異聞 三

あきちゃんの可愛いお人形(後編)

「マキちゃんのまけー。あははは」

「つぎはねえ、ババぬきしよ」

「え? いや? しょうがないなー」


 最近、娘の亜紀奈あきなに夜更かしグセがついたらしい。いくらでも部屋が余っている田舎の家、もう小学生だからと自室を与えたせいだろうか。

 シロクマのぬいぐるみを相手に、一人でおしゃべりしたり、トランプやオセロを並べている。お寺の幼稚園に通っていたころから、ずっとお気に入りだったものだ。


 ほし集落は子供が少なくて、亜紀奈は一番年下だった。お兄ちゃんやお姉ちゃんではなく、年下や同世代の友だちが欲しいのだろう。

 学校のない日も、ぬいぐるみとずっと遊んでいるのは、手がかからないが……。


 比佐子ひさこはそんな悩みとも言えない印象でしか、娘の身に起こっていることを把握していなかった。彼女の前で、〝シロクマのマキちゃん〟は決して動かなかったから。


 一度だけ、亜紀奈は夜中にすさまじい金切り声を上げた。


 比佐子が夫と共に駆けつけると、亜紀奈は布団の上でシロクマをきつく抱きしめていた。「ムカデがでた」と言うので、深夜二時に大捜索だ。

 小一時間がんばっても毒虫は発見できなかったので、その日は諦めて寝た。


 宇蛇夫婦が部屋を出た後、「宇蛇亜紀奈」がニヤニヤ笑いで布団に入るのを、誰も見ていない。腕に抱かれたシロクマ以外は。



 紅葉深まる今日このごろ、見鬼くんは変わらず図書室通いを続けていた。サッカーやドッジボールのチームに入れてと言うと、みんな気を遣ってしまうから。

 それはそれとして、読書は大好きだから別に苦ではない。


 最近のお気に入りは、巨大飛行船に乗った大怪盗一味が、世界中を巡って冒険するシリーズだ。心躍らされながらページをめくっていると、妙な気配がした。

 ぺた、ぺた、という足音は以前も聞いた動くぬいぐるみの物だ。また亜紀奈が隠れん坊をしているのかもしれないが、何か様子が可怪おかしい。


 何がと自分に問うても、判然としないが、嫌な予感であることは確かだ。こんな感覚が重なるなら、あのオバケには本格的に対処した方が良いのではないか。

 見鬼くんは物語を追うのは諦めて、読書する振りをしながら足音の主を待ち構えた。ぺたり、音が止まって、図書机に置かれた椅子がガタガタと揺らされる。


 シロクマのぬいぐるみが、椅子を足場に机へ上ってきた。位置は見鬼くんの右二席先。ぺた、ぺた、ぺた、と小さな歩幅で距離を埋めていく。

 近づいてきて、少し違和感の正体が分かった。足を引きずるような、バランスが悪そうな、動きづらそうな様子なのだ。前はもっと自然に歩いていた。


「け、け」


 シロクマのぬいぐるみが鳴く。腹や首や手足の付け根は、切っては直したのか、ガムテープが貼ってあったり、ホチキスが打たれていた。


「……す……」


 がくん、がくんとシロクマが頭を振ると、首が少しずれる。書面に目を落としたまま見鬼くんは口を開いた。どうせ周りに人はいないのだ。


「やめなよ。あまり振ったら、ちぎれちゃう」

「た、っけ、て」


 ぎこちなく体を左右に揺らしながら、シロクマが叫んだ。首がちぎれても知るものかと言うように。こんな頭は、取れても構わないとばかりに。

 その音声が助けを求めているものだと、見鬼くんも気づくことはできた。だが、なぜ? 危険なのはシロクマに入ったオバケのはずだ。


「見ぃーつけた!」


 亜紀奈が本棚の影から出てきて、シロクマをつかむ。思わず本から顔を上げると、低学年の少女はひどくご機嫌そうに、ぬいぐるみを抱きしめていた。


「あきちゃん。それ、だいじょうぶなの」

「なにがぁ?」


 亜紀奈が口を動かす様子に、見鬼くんはベタベタした菓子パンを連想する。

 バターやメープルシロップ、アイシングシュガーが手や包装にくっついては剥がす、あの鬱陶うっとうしい感触。この子は、こんな嫌らしい笑い方をしただろうか。


「ヘンなこと、起きていたりしないかな」

「なーにも。あ、でもね」


 クスクスと笑って、亜紀奈はシロクマの頭を優しくなでる。


「さいきん、この子がだっそうするの。見鬼くん、どうしたらいいかなぁ」


 オバケを逃さないには、結界を張るのが一番だ。本格的なやり方を見鬼くんは知らないが、本で調べて少し心当たりがある。塩を盛るとか、そんな簡単なことだが。

 教えてあげると、亜紀奈は大げさなぐらいお礼を言って、図書室を出て行った。


「オバケって、ペットにできるのかな」


 脱走して困るというのは、また勝手に森へ帰ろうとしてしまうのだろうか。

 シロクマのオバケは「助けて」と言ったが、何か悪いことをたくらんで、騙そうとしているのかもしれない。なら、〝飼い主〟の亜紀奈には気をつけて欲しいものだ。


 見鬼くんは自分の中で、一応そう理屈をつけてみた。が、どうもしっくり来ない。何か見落としている気がする。

 衝動的に読みかけの本を閉じて、亜紀奈を追いかけた。


「あきちゃん!」


 こちらを振り返った少女の顔に、黒い物が動いている。両目から、口から、鼻

