第2話 禁断の恋をした日

それは高校生の頃だった。


魁斗『 お前、凛と双子なんだってな!それにしても綺麗だよなー、お前もしかして…ヤったのか…?』


煉『 ば、馬鹿言うなよ!ヤるわけねーだろ!双子だぞ!家族なんだぞ!阿呆か!』


煉は声を荒らげながら魁斗に怒った。


魁斗『 なーに焦ってんだよ、冗談に決まってんだろ?』


煉『 だ、だよな、そんなことするやつなんて可笑しいよな!』


煉は引き攣った顔で笑いながら言った。

何故引き攣っていたのか、それは煉は双子でありながら密かに凛と恋をしていたからだ。


放課後。


魁斗『 や、やっべ。バイト遅れるって!ごめん煉!今日の予定パスで!じゃ、バイトだから帰る!』


煉『 なんだよー。じゃあなー』


煉は少し悲しんだ。


凛『 一緒帰ろ?』


煉『 はぁ?か、帰るわけねーだろばーか!』


煉は頬を赤らめてダッシュで家に帰った。


そして家に着いて凛が部屋に入ってきた。


凛『 何であんなこと言っちゃったのかなぁ?』


煉『 ご、ごめんなさい。こ、これあげるから許して!』


煉は凛に紫色の蝶のシールを渡した。


凛『 ?なにこれ蝶々?』


煉『 そうだよ。紫色の蝶々には幸運を呼ぶ?運ぶ?みたいなことがあって、凛幸せになって欲しいなーみたいな、?』


凛『 そっかぁー。』


すると凛が煉を押し倒した。


煉『 ?!な、なにするんだ、よ、』


凛は煉にキスをした。この部屋の隅で。


凛『 そんなの無くても私幸せだもん。煉といれて。』


煉『 そっか、嬉しいよ。』


2人は夢中でキスをしていた。

でも何故か煉は切ないと言う感情を知った。その時。何故か。


凛『 あ、そろそろピアノの練習をしないと。行ってくるねー』


煉『 行ってくるって言っても隣の部屋だろ…』


凛『 そうだった!あはは!』


そう笑いながら凛は自分の部屋に戻った。


隣の部屋から響くピアノ、不協和音が聞こえてくる。


煉『 相変わらず下手だなぁ、いつになったら上手くなるんだよ。』


煉は呆れながら1人呟いた。


これから狂い始めるとも知らずに。




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