meaning

最後の答え

何の意味があるだろう?


こうして、生きている事に……。


何の意味があるだろう?


こうして、息をしている事に……。


何の意味があるだろう?


こうして、誰かを見つめている事に……。


何の意味があるだろう?


こうして、誰かを想っている事に……。


何の意味があるだろう?


こうして、誰かを憎んでいる事に……。


何の意味があるだろう?


こうして、学校に行かない日々を送っている事に……。


何の意味があるだろう?


こうして、毎晩のように悪夢にうなされている事に……。


何の意味があるだろう?


こうして、お洒落をしている事に……。


何の意味があるだろう?


こうして、儘ならない仕事に追われている事に……。


何の意味があるだろう?


こうして、苦しみを秘めている事に……。


何の意味があるだろう?


こうして、ひたすら走り続けている事に……。


何の意味があるだろう?


こうして、嬉し涙を流している事に……。


何の意味があるだろう?


こうして、あなたと抱き合っている事に……。


何の意味があるだろう?


こうして、一人膝を抱えている事に……。


何の意味があるだろう?


こうして、ネオンの街の中カーテンを閉め切っている事に……。


何の意味があるだろう?


こうして、面白くも無いのに笑っている事に……。


何の意味があるだろう?


こうして、あるかもわからない天国に心を焦がしている事に……。


何の意味があるだろう?


こうして、ひたすら祈っている事に……。




私には解らない。私には解けない。私には解せない。


余りにも、無意味過ぎて……。


余りにも、普通過ぎて……。


余りにも、当たり前で……。


余りにも、輝いていて……。


余りにも、冷た過ぎて……。


余りにも、あたたか過ぎて……。




私は、怖くてたまらない。だって、だって、だって……。


私は、愛を知ってしまった……。


私は、空の青さを知ってしまった……。


私は、失くす怖さを知ってしまった……。




それでも……、美しすぎるこの地球ほしで、意味を探すのだ。

愛しさも、空の青さも、失くす怖さも、その意味は、どこにあるのか……。


息をしている、でも、生きていたくはない……、その矛盾の中、私は、こうして、馬鹿みたいに息をしている。

それは、当たり前のようだけど、この地球ほしには、当たり前がない。


あぁ……、私は、どこまで、生きてゆくのか……。


毒入りの林檎を食べ、ガラスの靴を落とし、野獣と踊り、泡となり消え、悲しい物語は、存在しないのに、悲しい物語ばかり存在している――……。


私は、間違ったのだろうか?

私は、見間違えたのだろうか?

私は、勘違いしたのだろうか?

私は、見落としたのだろうか?



外へ出て、太陽を浴びた。


まぁ、いいか、と、声が漏れた。


この世に、意味を求めるなど、無理な話なのだ。

何にもない。

何でも溢れているこの時代に、ここには、何にもない。


だから、探してしまう。

だから、目を凝らしてしまう。

だから、見えなくなってしまう――……。


どうか、この地球ほしに生まれたことに、どうか、後悔を生まないで……。



意味など無くていい。

欲する必要などない。

訳ないどないのだから。



すべて捨て去って、生きて。


生きて。生きて。生きて。生きて。生きて。生きて。生きて。生きて。生きて。


大丈夫よ。

きっと笑えるわ。


大丈夫よ。

きっと泣けるわ。


大丈夫よ。

きっと生きてゆけるわ――……。



きっと、あなたは、大丈夫だわ――……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

meaning @m-amiya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