2日目
仲間と一緒に私達の今後について話した。
昨日書き忘れたけど、私は投獄されている。私だけじゃない。仲間達全員。
恐らくこのままいけば処刑...
死にたくない。でも、それを避ける方法が思い浮かばない。どうしようもない状況の中、仲間の中の1人が「脱獄...しますかぁ」と言い始めたものだから、猛反対した。上手くいく訳がない。脱獄なんて出来るはずがない。
......と思ってたけどなんか上手くいったしなんか脱獄出来たので、今になっても興奮が収まらず、日記にこれを書いてるだけで動悸が止まらない。
脱獄出来たのはいいものの、身を隠さなければいけない。この国にも隣国にも、私達の居場所は無いので、とりあえず鎧や踊り子の衣装を"お借りして"顔を隠し、冒険者を装った。
案外上手くいった。はずもなくすぐにバレ、追いかけ回されたが、何とか追手を撒いて逃げることが出来た。なんてことがあるはずもなく、あっさり捕まって暗い牢獄にただいまの挨拶を済ませた。(そういえば行ってきます言ってなかったね)
過程は全然違ったけど、私の予想通りの結果だ。逃げられるはずがないんだ。
結局「私達は今後どうする?」という議題は「まだマシな処刑法は?」になり、処刑までのスケジュールから最後の晩餐、処刑方法にその後の死体処理まで、緻密な計画を立てた。
この日記を書いて分かったことがある。
私達は気が狂っているとしか思えない。頭が悪すぎる。死にたくないから話し合ってるのに、死に方に理想を求めてどうなるのかあの時の私達に問い詰めたい。
......でも、そんなバカみたいな話をしている時間が今の私達には救いだった。ただただバカらしくて、楽しくて...嫌なことを考えなくてよかった。
これからの人生はきっと地獄。だから今だけは、バカな私達で居させてください。
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