただ配信見てるだけだよ...


『次の味方はー、(0w0)...さん?さめさんよろしくねー』


:顔文字?

:owo?おうぉとか?

:その顔文字の人普通に上手い。前轢き殺された

:バチュルです!

:wwww

:バチュルww


は!?バチュルのやつ私を置いていずもちゃんのチームに入ってるんだが。バチュルは私が不登校時代から一緒にアペでランク回してた、いわゆるネ友ってやつだから多分親友...かな?結構長い期間一緒に遊んでたから、私がいずもちゃん好きなの知ってるのに私の枠を奪い取るとは...急いでTmitterのDM凸するも「^^」しか帰って来なかった。腹立つー!!


『え、(0w0)さんプレデターなんだけど!さめさんはシルバーだけど、プレデターいるし今回僕勝てるんじゃない?』


:バチュルさん強いとは思わなかった

:名前的にネタ枠かと思ってた

:イッシュ地方でレベリングしてました

:www

:イッシュww


こいつ...調子乗ってやがる。少し取り上げられたからって調子に乗るな!


『あ、これバチュルさんって読むのか。よく見たら似てるかも!』


あー、もー!だからいちいちDMで煽んなよー!なにが「鈴っち入れるといいね^^」だの!


『集まったしいくかー、カスタム入れた人配信閉じてね』


:次はトロールしないでね

:シルバーからプレデターまで幅広いチームやね

:がんばえー!


『バチュルさんの金魚のフンとして生きるためにサポートキャラ使おっかな』


お、いずもちゃんが選んだキャラは味方を自動で蘇生したり味方のhp回復出来るキャラだ。バチュル如きについて行くのは少し腹立つけど、結構強いのは事実だから仕方ない。これでバチュル死んだらめっちゃ煽ってやる。


『わーい、バチュルさん金アーマーくれたんだけど!』


:さめの動き可愛いしバチュル優しい

:さめ棒立ちなの可愛い

:バチュル強いから自分でアーマー育てた方が早いって思ってそう

:ん、足音聞こえない?


『うぁぁぁぁぁ、隣の街からもう敵来てるんだけど!?』


あ、いずもちゃんダウンした。さめさんは状況分かんなくてまだ漁ってるし、バチュルが頑張るしかない。早くしんで次の試合行ってもいいよー。


:サポートキャラが1番目に死んでどうすんのや

:さめまだ漁ってるww

:バチュルvs敵3人


『ごめんんんんんん...ってもう2ダウンとってない?あ、終わった』


:うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ

:強

:えぐ

:ほぼワンマガキル3連なんやば

:うま


バチュルは普通に上手いからまぁ、そこら辺の敵には負けんやろなぁ。賞賛されてるの腹立つけど。


『バチュルさん超強いんだけど!!!』


その後も順調にバチュルがほぼキルを取っていき、チャンピオン取って終わる。なんやこの出来レースは。


:バチュル最強伝説

:さめずっと漁ってただけ笑

:戦場に顔だしてないよねw


『ごめんみんな、最後ダイヤ以上だけにしてみていい?私バチュルさんともう1回やりたいけど、じゃないと多分見所なく終わるわ。バチュルさんもう一試合できる?』


:出たかった;;

:バチュルです!行けます!

:見るの楽しいからいいよ

:参加したかった...


は?バチュルのやつまたDM送りやがった...腹たったから絶縁宣言したら通話きた。なんだよもう、お前と話すことはもうないんだけど。


「も、もしもし鈴っち!?」

「もう話すことないから切るよ」

「ご、ごめんて!今度なんかで返すから!」

「なに」

「私とリアルで会える権利...とか?」

「いらな」

「わー!ごめんごめん!!もう許してください...」

「次送ったらブロックする」


通話越しでも赤べこ並みに首を振ってるのが伺える。今回だけは許してやらんこともない。まぁ、バチュルまで友達辞めたらもう友達という存在が、私の世界から消えちゃうからそんなことしないんだけどね。


『バチュルさんからおっけー貰ったしカスタム開くよー、とりあえず自己申告だけどダイヤ以上じゃない人は入んないでね』


:おっけー

:倍率下がったから入れそう!

