(四)
その三ヶ月後、横浜地方裁判所の第七号法廷の被告席に彼女は座っていた。
俺はというと、拘置所内への持込みができず、彼女とは別れ別れになってしまった。ただし、彼女の代わりに国選弁護人の横尾浩が律儀にも法廷へと連れてきてくれた。おかげで被告席ではないが、彼女の近くにいることができている。
梶田正判事が振り下ろす木槌の音で裁判が始まった。
矢野良一検事が罪状を読み上げる。罪状は赤ん坊の殺害と母親と赤ん坊の死体遺棄の罪であった。
罪状認否では、三川美幸は沈黙で否認した。
検察は、彼女を血も涙もない殺人犯として子どもだけでなく母親も殺したかのように彼女を追及した。
(続く)
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