砂時計が刻むプレリュード

静寂が 心根を包んだ

頬を伝う 止まない雨

辺りには もう何も無かった

いつの間にか 一人きりで


お休みの絵本を無くして

震えている身体 隅で抱き締め

微かに見える 夜の寒空

止まる 風 砂時計 お月様

窓辺の向こうで 雪の声が頻る中


この部屋で また一つ 物語が裂かれた

漂い 迷って 床に落ちる

何も出来ずに ただ立ち竦む

動けない 動かない 何一つ出来ない

崩折れて 手を突いた その優しさに甘え

"ごめんなさい" も言えずに

素直になれないまま


絶望が 心音を奏でた

見つめている 冷たい雨

私には もう何も無かった

忘れ去られ 独りきりで


お別れの言葉を唄って

夢見ていた私 あの日々に手を

躓くほどに 生い茂る声

突き刺さる 疵付いて 歩けない

孤独の向こうで 偽りの背が滲むまで


この部屋の 真ん中で 物語を紡いだ

彼らの 姿を 残したい

誘惑の歌 捨てたい学び

これ以上 望むなら 言葉を失う?

目を閉じて 水を差す 誰かの事を拒む

どれだけ恵まれたって

瞳が赤く染まる


ありがとう さようなら 悲しみの記憶さえ

仄かに 確かに 色を変える

過ぎ去る季節 朧気の中

辛いこと 嫌なこと 全部忘れられる

悲しみの疵痕を 笑顔に置き換えよう

どれだけ苦しくたって

手を取り合えるから

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