から、束になった黒い糸がだらんと垂れ下がって、スッとへ引っこんだのだ。


 今のは何かと聞く前に、亜紀奈は走り出した。

 運動が苦手な見鬼くんだが、一年生の女の子に遅れを取るはずはない――が、彼女は教師もかくやという足の速さを発揮した。


 その上、充分に距離を稼いでから窓を開け、二階から飛び降りてしまう。校舎の裏口に当たるから、目撃者もいないだろう。

 見鬼くんはぼうぜんと、廊下に立ち尽くしてしまった。



 シロクマの目は、つぶらな瞳を表現して黒いビーズで出来ている。その下から、じわりじわりと墨汁のようなものが染み出して、ぼたりと一滴落ちた。


「やぁだ、なかないでよ」


 亜紀奈は地面の黒いシミを、念入りに足で踏み消す。それからシロクマの目をごしごし拳でこすって、元通り白い毛皮に整えた。


「ほーら、イチョウだよ。コガネ色ってゆうんでしょ。きれいだねえ」


 シロクマを両手で高く掲げて、景色を見せる。昨日は雨が降ったから、地面に落ちた黄金色のイチョウは泥にまみれ、腐りかけていた。

 ビーズは再び、どろりと黒を滲ませる。



 年を取った大人ほど、〝見鬼〟の言うことを真剣に受け取るのが皨の習いだ。

 それはもう、嘘をつくのが怖くなるぐらい。逆に言えば、何でもかんでもすぐ大ごとにされてしまうのが問題だ。


 誰に話すかしばらく迷って、見鬼くんは家のトイレにこもった。

 見鬼くんの家は、集落で最後のかやき屋根を持つ古民家だ。良く言えば通気性に優れた、悪く言えば隙間が多く虫が入り放題。


 ついでに茅葺き屋根というのは、虫にとっても人気の住み処だった。

 だから見鬼くんは、おじいちゃんと、おばあちゃんと、ニワトリと、羽虫や芋虫やムカデと暮らしている。寝る時も食事の時も、蚊帳を張るのが欠かせない。


 虫が棲めば屋根が傷むので、かまどに火を入れていぶす。屋根の葺き替えは費用がかかるので、祖父母は毎日頑張って竈を炊いていた。

 そのせいで、「たまにはパン食べたい」などと言うと大変叱られる。


 古民家の維持がいかに大変か、見鬼くんが理解するのはまだまだ先のことだ。名字は〝籠ノ目かごのめ〟だが、集落には籠ノ目が何十軒もいる。

 分校の半分も、実は籠ノ目姓だ。だからこの家は「見鬼の籠ノ目」「大古おおふるの籠ノ目」と呼ばれていた。そんな古民家も、所々近代化はされている。


 炊飯器(祖父母は電気釜と呼んでいる)は稀に使われたし、昔はぼっとん便所しかなかったのだが、曾祖父母の代に水洗トイレが増設された。

 蓋を閉めたまま、洋式の便座に腰かけることしばし。


宵坊よいぼう、宵坊」


 何分もしない内に、木戸の向こうから親しげな声がかけられた。

 見鬼くんの本名は宵路しょうじと言う。曾祖父はそこから字を取って宵坊とあだ名したが、見鬼くんはショウジがなぜヨイボウになるか、なかなか分からなかった。


 それが分かってしばらく経つと、曾祖父は死んだ。一昨年の夏だ。宵路は街で母親や父親の葬儀に参列したはずだが、その時のことをまったく覚えていない。


 曾祖父の葬式も似たようなものだ。見鬼くんが見たものについて話した時、家には大勢の人が出入りしたものだった。それとあまり区別がついていない。

 たった一つ印象に残っているのが、精進落としの夜にトイレへ行った時だ。


「おお、宵坊、ここにおったんか」


 トイレを替わって欲しいのだと思って、見鬼くんはのそのそとズボンを上げた。


「開けるな、宵坊。そのまんま聞け」


 ノブに手をかける寸前、曾祖父が固い声で止める。そういえば、今日はひいおじいちゃんのお葬式なんだった、と見鬼くんは思い出した。

 色んなオバケに会ったけれど、生きていた時に会ったことのあるオバケは、見鬼くんにとってひいおじいちゃんが初めてだった。


「おまえは見鬼や、それは分かっとるな」

「うん」


 ひいおじいちゃんの声は、いつもとぜんぜん変わらないくてビックリする。オバケの声は聞きづらかったり、風や水や火の音とよく似ているのに。

 お前はおきとうさまに選ばれた見鬼だから、これからとても大変なことになるだろう、とひいおじいちゃんは長々と話した。


「だから、お前はわしが守ってやるからな」


 話の内容は半分も分からなかったが、それを最後にドアの向こうから気配が消える。もう出ていいのかなと思って明けてみると、外には当然、誰もいなかった。

 以後、トイレに入っていると、ひいおじいちゃんが話しかけてくるのだ。

 普通に用を足すだけなら、出てくる確率は五分五分といった所だが、トイレにこもっていればいずれやって来る。今日は早く来てくれて楽だった。


「ひいおじいちゃん、あきちゃんがヘンなんだ」


 見鬼くんはこれまでのことをすべて話した。

 林道で出遭ったオバケ、亜紀奈がそれを連れ帰り、シロクマのぬいぐるみに入れたこと。シロクマが独りでに動き、亜紀奈の顔から髪の毛が出ていたこと。


「そりゃ、悪霊憑きじゃ。オバケはペットにゃ出来ん。宵坊、お前とあきちゃんはな、そこらへんをウロウロしとったやつを捕まえて、悪もんに変えてしまったんじゃ。あきちゃんは今、あべこべにシロクマの中に入れられとる」