:プラチナなので見送ります;;


『カスタムIDはさっきと同じ123456ねー』


......よっしゃぁぁぁぁぁ!3試合目にしてついにカスタムに入れて嬉しすぎる。さてさて、気になるチームメンバーは......え!?まさかのいずもちゃんとバチュルと同じパーティなんだけど。夢!?


『お、カンパネラさんだー。カンパネラさん今日も配信見に来てくれてたんだ、よろしくね』


推しに認知されてるだと!?え、私のハンドルネームってカンパネラだよね?別人とかないよね?慌ててるとまたバチュルから通話がくる。


「鈴っちまさかの認知済み!?しかも同じチームじゃん!これ絶対勝てるじゃん」

「私も衝撃的すぎて今脳の処理追いついてないかも」

「ということでこのまま通話繋げてチャンピオンとるどー!」

「んーまぁ、通話なしって言われてないしいいよ」


『じゃあ入れた人は配信閉じてね、ラストマッチスタート!』


「鈴っち、とりあえず激戦区降りよっか。私たちならよゆーやよ」

「負けたらほんとに許さないからね。初めてのいずもちゃんとのゲームなんだから」

「おっけーおっけー」


私たちは初手から激戦区に降りることにするが、周りもある程度の強さだから気が抜けないし、負ける可能性もあるのが少し怖いなぁ。負けるといずもちゃんとゲームする時間減っちゃうし...


『カンパネラさんもプレデターだったんだ!バチュルさんといい2人ともすごい!』


:しかもこれシーズン初期のプレデターバッジじゃね?

:古参猛者やん

:確かこの2人昔からランクでデュオ組んでたはず、SNSで倒された人視点のクリップがあげられてたわ

:えぐ


「えへへへへ」

「私に調子乗るなとか言ってたくせに...」

「覚えてないよー、とりあえず私スモークキャラ使うね」

「んー、じゃあ私索敵キャラかな」

「結局いつも通りだね」


私が使うスモークキャラは狙った場所に煙幕を打ち込んで視界を悪くさせるキャラだ。バチュルのは前方方向をスキャンして、一定範囲内の敵の位置を把握するスキル持ちのキャラだ。

まずはいつも通り激戦区に降りる。武器を拾えたから一旦周囲に敵が居ないか警戒する。そのタイミングでバチュルのスキャンが飛んできて、近くに敵が1人いるのが分かったから倒す。


「1人やった、ナイススキャン」

「おうよー」


『わ、早い!カンパネラさんファーストキルじゃん。』


やった、いずもちゃんに褒められちゃった。絶対アーカイブ見直して録音しよっと。


「鈴っち後ろ!」

「え?うわ!ありがとバチュル」


ニヤニヤして気を抜いてた私の後ろには、さっきの敵の味方がいたけどバチュルが倒してくれた。危なぁ...蘇生出来るとはいえこんな序盤で死ぬなんて恥ずかしいし全滅のリスクも上がるから絶対ありえない。


『おー、流石のコンビネーション。僕置いてけぼりだねー......わ!敵いるここ!ここ!!』


:プラチナだから仕方ない

:プレデターの中でも上位だからそこら辺の奴らじゃ勝てんよなぁ

:足引っ張らなければ実質勝ち

:ここじゃなくて倒せww


いずもちゃんが敵にピンを刺してくれたから倒しに行く。いずもちゃんも1人倒せてるからこれで私たちのパーティは5人キルしてる。あと一人は...多分逃げたのかな?


「鈴っち、安置めっちゃここだけどどうする?」

「来たやつだけ殺そっか!」

「おっけー」


この後も順調に安置の中央から敵を撃つだけで、何パーティも脱落していく。だが、残り3パーティになった所でいずもちゃんがダウンしてしまう。助けに行こうとするも敵がこっちを警戒してるから中々助けに行けない。そうこうしてるうちに確キルを取られて、余計こっちを警戒されるようになった。パッと見周りにもう1パーティいないから、こいつらを倒す以外ない。どうしようか考えてるとバチュルから作戦を提案される。


「私囮なるから鈴っちスモークでやりにいって!」

「で、でも相手3人だよ」

「私が1人道連れするから2人やれば勝てる」


相手も強いから勝てるか分からないが、これしか案がないから決行することになる。まず私がスモークを正面と敵のど真ん中に炊いて、射線を切る。あとはバチュルに任せて私が裏取りをするだけだ。


「スモーク炊いたよ!」

「敵動いてないから今のうちに回って。1人アーマー割った」


『え、この2人めっちゃ強いね!僕直ぐ死んだけど正直これ勝っちゃったね』


:フラグ?

