1日目

守れなかった。

優しかった王様も、ずっと見てきた景色も、全部最初から無かったかのよう。

国は乗っ取られた。

民は、国が乗っ取られたのは私達が情けないからだと言った。今日は石を投げられた。

......仕方がないのかもしれない。みんな辛いのは知ってる。誰かのせいにしないとやっていけないのも分かる。

それでも、かつて向けられていた尊敬の目が悪意に変わるのはとても悲しかった。名声が欲しかったわけではないけれど、一生懸命戦った。味方が裏切って、敵に切られて、殴られて、体が血まみれになって、痛くて、辛くて、涙が零れそうになっても必死で戦った。

この境遇も受け入れてしまえば、慣れてしまえば...

そう思ってしまう自分が情けない。

私は、私達は、いったい何のために戦ってきたんだろう。


この日記は、何も守れなかった自分への戒めなのかもしれない。

どん底に生きる私達の毎日は報われるかな。

いつか、心から笑えるの日は来るのかな。

......明日はどんな苦痛が訪れるんだろう。

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