 だから、ぬいぐるみは歩き方が可怪しかったのか。疑問は解けたが、背中にぶわっと電気が走った感じがして、体の毛が逆立つのを感じる。怖い。

 ひいおじいちゃんは見鬼くんに、どうやったら亜紀奈を救えるか手順を教えてくれた。一つ一つ、それは丁寧に。何しろひ孫は八歳なのだから。


 うっかりしたことに、見鬼くんは文房具を持ってくるのを忘れていた。必要な道具とやり方を、きちんとメモしよう。そう思ってノブに手をかけた。


「開けるな!!」


 ドアについた小さな磨りガラスの窓や、トイレの小窓がビリビリ震える罵声が、見鬼くんの耳をつんざく。柔らかかったひいおじいちゃんの声が、まるで別人だ。

 曾祖父に怒られたのはこれが初めてだった。見鬼くんは便座の上で縮み上がって、少し涙が出てしまう。しゃくり上げるのをこらえて、何とか尋ねた。


「ど、どうして、開けちゃいけないの?」

「今、わしが居る所はこの世ではないからや。怒鳴ってすまんの、宵坊。お前はまだ、こっちに来ちゃいかん。絶対に開けるんやない」


 優しく言い含める曾祖父の口調に、見鬼くんはだんだんと落ち着いてきた。そうなると頭が回って、言葉の意味を考え始める。


――この世ではない場所なら、きっとあの世だ。


 そこには、お父さんもお母さんもいるんじゃないだろうか。どうして、二人はひいおじいちゃんみたいに来てくれないんだろう。

 見鬼くんは、内側から突き上げられるような寂しさに襲われた。


「そっち行きたい! ぼくも行く!」


 また怒鳴られるかもしれない、それでもいい。見鬼くんはノブをつかんで力いっぱい回した。ドアは軽々と開き、勢い余って床に倒れこむ。

 曾祖父はすばやく逃げたようだ。もくろみが失敗して、見鬼くんはしばらくその場で泣きじゃくり、夜は疲れたのですぐ寝てしまった。



 思わぬトラブルはあったが、見鬼くんは亜紀奈ちゃんのことを忘れていない。

 頭も悪くない方だったので、ひいおじいちゃんに教えられた方法や道具のことも、だいたい覚えていた。ランドセルの中が少し重いが、今日だけの辛抱だ。


 しかしながら、亜紀奈は風邪で分校を休んでいた。考えてみれば、昨日は図書室前で怪しい所を見られていたのだから、逃げようともする。

 オバケが亜紀奈の体を使っている以上、集落内に潜める選択肢は多くない。一日だけなら野山のどこにでも居場所があるが、その後は大人たちの山狩りが始まる。


 集落は子供の絶対数が少ないし、一日姿が見えないとなれば、どこで死ぬか分からないワイルドな環境なのだ。溜め池、崖、登りやすそうで折れやすい木などなど。

 だから放課後、見鬼くんはまっすぐ亜紀奈の家に向かった。


 訪ねる口実もちゃんとある、宿題のプリントだ。分校が幸いして、一年生の亜紀奈と三年生の見鬼くんは同じクラスだった。

 というか、使われている教室は一つしかない。


「あら……、見鬼さん」

「こんにちは。あきちゃん、元気ですか。おみまいに来ました」


 母親の比佐子に「おかまいなく」と型どおりの挨拶をして、ドタドタと亜紀奈の部屋へ乗りこむ。「あきのへや」と書かれたコルクボードのついた襖を開けた。

 投げつけられたセロテープ台が、盾にするため構えたランドセルとぶつかる。ペン立てや定規が続けざまに飛んでくるのをかいくぐって、見鬼くんは塩を撒いた。


