第六章 空の器

 富士砕力研究所の敷地は四つの区画に分かれている。北西の第一区、北東の第二区、南西の第三区、南東の第四区。兵器訓練場は北西第一区にあった。訓練場面積は4.3平方キロメートルの広大な面積であるが、20メートル級の機動兵器がブーストを吹かすと瞬く間に移動できてしまう。

 朝の日差しが作り出す二つの大きな影が向き合っている。そのうちの片方、ホリゾンブルーの頭部が特徴的なR-39がバランスを崩して二、三歩後退り、派手に転倒した。

『……っうおぉおおあっ!』

 イシガミの大きな悲鳴が研究所中に響き、ハウリングにより発生した甲高い音に見学の新兵達は揃って耳を塞いだ。白いボディの訓練用機体RT-5は、直立したまま訓練相手を見下ろした。

「こりゃあ、大したもんだ」

 腕を組んで見守るヤジマが感嘆の声を漏らした。

『くっそ』

 イシガミは愛機を起こすと訓練用鉄警棒アイアンケインを背中から抜いた。3メートル程の鉄の棒は、ワンタッチで長さが最大2.5倍になる伸縮性の武器だ。

 少しの間睨み合っていた両者だったが、R-39が先に仕掛ける。鋼鉄の棒を握りしめて前進し、対するRT-5は素手で攻撃を待ち構えていた。

『舐めやがって』

 R-39は、白兵戦の間合い4歩手前で踏み込んだ足を軸に前傾姿勢になった。

「操縦ミスか!?」

 新兵の一人が叫んだ。二足歩行ロボット兵器の操縦は、ただ動かすだけならばさほど難しくはない。一々足を操作するのではなく、指定した方角へパターン化された自動操縦で移動を行うオート操作が主流で、大概はそれで十分だからだ。ところが、素早さと精密さを追求した途端に難易度が跳ね上がる。素早く距離感を把握し、適切なタイミングで動作を切り替える操作がとても難しいのだ。

 しかし、イシガミの操縦テクニックはその一つ上の次元にある。R-39は転倒と見紛う前傾姿勢のまま、背中のブーストを吹かしてほぼ水平に跳躍を行い、加速力を生かした突進攻撃を繰り出した! 意表を突く発想力とそれを可能にする操縦技術、その二つがそろった時、石上少尉はエースを自称できるほどのパイロットになったのである。

『もらった!』

 勝利を確信したイシガミが叫んだ。しかし、RT-5は左足を軸に半回転して一機分立ち位置を横にずらす。そうして、難なく突進攻撃をかわしてしまった。

『馬鹿なっ、ぬがっ!?』

 R-39はそのまま前のめりに倒れてしまい、派手に土煙を上げた。体勢を立て直そうと腕をつく。

「そこまで!」

 ヤジマが叫んだ。

 倒れている敵機の背中を取ったRT-5が訓練用短刀アイアンナイフを突き立てようと構えていた。これを防ぐ術が無い以上、決着はついたのである。

 RT-5は短刀を腰にしまって規定の位置まで移動し、R-39も遅れて後に続いた。白い機体が膝を折ると胸部中央にあるコックピットが開いて、パイロットスーツに身を包んだパイロットが現れる。昇降用の梯子で地上に降りてヘルメットを脱ぐと、茶色の髪とピアスが揺れた。閉鎖空間から脱したことで開放感を感じてケイゴは息を吐く。不機嫌そうに口をへの字にしたイシガミもR-39から現れ、二人が揃うのを待ってからヤジマは総評を話す。

