第11話 初の依頼!!!
ギルドに着くとシュテルは最初に受付へと向かった。ここに来る道中で聞いたのだが、ギルドに加入してないと報酬は貰えないしランク戦に参加できないらしい。
だから、基本的に皆ギルドに加入するらしい。
シュテルは中に入ると直ぐに受付カウンターを探した。毎度の事ながら思うのだが、だいたいこういうゲームで受付カウンターを探そうとすると、中々見つからない。
「受付ってどこだよ」
「受付なら奥にありますよ」
ルビーはそう言って指を指してきた。その方向には受付カウンターらしきものがある。
「サンキュー」
シュテルはそう言って受付カウンターへと向かった。受付カウンターの前に来るとそこには女の人が立っており、その人と色々することでギルドに加入出来るみたいだ。
「フレットの街へようこそ。本日はどんなご要件ですか?」
「ギルドに加入したいんですけど」
「承りました。では、こちらの用紙に自己紹介を書いてください。これが加入の証となります」
そう言ってプロフィールを書く髪を差し出してきた。どうやらこれが履歴書のようだ。
「記入の際はこの用紙をクリックしていただけますと、記入することが出来ます」
「わかりました」
シュテルは1つずつ記入する内容を見ていく。
1つ目は名前、性別、誕生日などの個人情報。まぁ、個人情報と言ってもゲーム上のだが……。
2つ目は得意な魔法やスキル、武器、道具、動き方だ。とにかく得意なものを書かなければならないようだ。
3つ目は逆に苦手なもの。苦手なものならなんでも書いていいみたいだ。
シュテルはその履歴書のようなプロフィールのようなものを見てルビーに相談する。
「なぁ、これって転身を書いていいか?」
「やめておいた方がいいと思います。下手に自分の情報を明かす訳にはいきません」
「了解だ」
シュテルはルビーとヒソヒソと相談して記入を始めた。さすがに魔剣は隠しきれないため、攻撃力が高いだけの魔剣ということにして記入しておいた。
一応スキル欄にも『転身』とは書かず、『縮地』スキルということにしておいた。
「全部書けました」
「はい。えっと……わかりました。これでギルドへの加入が完了しました。これからギルドについて説明します。まず、ギルドに加入することで依頼を受け報酬を受け取るということが出来ます。そして、その成功した依頼のランクが高ければ高いほど自分のランクも上がります。そして、ランクが上がれば貰える報酬もどんどん上がっていきます。また、ギルドに加入した場合、緊急依頼が発生した場合その街にいれば必ずその依頼を受けなくてはなりません。ご了承ください。以上がギルドについての説明です。他に分からないことがあればお聞きください」
「分かりました。ありがとうございます」
シュテルは受付のお姉さんにお礼を言うとそのまま依頼が載ってある『
「……なぁルビー、今更だけどさ、魔法とスキルって何が違うの?」
「それはですね、”回数制限があるか無いか”の違いです。魔法には回数制限がありません。その代わりに魔力を使用します。スキルは魔力を使用しない代わりに回数制限があります。しかし、それには例外もあって、”
ルビーは優しくそう教えてくれた。そして、その話を聞いているとシュテルはクエストボードの前へと着いた。
「なるほどな……これからは気をつけるよ。それよりさ、今このクエストボードを見てるんだけど、ランクって何?」
「ランクというのはその人の持つ資格のようなものです。現在のシュテル様はGランクです。基本的にこのゲームは何億人も行っているので強さがわかるようにランク付けされているのです。ランクはGからSランクまであって、Sランクの人は世界に100人しかいません。特にその中でもトップ10にはいる人達はSSランクと呼ばれることもあります。先程も言った通り、シュテル様は現在Gランクで最低ランクです。ですが、依頼は1つ上のランクまで受けることが出来ます」
「なるほど。それで、ランクをあげるにはどうたらいい?」
「それは、とても簡単ですよ。ランクが上がる基準の記録を超えればいいだけの事です。依頼の達成数や達成した依頼の難易度でランクは上げられます。ただし、受注出来る任務のランクは1つ上までです。だから、今シュテル様が受けることが出来るランクはFランクまでです」
ルビーは優しくそう説明してくれた。今の会話から考えると、結構簡単にランクは上げられそうだ。
「依頼って同時に複数受けることが出来るのか?」
「出来ますけど、失敗すれば違約金が発生しますよ」
「なら大丈夫だ。とりあえずこの5つを受けよう」
「わかりました。じゃあこの紙に触れてください。すると、選択肢が出るので受注するを押すと受けることが出来ます」
シュテルは言われた通りにやった。すると、受注することが出来た。シュテルはそれを確認すると、目的の場所へと向かい始めた。
「……おい、次の狙いはアイツだ……」
そう言ってシュテルを狙う影が3つほどあったのを、シュテルは気づかなかった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……それからシュテルは20分くらいかかって目的の場所へと来た。そこに行くと、かなりの人数のモンスターがいる。その中に目的のモンスターもいた。
シュテルはそのモンスターを5分程度で片付け、依頼の整理をしていた。
「全部終わりましたね。あとは受付で完了の報告をするだけです」
「そうだな。じゃあ帰るか」
シュテルはそう言って街へ帰ろうとした。その時、目の前に人がいることに気がついた。その人達は何故か、シュテルから目を離さない。
「あの、何ですか?」
「お前、いい武器持ってんな。それに、ナビゲートピクシーまで持ってやがる」
「どうします?こいつ殺します?」
「私はアイツの道具が全部欲しい。でも、背中の武器はいらないわ」
3人はそんなことを言ってシュテルを見つめてくる。今シュテルの目の前にいるのは男2人と女1人だ。だが、シュテルはこの3人に見覚えがない。
「なぁ、あんたら何者?」
「俺らか?俺らはある冒険者パーティだ。なんのとは言わないがな」
「……へぇ」
シュテルは3人組を見て少しだけ目を細める。なんのパーティが言わないということは、人に言えないということだ。もしくは、言わなくてもわかるか。
だが、それならギルドで大騒ぎになるはず。だとしたら、有名では無い。そこから分かることは、こいつらは人に言えないパーティだということ。そして、ここは初心者が多い。それも、ある程度の武器とお金を持った初心者が。
「なるほどな。
「ご名答!正解したお前には死をプレゼントしてやるよ!」
男はそう言って飛びかかってきた。
ちなみに、これは比喩表現では無い。本当に超特大ジャンプをして襲いかかって来たのだ。
シュテルとその男とはかなり距離があったのだが、その距離を一瞬で詰めるくらいの特大ジャンプだ。
だが、シュテルからしてみればそんなもの何でもない。シュテルはマーカー……いわゆるマーキングした紙が付いた針を2つ取り出すと、1本は自分の足元へ、そして、もう一本は飛びかかってくる男の少し隣に向かって投げた。そして、マーカーが男の隣に来た瞬間にそこに飛ぶ。
「……え?」
そして、シュテルはその男を全力で蹴り落とし、元の位置に飛んで戻る。
男は情けない声を上げた後、地面に叩き落とされ体力を半分も失った。
「さて、どうする?まだやるつもり?」
シュテルは真顔でそう問いかける。すると、残りの2人は一瞬で顔を真っ青に染め上げ叩き落とされた男をかつぎあげると、疾風のごとく逃げていった。
「マジでなんだったんだよ……」
シュテルは呆れた声でそう呟いた。
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