第6話 どうやら執事?がつくみたいです。
「ノエルちゃん、少し話があるから来てくれるかしら?」
どうしたんだろう?
「わかった、ママ。」
△▼△
——コンコン。
「入っていいわよ。」
「失礼します。」
「話があるってどうしたのママ?」
「あのね、この子をノエルちゃんの専属執事にしようと思うのだけれど…。」
この子?
——コンコン。
「失礼します。」
「専属執事を承りました、キールでございます。」
ぺこりとお辞儀をする少年。
背は150cmくらいだろうか?
年はたぶん15より少し下かな。
あとで聞いてみよう。
専属執事?だっけ。
メイドみたいなやつかな?
「えっと、ノエル・ジュスタンです。よ、よろしくお願いします…?」
あいさつ、こういうのであってるのかな?
ちゃんとした作法習ってないしわからないからな。
「はい!よろしくお願いします!」
「ふふ。じゃあ、ノエルちゃん。これからはキールが身の回りのお世話をしてくれるから、なにかあったらすぐキールに言うのよ?」
「わかりました。」
「じゃあ、ノエルをよろしくね、キール。」
「はい!」
△▼△
2人で廊下を歩いているのだが、なにから話そうか。
あ、そういえば何歳なのか聞いてないや。
「ねえ、キール。キールは何歳なの?」
「私は11歳です。ノエル様と10歳ほど離れております。」
へえ、11歳なんだ。
ブランドの髪に色素の薄い青の瞳。
髪は細くてサラサラ、丁寧に髪は後ろにリボンで束ねてある。
美少年、といったところだ。
11歳にしては身長高いなあ。
成長すればもっと大きくなるんだろうか。
専属執事か…。
年が離れてても、専属執事になるのなら仲良くなった方がお互い居心地がいいだろう。
「ねえ、キール。今日はお仕事より大事なことがあるよ。」
「えっと、なんでしょうか?」
ちょっと意地悪じみてるかな?
まあ、ちょっとくらい許してね、キール。
「なんだと思う?ふふ。」
「…えっと、わかりません…。」
「僕と仲良くなることだよ。キールは僕の専属執事になってくれたんだから仲良くないと楽しくないでしょ?」
まあ、俺がただ暇を潰したいだけなんだけど笑。
「…まあ、そうですね。私も仲良くなることに賛成です。」
「じゃあ、まず僕のしたいことに付き合って欲しいんだけど、いいかな?」
「わかりました。ノエル様はなにがしたいのですか?」
やった、流れに乗ってくれた。
「僕はキールと本が読みたい。」
「本…ですか?」
お、驚いてる!
やっぱりこの年から本読むのって普通じゃないんだろうね。
お母さん達は何にも言ってこないから確証が持てなかったけど、やっぱり異常ではあったんだ。
「僕ね、本読んでもらうのと本を読むのが好きなの。だから、キールにも一緒に読みたいんだ。」
どうだろう、OK出るかな。
「あの…私、出が庶民でして、字が少ししか読めなくて…。」
え、そうなの?
あーたしかに名前もキールだけだったし、そういうことなのかな?
えっとじゃあ…そうだな…あ!
「ノエル様…?」
「じゃあ、僕が本を読むから、キールは聞いてほしい!」
「いいのですか…?」
「うん。いいよ!僕が誘ったことだし!」
「ありがとうございます。」
「うん。こちらこそ。」
——うーん。
キールに何を読もうか。
そうしているうちに部屋についた。
「キール、僕はキールに僕が一番似合いそうなお話の本読むことにしたよ。」
正直適当である。
なんたって、キールがなにわ好きかわからないから。
第一印象を受けて俺は「綺麗だな」って思ったから、そんな感じの綺麗な話を読もうと思ったって感じだ。
やっぱり綺麗と言ったら、神話かな。
この部屋には本といっても絵本しかないから、それくらいしか思いつかなかった。
「じゃあ、本読もう!こっちきて。」
「え、えっと…お隣に座るということでしょうか?」
もしかして何かダメな感じ?
今まではお母さんとお父さんが読んだとき、膝の上だったけど、さすがに自分より大きい人を膝にのせたりはできないからな。
「本読むんだから、隣の方がいいと思ったんだけど…。嫌だっかな?」
「いえ!嫌なんて滅相もございません!お隣、座らせていただきます!」
「あ、うん。」
なんか急に勢いましたな…。
——ぱたん。
無事に読み終わった…!
人に聞いてもらうのって少し緊張するね。
「どうだった?僕はこの話綺麗で好きなんだ。聞いてくれてありがとう。」
…あれ?
キール固まっちゃってる、どうしたんだろ?
「キール?大丈夫?」
「あ、いえ!なんでもないです!私もこの本好きです!ノエル様、読んでいただきありがとうございます!」
「うん。よかった。」
本を読むの、気に入ってくれたみたい。
嬉しいな。
俺だけ我儘いうのもあれだよな…。
「キール、今度はキールの番。したいことはある?」
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