「驚いた。衝撃の予知能力のことは聞いていたが、通常の操縦技術も目を見張るな。エースパイロットのイシガミをここまで圧倒するとは」

 言葉は主にケイゴに向けられていた。多少含みのある言い方に、イシガミの眉がピクッと反応する。

「10メートル級ですが、操縦は必須科目ですから。だが、それ以上になにか感覚が掴めたような気がする。翠の巨人エメーラを始めて操縦した時も、そうだった」

 ケイゴにも一応目上の人に敬語を使う習慣はあるようで、発言に多少敬う言葉が見られる。だが、後半は自身の行いを顧みる過程で、独り言のようになっていた。

「そりゃ、起動兵器の操縦はカンで十分って言いたいのか」

 隣のイシガミが食って掛かった。背の高い彼は、サングラス越しに協力者の少年を見下している。

「ちょっと腕が立つからって、いい気になってんなよ。マニュアルにも目を通さないでいざという時どうするつもりだ。バッテリーが落ちた時の対処、味方との連携戦術、それに上官に対する口の利き方!」

「止めんか、イシガミ。八つ当たりもいい加減にしろ」

「けどよ、教官」

「けどではない!」

 大きな声で怒鳴られて、イシガミは一歩尻込みした。

「経歴については事前に説明したはずだ。忘れるな、彼は協力者だ。それに、訓練を経ずに特機に乗って、一番不利益を被る可能性があるのは本人だ」

「だから――」

 こいつを前線に立たせるのはまだ早いんじゃないか。そう言いかけたが、結局押し黙る。口にしたところで、わかっている事、決まったことを蒸し返すだけだと思ったからだ。

 イシガミが静かになったので、ヤジマは再びケイゴに向き直る。

「感覚が掴めた、と言ったな。もう少し詳しく話せるか」

「昨日初めて、次に来る衝撃を予感として感じるようになりました。で、それに対する対処が、自分でも驚くほどスムーズにできた。例えば、車が突っ込んでくるから木に登って、突っ込んでくるタイミングに合わせて飛び越える、みたいな」

「木登りの能力かよ」

「イシガミ!」

 がんっ! 一々皮肉を挟むイシガミに、ついにヤジマのげんこつが飛んだ! 時代遅れの指導法を目の当たりにした新兵が震えている。

「くっぁ……」

 正規軍のエースはたまらず頭を抱えてしゃがみこんだ。協力者の高校生は何も考えずに見下ろしている。鬼軍曹はこほん、と咳払い一つして、気を取り直す。

「すまん、続けてくれ」

「理屈はわからないけど、運動能力が一段階進化した感じです。極端に腕の力が強くなったとか、身体が鉄のように頑丈になった、ってわけじゃない。反応速度とか、ジャンプ力、手先の器用さみたいな、身体を上手に使う術が感覚で分かる。加えて翠の巨人エメーラに乗った時、このロボットは俺の手足だと思いました。身体を動かす延長線上に、このロボットの操縦がある。だから、直ぐに感覚が掴めた」

 協力者の話を一通り聞いても、軍曹は腕を組んだまま目を閉じ、考え込んで返事ができなかった。

「何言ってるかわかります? 教官」

 同じく話を聞いて憮然としたイシガミが尋ねる。

「……いや。しかし」

 軍曹は瞼の裏で、過去の記憶を呼び覚ました。

「以前、あの二人も同じことを言っていた」

「二人?」

紅い戦神ルビーラ蒼い疾風サフィーラのパイロットだ。話に聞いているかと思うが、翠の巨人エメーラと同格の特機、そのパイロットの事だな。お前と同じ星の啓示を得た者アストラルゲイナーだ」

 昨日、その二人に関してはタチバナとカツムラに説明を受けていた。ケイゴが来るまで研究所を守り続けていた守護者であり、今は負傷して意識が戻らない重症であるという事も。

