脱衣

「脱がすぞ」

 と、俺は言った。片腕で足を掴み少し浮かす。そして、ズボンを脱がした。

「男同士で何を恥ずかしがってるんだ」

 少年はズボンを掴み抵抗したが、俺の一言で諦めたのかその手を放す。

 拾ってくるんじゃなかった。妙に苛立つ。

 俺はマッパの少年の女のような毛の無い足をタオルで拭いた。

 なんで俺はこんなことをしているのか。

 惨めだ。

 足を拭き終える。次は股だ。

 流石にそこには毛が生えていた。

 股についたふにゃふにゃの棒ごとタオルで雑に拭く。

 屈辱感で苦虫で嚙み潰した。

「うつ伏せにするぞ」

 と、雑に少年を裏返す。尻を拭く。

 柔らかい感触がタオル越しに伝わってきた。

 拭き終える。手を洗う。コンビニで買った少年の着替えを放り投げた。

「着せてほしいか」

 と、俺は聞いた。少年はうつ伏せのまま動かない。

 クソ、着せるしかないのか。

 ビニール袋の中身を見る。ボクサーパンツとTシャツだった。失敗したな、と俺は思った。とりあえず、上だけでいいか。

 少年の肩を掴む。無理やり起こす。少年を壁に立てかけた。

「万歳しろ」

 と、俺は言った。少年はよわよわしく両手を上げた。そこにTシャツを通す。汗でシャツが張り付く。ああああ!!!!!!ムカつく。通らねえ。死ね。自分で着ろ。手に力が入る。殴って完全に萎えさせるか。首でも締めるか。

 思わず少年を壁に叩きつけた。どん!という音の後に沈黙が部屋を満たす。

「すまん」

 と、俺は言った。心底面倒になった。掛毛布と風邪薬を少年に放り投げた。

 コップに水を注ぐ。少年にそれを差し出した。

「これを飲んで寝てろよ」

 と、俺は優しく言ったつもりだ。遅すぎたかも知れないが。

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