【俳句&短歌】
空川陽樹
【俳句&短歌】
先日、帰省したのですが、その時にいくつか思いついて詠んだものです。
〈一句目〉
あの頃の
記憶がそよぐ
青田風
(特に補足はないです。)
〈二句目〉
夏の朝
一番乗りの
鳥の声
(夏ってなんだか寝苦しいんですよね。一応冷房はかけているものの、どうしてもなかなか寝付けなくて。あと、夏の朝ってかなり早いですよね。つまり、そういうことです。ベッドに横になったものの、ちょくちょく起きてを繰り返すうちに夜が明けてきて、一番初めの鳥の声を聞いて絶望するという、一見した爽やかな印象とは全く逆の心情を意味しています笑)
〈三句目〉
夏の夜に
ローカル列車
溶けてゆく
(夏の夜って他の季節よりも遅くまで遊びがちですよね笑
花火大会に行ったり、友達と夜遅くまで遊んだり。
そしてローカル列車に揺られた帰り道。駅に着いて降りてから振り返ると、僕たちを運んできたそれは夜の中へ溶けていく。ローカル列車ならではの鈍行は、少し明るい夏の夜ということも相まって、夜に消えるというより、次第に夜と同化していくようである。)
〈四句目〉
白帽子
取ると薄毛や
夏の山
(お分かりかもしれませんが、白帽子=雪です。そして、薄毛は岩肌。つまり、あまり木(毛)が生えていないということです。この句は擬人化みたいな感じです。あと、薄毛(木の無い所)が目立つということは、その周りには瑞々しい緑の木々が立派に生い茂っているという情景も想像できると思います。)
〈短歌〉
兼六園に行った時に「根上松」というものがあり、それを見て読んだものです。ちなみに、「ねあがりのまつ」と読むらしいです。
松といふ名の
一方で
猛暑にさへも
音を上げぬかな
行った日はとても暑い日で、僕は”音を上げてる”のに凄いなぁと思い詠みました。
〈没案〉
汗かいて
白塗り落ちて
山笑う
(汗かいて白塗りが落ちて笑う人を、山に置き換えたって感じです。春半ばや夏の暑さで雪が溶ける状態を白塗りが落ちるというふうに表現しました。
ではなぜ没なのか?
この句の季語は「山笑う」なのですが、これは春の季語だからです。
では春に出せばいいのでは?
僕が待ちきれなかったのです笑
そのため、ここで供養させてください。)
【俳句&短歌】 空川陽樹 @haruki_sorakawa
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