「その二人も俺と同じ力に目覚めていたんですね」

「そうだ。次に来る衝撃の位置を予測し、二足歩行ロボット兵器の操縦を感覚として理解する。貴様の証言と概ね一致している」

「そうか。じゃあ、やっぱり俺はこの能力のおかげで人並み以上に戦えている。ツイてるんだな、俺は」

 ほくそ笑む少年に、軍人二人は眉をひそめた。イシガミが問いかける。

「一ついいか。嫌じゃないのか? よくわからない力のせいで命のやり取りに巻き込まれて」

「さあ。別に、他にやりたいこともなかったから」

 因みに、ケイゴはイシガミには敬語を使っていない。だが、彼が引っ掛かったのはそこではなかった。イシガミの表情が呆れから真剣なものに変わっていく。

「……って。自分の事だろう」

「そうだな。けど、そこにはあまり興味が無くて」

 のらりくらりとかわすような口ぶりにイシガミは苛立つが、ケイゴはこれでも言葉を選んでいるつもりのようで、次の言葉を考える素振りをしている。

「どうせ、人間がいつ死ぬかなんて誰にも分らない。ぼーっとしてるくらいなら、戦う方が有意義だ」

「戦って死んでもいいってのか」

 気づいた時にはケイゴの胸倉を掴んでいた。目にも留まらぬ動きの速さは、近くにいたヤジマも制止ができないほどだった。

「冗談言ってんじゃねえ。死ぬのが怖くない奴なんかいるかよ」

 震え、低い声には怒りの熱が燻っていた。ケイゴは一瞬目を見開いたが、直ぐに冷めた表情に戻ってしまう。

「違う。興味が無いんだ」

「なんだと!」

「やめろ、イシガミ!」

 間にヤジマが割って入ったことで、二人は無理やり距離を離される。新兵に羽交締めにされたイシガミは、拘束から逃れて尻餅をついたケイゴを見下した。

「教官、俺はやっぱりこんな奴は認められない。俺たちはに戦うんだ。なんて思ってる奴は、同じ志の仲間じゃない」

 唾を吐くように吐き捨てると、イシガミは新兵の拘束を振り解いて去っていく。

「どこへ行く、イシガミ! 訓練中だぞ」

「原因不明の頭痛で早退します。

「アイツ……」

 教官の制止も聞かず機体に乗り込んで、イシガミは北西の端にある地下ドッグの入り口へと去って行った。機体が近くをすれ違う時、砂埃が巻き上がってケイゴ達は自らを庇う。不機嫌な風をやり過ごしてヤジマは溜息をついた。

「すまなかった。あいつは元は俺の教え子なのだが、今となっては向こうの方が階級が上でな。それでも俺の顔を立ててくれているが、たまにああなる」

「いや。俺もあまり空気を読むのは得意じゃないから」

「だろうな」

 ヤジマは大きな口を開けて豪快に笑う。思ってもいないところで笑い出した老人にケイゴは戸惑いを見せ、そんな彼に優しく語り掛けた。

「だが、奴の気持ちも汲んでやってほしい。俺たちの目的は大切なものを守る事だ。日本と言う国、所属する部隊、家族や友人、自分の命。どれも大切だ。貴様は軍人ではないが、どんな場所で何と戦う人間か、それを問わず共通する心構えだと思う。そうでなければ、利己的な目的のために悪戯な暴力を働く輩になってしまうからな」

「力を使う目的をはっきりと見極めろ、ということですか」

「そうだ。理解が早いな」

 微笑みながら頷く。しかし、その言葉の難解さにケイゴは首を捻っていた。そんな少年を諭すように老兵は語った。

「貴様と出会ってから今日で二日。たかだかそれだけの時間で貴様の事を理解したとは到底思えない。過去に何があって、どうして自分の命に対して興味を失ったのか、俺にはわからん。だが、少なくともこれだけは知ってほしい。お前が他者に対してどうであれ、誰もがということを。わからないお前を、理解しようとあがく人間が居る事をな」

 年老いた軍曹の双眸には、厳しさと思いやりが同居する不思議な力強さがある。そんな彼の思いがけない言葉に、ケイゴの瞳が揺れた。

「……?」

 そんなことをして何になる? どうせ誰も俺の事なんか理解なんてできないし、意味が無い事だ。

(だって、俺は……)

 言葉にできない思いが胸の奥で燻っている。動揺した瞳は、砂塵の舞う先でR-39の巨体が地下に沈んでいくのを見つけて、何故だか目が離せなかった。


 ☆☆☆☆☆

 

 オペレーションルームの顔ぶれは昨日とほとんど変わらない。

 職員たちは昨日の戦闘による機器の異常を徹底的に検証している。彼等は昨夜宿舎で睡眠をとったものの、戦闘の興奮ややり残した業務が頭から離れず殆んどの人員がやや寝不足となっている。唯一、マイペースな性格をしている防御担当だけは夜ぐっすりと深い眠りにつき、遅刻ギリギリになって出勤してきた。幼馴染である攻撃担当は緊急時にのんびりしている彼に不満であったが、勤務中は私語を慎むため視線を投げかけるだけに留める。そんな彼女の視線を気にもせず、今日も丸い顔を欠伸で歪めながらいつも通り作業を進めていた。

 タチバナとカツムラは、モニターを通して訓練の様子を見学していた。ケイゴが見せつける期待以上の能力にカツムラは口角を釣り上げる。

「イシガミ少尉相手にここまで差を見せつけるとは、やはり優れた操縦技術を持っているようです。リン達と同じく感覚を掴めているのでしょうか」

「そうですね。……喜ばしい限りです」

「へっ。そう言う割には、顔色が悪いぜ」

 そう指摘するのはタツローだ。彼は両腕を背中回しに、胴体をロープでぐるぐる巻きに拘束されて、冷たい床にお尻を冷やされながらも態度は大胆不敵である。

 彼の指摘通り、タチバナの言葉とは裏腹に声色は暗い。だが、それが事実であったとしても、会話に水を差されたカツムラは表情を険しくした。

「部外者は黙っていてもらおう」

「ナニィ~! お前こそ引っ込んでろよ、俺はそこのネェチャンに話しかけてんだ」

「下品な呼び方をするな」

「やめてください!」

 タチバナの仲裁により、二人は言い争いを止めた。

 進歩の無い二人に女性司令官はため息を吐く。このようなやり取りは今朝から繰り返し行われていた。


 事の発端は早朝、訓練開始直前。

 ほとんど寝付けなかったタチバナが廊下で遭遇したのは、懲りずに今日も研究所に潜入してきた瀬川タツローだった。昨日の混乱があったとはいえ、高校生に二度も突破されては警備に問題があるのは間違いない。

 彼は司令官を見つけると、肩下げの鞄を騒々しく揺らしながら猛進した。

「ケイゴは何処だ!」

「暴力は行けません!」

 詰め寄る侵入者に対し、とりあえず投げ飛ばして、腕をキメ、暴れないと約束させてからオペレーションルームに通した。

 ……という経緯を、オペレーションルームで待機していたカツムラに話す。

「嘘だ。ビンタもされた」

 そんな事は大した問題では無い。二人は左頬が赤い侵入者の異議を無視した。

「部外者ですよ。機密も多いこの部屋に入れるなんて」

「私が同行を依頼したのです。少し、お聞きしたいことがあって」

「コイツに……?」

 眼鏡に手をあててズレを直し、ゴミを見るような目で見下す。タツローは鼻息を荒くして憤慨したが、この時はぐっとこらえてそっぽを向いた。


「……で。結局、何を聞きたいんだよ」

 訓練が中断されたタイミングを見計らってタツローが口を開いた。彼を拘束していたロープは待機中の砲撃手が解いてくれている。その件はタチバナが許可したが、カツムラは最後まで反対していた。

「志村ケイゴ君についてです」

「やっぱりな。そんなこったろうと思ったぜ」

 言いながら、タツローは空いている椅子を見つけて勝手に座った。たまたま立ち上がっていただけの観測士は、席を取られたことに気が付いてあたふたしている。

「残念だったな。親友ダチの事をべらべら喋っちまうほど俺の口は軽くねえ。ましてやひき逃げ未遂や拉致なんかをする連中に、教えてやる事なんざ何もないね!」

 質問したのはタチバナだが、それを突っぱねる理由を述べる先は明らかにカツムラを向いている。そんな彼に対してカツムラは大きく頷いた。

「なるほど。ならば、もうお前に用はないな。即刻退場願おう」

 カツムラが指を鳴らすと、出入り口から屈強な兵士が二人駆けつけて、タツローの両脇を抱えた。

「あっ、汚ぇぞ!」

 じたばたと激しく抵抗するが、兵士二人は鉄仮面のように表情を崩さない。

「暴れない約束だったな。約束を破るのか?」

「うっ」

 実直な男はその性格故に己の行動に筋を通せず固まった。その隙に彼を連れ出そうと兵士たちは歩みを進めると、抵抗しないタツローの足が床を引き摺る。

 そんな彼にタチバナは言った。

使と言ったんです」

 ザッ……。引き摺られていたタツローの動きが止まる。兵士たちは力を緩めておらず、むしろ力を強めているのにビクともしない。

「私には、何のことだかわからなかった。時間を持て余していた? それとも才能の使い道? それとも、

 ばっ! タツローは兵士二人を瞬時に振りほどいてタチバナを振り返った。小さく開いた口元は声を出せずに歪んでいて、怯えるように目を見開いている。何か言おうと口を開けて、結局何も言えずにまた閉じた。振りほどかれた兵士たちは再び彼を捕まえようとしたが、カツムラによって制止される。

「貴方には、この言葉の真意がわかりますか」

「あ、アイツはっ」

 気の強いタツローの声が緊張に震えている。動揺のあまり目を泳がせながら、それでも親友の事を語り始める。

「まだ子供ガキの頃に家族を失った。洪水で両親が死んで、自分だけが生き残ったんだ」

 志村ケイゴは天涯孤独、その情報はタチバナ達も掴んでいた。家族の死因が水難事故であることも。

「俺は、そのずっと前から仲良かったんだ。けど、学校で再会した時、アイツ幽霊みたいな顔してて。それまでは自分から人に話しかけたり、人の事気に掛けるタイプだったんだけど、それからは放っておいたらずっと一人でいる。多分、アイツは……」

 言葉には力が宿る。冗談のつもりの軽い言葉でさえ、繰り返し口にすることで時に現実になりえる。否定したい感情を口にすると、いつしかそれが本当の事だと信じてしまいそうで。タツローはこの話をするのが本当に怖い。だが、もう止まれなかった。

「自分が生きていることを信じていない。ずっと自分の死に場所を探しているんだ! ……だから……俺は……」

 親友の口から放たれた志村ケイゴの秘密が皆の声を奪う。機器の電子音だけが、乾いた静寂の中で存在を主張した。

 自分が生きていることが信じられない、そんなことがあり得るのか。だが、彼の言葉をタチバナは疑えなかった。

 と言う言葉が彼の口癖だった。いつだって、何を言われても自分の事を客観的、或いは他人事の様に捉えていた。危険な目に合うと知っていても、自分は既に死んでいると思っているから関係ない。リスクを度外視するなら何に対しても迷うことはない。

「彼は生き残った。だが、既に心は死んでいる。だから強い」

 たどり着いた結論を口にしたのは、カツムラだった。いつも通りの険しい顔、しかし頬を伝う冷や汗が彼の心情を物語っている。

「そんな……」

 タチバナは顔を青くして思考を巡らせる。ある意味で、志村ケイゴが翠の巨人エメーラのパイロットとして選ばれたことはこの上ない正解だ。学生の身分でありながら金銭にも学業にも頓着が無く、軍事力として扱われることに不満一つ無い。翠の巨人エメーラの機体性能を見ても、他二機の特機と比較して攻撃力に劣り、囮や壁としての役割を期待されるパイロットとして死を恐れない性格はこれ以上ない適性である。しかし……。

 タツローは肩を震わせて、涙声になりながらも懸命に訴えた。

「俺は、ただアイツが親友ダチだから心配してるんじゃねえ。アイツだから心配してるんだ。誰よりも強いアイツだから……」

 熱い雫が一粒、彼の頬を伝っていった。現れる度に嵐のように人を巻き込んで騒ぎ立てる少年が、これほど心を痛めている。

 タチバナは呆然とした。近しい者を失った体験が、死に近づくほど人を追い詰め、人格にさえ影響を与える。その現象に心当たりがあった。

 遠い記憶を呼び覚ます。代わりに、呼吸の仕方を忘れた。

「どうした?」

 異常に一番早く気付いたのはタツローだった。その視線の先がタチバナだったので、カツムラもそちらを見る。

 項垂れる少女は長い髪で表情が隠れている。両手で頭を抱え、指先の強い力に髪が巻き込まれる。

「司令!」

 副官が呼びかける声は届いていない。彼女の鼓膜にこべりついているのはだけだ。

 前髪が作り出した影が世界から自分だけを隔離する。瞳孔を開いた水晶体が映すのは、沈んでいく船を呆然と眺めていた古い記憶。

『お父さん! お父さん!』

 大雨の降る海で鏡界獣が暴れている。船は沈み、高波を放って何者も近づくことを許さない。ぎょろりと目が動いて、鏡界獣がこちらに気が付いた! 伸ばした腕が視界を黒く染める。そして、大雨の降る海で鏡界獣が暴れている。船は沈み、高波を放って何者も近づくことを許さない。ぎょろりと目が動いて、鏡界獣がこちらに気が付いた! 伸ばした腕が視界を黒く染める。そして、大雨の降る海で鏡界獣が暴れている。船は沈み、高波を放って


!」

 誰かが力強く抱きしめて、沈んでいく身体を支えた。

 揺れた髪の間から眩い光が差し込んで網膜を焼く。その光が苦痛で表情を歪め、逃れるために目を細めた。

「大丈夫か?」

 彼は身体を離してコミュニケーションを取ろうとしていた。しかし、力が入らずぐったりと脱力して再び助けられる。

強くならなくてはツヨクナラナクテハ

 震える唇が僅かに動いて掠れた空気が音を鳴らす。人の口から洩れたその音は、言葉によく似た悲鳴だった。


 ☆☆☆☆☆


 太陽の光は力強く、照明を消していても部屋は十分明るい。

 連日の疲労が身体を重くした。微睡の中でタチバナは目を開くことを無意識に拒否し、ずっと眠っていたいと思う。しかし、思いと裏腹に意識は確かに覚醒へと近づいていく。

 コツ、コツと靴が地面を蹴る音が遠ざかる。どこで眠っているのかとぼんやりと考え始める中で、まだ近くに誰かの気配がすることに気が付いた。

「……これって、やっぱ俺が悪いのかな」

「さあ」

「さあってお前、フォローとかねえのかよ」

「急に抱きしめたらしいな。もう弁解は無理だろ」

「ば、馬鹿、そっちの話じゃねえっつの!」

 覚えのある声に目を開く。滲んだ視界が少しずつはっきりとして、白い天井とベッドの淵の手すりが目に入った。二人の少年がこちらに背を向けて何事か話し合っている。片方は黒髪の学生服の少年、もう片方はパイロットスーツに身を包んだ茶髪の少年だ。

