第3話 姉(朝日奈 茜)


朝日奈茜、18歳。

朝日奈正の姉である。


若葉高校年3年3組。


容姿端麗、頭も良く性格も明るいことからクラスの中心的人物。ちょいちょい男女問わず告白されているが、全て笑顔でお断りしているとのこと。笑顔で断ることからついた二つ名は『残酷な微笑みの天使』。


*    *    *    *


あの日、お風呂から上がって洗面所に出ると弟の正に遭遇してしまった。


正は私の裸を見て固まっていた。


そこで私は見てしまった。

正のアソコが反応している所を‥。


その時、私の身体に電気のようなものが駆け巡った。


生まれて初めて異性に全裸をみられた恥ずかしさと、そして正しに女として見られたことの嬉しい気持ちが溢れていた。


ただ、ほんの僅かであるが恥ずかしい気持ちが優ってしまい、あの言葉が口から溢れた。


「エッチ‥。」


言葉を発するとすぐに浴室に戻った。


もしかすると正がそのまま浴室に入って来るかと思ったが、さすがに入って来る事はなく洗面所から出て行ってしまう。


「ふうぅ‥。」


変な想像のせいで火照った身体を温めのシャワーを浴びて冷やすのであった。



*    *    *    *



夕食の為、食卓に向かうと正がいた。

全裸を見られた事は特に思うところはなかったので普通に話し掛けようと正を見ると私と目が合うと頬を紅くする。


ズキュン!


その仕草を見て何かに撃ち抜かれたような感覚に陥いる。


何これ!

胸がキュンキュンする。


くぅぅぅ、私を意識する正を見て顔が熱くなるのがわかる。


この気持ちがわからないまま食事は続いていく。


戸惑いもあって食事は味気なく感じ、何も喋る気が起きない。


その後、食事を終えると大好きなドラマを見ることなく自室に戻る。



*    *    *    *



今の気持ちの正体がわからないでいた。


ただ、正の事を考えると胸がキュンキュンする。


「ふふふ。」


--嘘である。


この気持ちの正体に気づいていた。


そう、私は弟の正に恋をしたのだ。


私の初恋は決して結ばれるのことのない禁断の恋。


普通なら諦めなければならない。


普通なら‥。


「うふふふ。」


真面目で頑張り屋な性格が禍いしてしまう。ダメだとわかると逆に燃え上がるのであった。

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