第六話 チャーシューでも煮卵でも
あらあら、そんなにガッカリしないでくださいよ。ほかに何かないかって? そうですねえ、うーん、これといって思いつかないです。済みませんねえ。
とりあえずラーメンでも食べにいきませんか。私の妖力でチャーシュー多めになりますからね、遠慮しないで召し上がってくださいよ。
なんですか、勝手に具を増量したら、お店に迷惑なんじゃないかって?
へへっ。あなた様のそういうところ、私は好きですよ。そういう優しいところがねえ、私どものような妖怪は弱いんです。つい力を貸したくなってしまうんですよ。まあ下心もあるにはあるんですけど、それだけじゃないですから。
優しい人っていうのはね、ひとりぼっちだと自分では思っているかもしれませんが、案外私のようなものが陰で応援していたりするものです。目には見えませんけどね。
ええ、心配いりません。あくまでも妖力で増やしますからね。お店の経営には影響を与えませんよ。
え、それなら、うどんが良いですか。うどんだったらどうなりますか……。さあねえ、やったことないからわかりませんね。じゃあ、ひとつ試してみましょうかね。麺か具が増えたらいいんですけどね、おつゆ多めになっちゃったりしてね。あはは。まあ、私たちはゆるくいきましょう。
あの子はもう、ゆるいどころの騒ぎじゃないですけどね。
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