色罪を焦がれる色無き者の挽歌
ガラスの靴は ひどく私に似合うみたい
ねえ キレイでしょう どうして泣いているの
涙の色は何?
赤? 青? 白? 黒? まだまだ 足りないわ
色無き者の透明になった叫びに届かない
私に色は無い
色とりどりの世界で ああ なんて醜いのかしら
色を持つ者よ
支配者であり続けるとは どんな気分かしら
色を持たない気持ちを懐いて みて みて ねえ
鮮やかな付け爪は 私には似合わないみたい
ねえ こんなもの どうして付けているの
痛みの無い身体なの に/だから 悲鳴をあげる
さあ 手を繋いで 手を取り合って やがて 手に落ちる
彷徨い足掻いた先に
喜? 悦? 楽? 幸? なんて ありえないわ
全部消してくれるのは あなただけ
あの日の出来事、今でも覚えてる
優しいあなたの 姿、笑顔
でも、もう、無い、から
ねえ やっぱり 全ての色を消そう?
私に色は無い
色とりどりの世界で なんて見難いのかしら
でも 色は要らないの
簒奪者のいない世界とは どんな世界かしら
素敵ね 素敵よ 素敵のはずよ
色のかき消えた世界を描いて
無に帰したい 帰りたい 返して ねえ
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