 グウゥッと犬のような唸り声がして亜紀奈の動きがにぶる。その隙を突いて、見鬼くんは大事そうに抱えられたシロクマのぬいぐるみを引ったくった。

 胴にゆわえたビニールひもが、亜紀奈の腕とつながっている。ピン、と張ったそれをポケットから出したハサミで切ってダッシュした。


 亜紀奈の家の近くには大きな神社があり、見鬼くんは予定通りそこへ逃げこんだ。毎年集落でお祭りをして、お守りを配る集落の中心的なお社だ。

 鳥居の前でお辞儀するのも忘れて、見鬼くんは境内にシロクマを放り出した。腹の裂け目にハサミを差し入れ、ホチキスを避けながら切り開く。


 ごそりと、黒く短い糸の塊が出てきた。昨日一瞬見えた、亜紀奈の顔に入っていったもの。それから切られた爪と、一握りほどの生米。


「うわ……かみの毛だ」


 中身を掻き出していると、だんだんワタが湿っぽくなってくる。手を抜いてみると、指先が長いこと泥遊びしたみたいに黒く汚れていた。

 ごぽりと音を立てて、シロクマの中から墨汁のような液体があふれてくる。バケツを傾けたみたいに、ビチャビチャと見鬼くんのスニーカーを濡らして、靴下にまで冷たく染みてきた。いったいどこに、こんなに黒い水が入っていたのだろう。


 嫌なことに、その液体はひどく臭かった。夏の腐った生魚を思い出させる、鼻の穴がぶよぶよするような悪臭と、灯油のツンとした感じを混ぜたらこんな感じか。

 そのころには、社務所から薄青緑の袴をはいた神職さんがやって来た。こっそり持ち出したおじいちゃんの日本酒と、粗塩を振りかけながら見鬼くんは懇願こんがんする。


「もやしてください、これ。おねがい、今すぐ!」


 見鬼という立場が幸いしてか、神職さんもそれがただ事ではないと悟ったのか、すぐに火が起こされた。これで、ひいおじいちゃんから教えられた手順通りだ。

 ぬいぐるみと、その中身が燃え尽きるのを見届けて、見鬼くんは社を後にした。神職さんは何か訊きたそうだったけれど、諦めているようだ。


 帰り道、亜紀奈の家の近くを通りがかると、あの炭の塊みたいなオバケが立っていた。砂が崩れるように、さらさらと少しずつ存在感が削れていっている。

 元の林道ではなく、もっと遠いどこかへ行こうとしているのだと分かった。


「きみ、どこ行くの?」


「ぼくも、そっちにいっていい?」


「神さまが、ダメって? そう」


 オバケは以前のように、風のような声ではしゃべらない。

 もっと形のない、言葉とすら言えないあやふやな思惟だったが、見鬼くんは分かったような気がして勝手に納得していた。そのことに疑問もなかった。


 話し終わるころには、オバケの姿は夕焼けの中、少しの灰が風にさらわれるように消えていく。風の向くまま、気の向くまま。成仏か昇天かは分からないけれど。

 帰ると亜紀奈の母から電話が来ていて、いったい何があったのかと祖父母に説明を求められた。どうやら彼女は無事、自分の体に戻ったらしい。


 こうした出来事の一つ一つは大冒険と言えよう。

 けれど〝見鬼が抜〟けて、怪異なるものを目にすることも、耳にすることもなくなった籠ノ目宵路は、易々とそんなことは忘れてしまったのだった。


 ただ、最後までひいおじいちゃんや、オバケといっしょに逝けなかった心残りだけを、ずっと覚えている。ずっとずっと、いつまでも。

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