相談相手
家に帰ると何故か姫宮さんがいた。
「ひ、姫宮さん...?なんでうちにいるの?」
「妹ちゃんに帰り道会ったから家に入れてもらったんだ〜」
「いやいや、姫宮さんの家学校の近くだから遠く離れたうち寄らなくない!?」
「えへへ〜」
「姫宮さん可愛いからいいか...」
「おねぇちゃんなに言ってるの」
ひっ、ゆらがまたハイライト無くしてこっちを見てる。「だ、大丈夫!ゆらが1番かわいいよ!」と、すぐに機嫌を取りに行ったことによって惨劇は回避された...というか!なんで姫宮さんがいるの!?
「と、ところで姫宮さん、なんか用事あったの?」
「多分だけど、すーちゃんあーちゃんと喧嘩したでしょ〜?だからそれについて聞きたくて来たんだ〜。ってことで車乗って乗って〜」
「え?」
「妹ちゃんも一緒にどうぞ〜」
「わーい!」
「いや、ちょどこ行くの???」
「それは行ってからのお楽しみだよ〜」
私はゆらと共に連れ去られ、車の中で思考を巡らせていた。どこに連れて行かれるのか、そして何故私たちがここにいるのか。そんな私の想いとは裏腹に、ゆらが車内の様子を見て、大はしゃぎした。
「お姉ちゃん! この車、超カッコイイ!しかも、冷たいジュースまであるよ!」
私はゆらの言葉に苦笑いをする。ゆらは、いつも何もかも楽しんでいる。私もゆらみたいに、ただ楽しめたらいいのに...
「すーちゃんたち、着いたよ〜」
「なにここ...?」
「ここ?ここは会員制ホテルだよ〜」
「これ超金持ちしかいない場所では...」
びくびくしながらエントランスホールへ向かう姫宮さんに着いていくとホテルの人が近づいてくる。や、やっぱり私たちみたいな貧乏人は断られるのかな...とビビっていると
「姫宮様、今日はどういったご要件で?」
「あ、この2人とスパに行きたいんですけど〜」
「かしこまりました。ご案内致しますね」
なんか顔パスじゃないか...?しかもスパ入りに来たとか言ってない?スパってなんだろ、温泉みたいなやつだっけ?
「皆様、こちらへどうぞ」
そう考えているとホテリエ?の人に案内され、キラキラしてるホテルの奥へ進むとそこには温泉だけじゃなく超でっかいプールもある。
「ちょちょ、姫宮さん?私着替えもタオルも持ってきてないよ...」
「水着の貸出もあるしタオルは借りれるよ〜。あと私のゲストとしてだから無料だよ〜。ちなみに水着は沢山ある中から選べるから、妹ちゃんも含めてみんなで水着見せ合いしよ〜!」
場違い感が半端ないが「まぁ、他にお客さんいないしいいか」と思い借りた水着を着て、温泉みたいな場所にいく。ほんとに他の人いなくて良かった...金持ちが居たら貧乏臭いとか言われたかもしれないもん。
ちなみに私はホルターネックビキニの上にラッシュガードを着ている。貸し出してくれる人に胸を隠せる水着がいい伝えたら、このホルターネックビキニにラッシュガードのセットを勧めてくれた。
「すーち〜ゃん」
「おねぇちゃん!!」
ゆらと姫宮さんも水着に着替えたようだ。
「え、2人とも可愛い!」
「えへへ〜すーちゃんも可愛いよ〜」
「うん!おねぇちゃんすごくいい!」
恥ずかしいから褒めないで欲しい。とりあえずゆらから好評していこう。ゆらは黒を基調としたワンピースタイプの水着だ。小学生らしくて可愛い。
姫宮さんはオフショルダービキニとパレオを合わせ、大人っぽくてすごい色気が漂ってきてる...私と違って胸を強みとして強調してるのカッコイイなぁ。
お互いに可愛い所を言い合って満足したのかゆらは1人でプールへ、姫宮さんは一緒に温泉に入ろうと提案してきた。私たちはすっごく広い温泉に浸かりながら、静かに虚空を眺めていた。すると姫宮さんは突然、私に向き直り、優しく問いかけてきた。
「すーちゃん、あーちゃんと喧嘩したの?」
私は何も言わずにいたが、姫宮さんは私が何も言えないで困っていることに気付いたのか、続けて話しかけてきた。
「もし、何か悩みがあったら、私に話してもいいよ。私、すーちゃんの味方だから。」
いつもの語尾が伸びてる感じではなく、心からの言葉だと気づいた。だから私は天音さんとの間に何があったかを言うことにした。
これからどうしたらいいのか、友人という関係を続けれないのか、女同士という葛藤など思ってることを全部口に出した。
話し終わった後、姫宮さんは私の言葉に深く悩んでいるような表情を見せた。なにかいい案を教えてくれるのかと思い期待してると姫宮さんが口を開いた。
「じゃあすーちゃん...あーちゃんに返事するのが難しいなら私と付き合わない?」
あとがき
最後までお読み下さりありがとうございます。昨日upする予定でしたが忘れてました。すみません。
いつもハートマークや星マークありがとうございます。頑張って続き書くので楽しみにしててください。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます