第4話 華麗なスターの熱血ライバル?
「キイッドオォォォ!!!」
「!!?」
突然、暑苦しい叫びが周りに響き、俺達は反射的に声のした方向に振り返ると、緑のパーカーを着ている炎のような真っ赤な髪が上に立っている少年がいた。
「よお、『カット』じゃないか。 スターであるオレに用かい?」
「勝負だあぁぁぁ!!」
「え? いきなり?」
カットと呼ばれた少年はいきなり暑苦しく叫ぶ。 そんないきなりの暑苦しいテンションに俺とラビは着いていけなかったが、キッドは涼しい顔で返す。
「いいぜ。 今度もオレが華麗に勝利して、勝ち星を引き離してやるよ」
キッドは華麗に宣言をする。
「いやいや、まてまて! 勝手に話を進めるな! 急に出てきてなんだよお前」
俺は割り込んでいうと、「よくぞ聞いてくれた!」と云わんばかりのどや顔を決められ、少年は仁王立ちになり、言い放つ。
「オレ様の名は『カット・ダ・カッター』! キッドの永遠のライバルだ!」
「ライバル?」
ラビは訝し気にカットをみるが、キッドの反応的に嘘ではないのだと思う。
「スターに永遠のライバルは付き物さ、そう! そのライバルを華麗に打ち破ってのスターさ☆」
「ナニがスターだ! このキラキラナルシスト!」
いや、これはライバルと言うより、『トモダチ』だな。
「お前を返り討ちにし続けることによって、そのキラキラがキッラキラに輝き続けるのさ☆ キラン☆」
「上等だぁ! その輝きってやつを熱いメラメラの熱血魂でメッラメラに燃やし尽くしてやるぜッ!!」
「いいね☆ 魅せてもらおうか☆」
「しゃあああ! 場所移すぞぉ!!」
そういうと二人は俺達に背を向けて何処かに歩いて行った。 ラビはそれを微笑ましそうに眺めている。
「めっちゃなかよしじゃん」
「そうだな……って! おい、待てよ! 追いかけるぞ、ラビ!」
なんか雰囲気に流されそうになったが、俺達は正気に戻り慌てて二人を追いかける。
二人を追いかけてきた場所は、都市から少し離れた平野だった。 風が爽やかに流れるその地で二人の男が向かい合う。
「今日の勝負はナニにするんだい?」
離れて向かい合うカットにキッドが尋ねると、カットは「ふっふっふっ」と不敵に笑うとビシッとキッドを指さしいう。
「熱血一本! 一太刀引き金は一度しか引かねえ勝負だ!!」
「暑苦しい」
あまりの暑苦しい勝負名にラビがツッコムが『一太刀引き金』ってなんだよ……。 と俺が思っていたら、カットは手に『一枚の小さな紙』? の様なモノを出現させて天に構えた。
「『
カットが叫ぶとその紙が赤い光を放ち、真っ赤に輝く鍔が龍の様な変わった形の剣に変化した。
「えっ!? 紙がヘンなカタチの剣になった!?」
「紙じゃねえし、ヘンじゃねえ!」
俺とほぼ同じことを思ったラビの言葉にカットは言い返してくる。
「これがオレ様のスキル『
カットは剣先が炎で燃え上がった剣をキメポーズをして構える。
「カットのスキルは『カードの具現化』さ」
「具現化?」
驚く俺達にキッドは説明する。
「正しくはカードの中のモノを『出したり』、逆にモノをカードに『入れたり』できるのさ」
「めっちゃ便利、鞄要らないね」
「御託はいいぜ、さっさとはじめようぜ! オレ様はこのドラッケンの斬撃を飛ばす、そして、キッドはスキルの弾丸をオレ様に撃ってこい! その一発を相手に当てた方が勝ちだ!」
カットが説明を終えるとキッドは「いいね☆ その勝負乗った☆」と右手に銃を出現させる。
「ちょ! ちょっとまって! めちゃくちゃ危ないじゃん!」
テンションが高まってる二人の間にラビが慌てて入る。
「大丈夫、互いに相手を殺さない威力にするし、これはただのライバルの決闘さ」
キッドは軽い口調で返し、それにカットも続ける。
「そうだぜ、ヒロインは大人しく主人公のオレ様の無事を祈ってな」
「いや、アナタのヒロインになった覚えはないし、さっき会ったばかりだから無事を祈るほどの関係になってないよね!?」
「よし! 行くぜッ! キッドッ!」
「聞いてる!?」
カットの暑苦しいテンションにラビはツッコムが届いていないようだ。
「………………」
「………………」
互いに静かに向き合いどっちが先に仕掛けるか視線を飛ばし合う……。
……ッザ
「!!」
「!!」
先にカットが動き、それにすぐにキッドは反応する。
「『熱血龍斬』!」
「『マグナムバレット』☆」
カットが炎の斬撃を放ち、空かさずキッドは引き金を引き銃先から火花が散り、弾丸を飛ばす。
「かかったなキッド!」
「!?」
今ので勝利を確信したのか、カットは不敵な笑みを浮かべる。
「この勝負は『一太刀引き金』、互いに一発ずつの勝負! つまり、お前の弾丸を切ってしまえば終わりで斬撃を止める手段のないお前の負け! オレ様の勝利だあ!!」
カットは高らかに笑い勝利宣言をする。
「つまりは始めから斬撃に当てさせて、自分の有利対面に持ち込んでたってことか」
「えっ!? ずるっ!?」
カットの狙いにラビは目を見開いて驚く。
「……だが」
俺は勝ち誇ったカットからキッドに目線を向けるとキッドは口角を上げ笑った。
「甘いぜ☆ カット!」
そういうとキッドの放った弾が斬撃とぶつかる直前に『軌道を変え、斬撃を交わした』。
「にゃにいぃ!?」
突然のありえない動きにカットは奇声を上げるが、斬撃を避けた弾のスピードは変わらずそのままカットの頭にクリーンヒットした。
「あぎゃっ!?」
「よっと☆」
カットの奇声と同時にキッドは華麗に斬撃を交わした。
「まあ、さっき『弾を自由に操れる』っていってたしな」
殺傷能力のない弾だったから怪我はしなかったが、普通に頭に弾が当たったので、カットは地面に倒れ目を回す。
「はは☆ 今回も華麗にオレの勝利だね☆」
キッドは銃を回し、華麗にポーズを決めた。
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