:あーあ

:確かにめっちゃ強い


「ごめん鈴っち1人やったけど、スナイパーで抜かれちゃった」


裏をとって敵が仲間を蘇生させてる隙を見て1人やる。よし、あと1人だから少し圧をかけながら詰める。やばい、心臓バクバクしすぎて緊張で死にそう。


:ドキドキ

:カンパネラさん強い

:あれ、その敵スナイパー持ってたっけ

:銃声的にスナイパーじゃないよね?


「鈴っち来たよ!」


圧に耐えれなかった敵が詰めてくるのを見て撃ち始める。お互いにアーマーを割りローになるが私の方がエイムが良かったから最後の敵を倒し切る。


「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!は?」


『あ』


:あ

:あ

:スナイパー?


私の目の前のモニターに移るのはChampionの文字ではなく部隊全滅という文字だ。は??え??あれラストじゃないの??え?頭の処理が追いつかない。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

「鈴っち...もしかしてあれラストだと思ってたの?」


え、あれ最後じゃないの...?あ、もしかして...多分最初の町で逃げてった敵が最後まで残ってイモリスナイパーしてたってこと...?


「あれ多分最初の町の生き残りだよねー、キャラもスキンも一緒だし」

「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


やってしまったぁぁぁぁ。せっかくのいずもちゃんとのゲームなのに、イキって残り部隊数も見ずに敵倒してるの恥ずかしすぎる。死にたい。


『いやぁ、惜しかったね。正直僕のチーム勝つと思ってたのにチャンピオン取った耳なし芳一さん、プレデターなりたいさん、チャンピオンの立役者のJ.Kボーリングさんおめでとうございます』


:ぱちぱち

:8888

:88888


『あとカンパネラさんとバチュルさんもありがとね!めっちゃ楽しかったからもう寝れるよ』


「うぅぅぅ、寝れるんなら良かったけどチャンピオン取りたかった.........」

「まぁ、久々に鈴っちとやれたから私は満足よ」


:おやすみー

:カンパネラさんは今日出た人の中で1番上手い

:おやすみー

:ばーい


「...終わっちゃったね」

「また配信はあるし気にせずゲームしようよ」

「いいけども」

「そいえば最近ゲーム一緒に出来てないってことは学校行けてるんでしょ!?」

「ま、まぁ...」

「偉い!今度遊びに行くからその時また褒めてあげる」

「来なくていいけど...」

「そんな事言わないでよー、じゃあ久々にランクしよー」


そのままバチュルとランクして1日が終わっちゃったのである。明日から学校かぁ...




あとがき


まずは小説フォロー100人超えたの嬉しいです。ありがとうございます!そして2週間お待たせして申し訳ございません!10日くらい前から風邪ひいてずっとダウンしてました...鼻水とか咳とか止まらずにコロナでもインフルでもないのに約10日潰されました...不定期更新なのでブックマークなどして貰えたら私も嬉しいしみんなも読めるのでお願いします!下にあるのは自分で考えた質問や皆様から貰った質問数個書きました。


Q.なんでゲーム中、鈴の話し方変わってるの?

A.相手がバチュルだから


Q.バチュルは女?

A.女


Qバチュルとはどこで出会った?

A.SNSでのアペックス募集で知り合った。当時不登校だったことを話すくらいには信頼してる


Q.ヒロインこの後まだ出るの?

A.出ます!


Qキャラの名前などの由来

A基本そのキャラを連想した名前にしてます。ただ、知り合いなどの名前の漢字を1文字使ったりはたまにしてます

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

小中とぼっちだった私が高校デビューしていつのまにか百合ハーレムを作っちゃうお話 ツナ缶 @Sutesan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