「医務室……」

 彼女の呟きに二人がこちらを見た。薄く微笑むケイゴに対し、タツローは喜びを爆発させている。

「た、タチバナっ! よかった、大丈夫か?」

 彼の慌てようを見て急速に意識が覚醒していく。そして、こんなことをしている場合では無かったことを思い出し、ハッと目を見開いた。

「ごめんなさい、私気絶を」

 急いで体を起こそうとするが、眩暈に身体が揺れる。タツローが素早く肩を抱いた。

「あぶねっ! 無理すんなよな。医者が安静にしとけば問題ないって言ってたぜ」

「いえ。お礼は言わせていただきますが、やることはたくさんありますので」

 そう言って、タチバナが強引に腕を押しのけようとするのでタツローは困惑した。

「いやいや、無理だろうが。ちょっと休んでいけよ」

「そうもいきません。来るべき鏡界獣の襲来に向けて、備えることがたくさんあります」

「だったら尚更休まないとダメだって」

「いいえ。行きます。そうしなければならないので」

「いや無茶言うな……ぐおっ」

 頑なに休息を拒否するタチバナを必死に押しとどめようとするタツローだったが、彼女の圧に負けて少しずつベッドから押し出されそうになっている。

「どうしてだ?」

 押し合いの外から疑問を投げかけたのはケイゴだった。タチバナは予期せぬ問いかけに目に見えて怯んだ。

「何故って、それは私が司令官だから。こんなところで寝込んでいる暇があったらこなすべきタスクは山積みだし、みんなに示しがつかないし」

 語る言葉は尻つぼみになり、言い訳のような心地になっていく。紡ぐ言葉は正しいはずなのに、どうして後ろめたさがあるんだろう。でも、間違っていないはずだ。こんなに若い身分で司令官に上り詰めることができたのだから、努力を無駄にしないためにも、支えてくれる人の為にも、私は人一倍努力しなくてはならない。心の中で呟く言葉は、自分に対する暗示でもあった。

 ところが、ケイゴは納得のいかない表情で続く言葉を待っている。その視線から逃れたい一心でタチバナは更に言葉を吐き出していく。

「……鏡の出現があったら対応しないといけないし、急に倒れたことを皆さんに謝らないといけないし、あとあの、仕事中だし、若い女性だから甘やかされてるって思われたくないし」

 ケイゴの目は変わらずタチバナを捉えていて、彼女を追い詰める。忖度の無い瞳が自分を映すと鏡みたいに自分を直視しているようで、思わず目を逸らしてしまいたくなる。けれど、逃げることもできなくて。

 言い訳が尽きた時、ついに口を滑らせた。

「お父さんが……遺したものを、誰かにとられたくなくて」

父親オヤジの形見?」

 唐突な発言に、タツローは眉をひそめた。

「この研究所がそうなのか」

 続くケイゴの言葉に頷く。カツムラから話を聞いていたが、やはり勘が良いと、タチバナは思った。

「富士砕力研究所の前任の防衛司令官は私の父、立花遼平。彼は1年前、港に戻る船の上で太平洋沖に出現した鏡界獣と海上で遭遇して死にました。その時に私も巻き込まれていたんですが、父によって先に逃がされて生き残ったのです」

 凄惨な過去を聞いて、タツローは愕然とした。何か慰めの言葉を言おうと口をパクパクと動かしているが、肝心の言葉は一向に出てこない。そうしている間に、何かを考えていたケイゴが口を開いた。

「気になっていたんだが、アンタ何歳いくつだ? 俺と大差ないよな。数百年前の大名じゃあるまいし、父親が前任だったからって理由だけで、未成年が司令官を引き継げる訳じゃないだろう」

「……今年で17になります」

同い年タメだったのかよ!?」

 タツローが驚きのあまり悲鳴のような声を上げた。

「じゃ、じゃあ、なんで軍人なんか」

「一昨年まで海外で過ごしていて、飛び級で大学を卒業後、日本に帰ってきて研究者として正規軍に入隊しました。元々専門は砕力の研究だったこともあって、この研究所に配属となり父とは一年だけ一緒に働きました。……亡くなった父の跡を継ぐために、利用できるものはなんでもしました。コネ、研究成果。それと、

「……まさか」

 ケイゴがアタリをつけて驚く。それに、タチバナは控えめに頷いた。

「私も星の啓示を得た者アストラルゲイナーです」

「なにそれ?」

「なるほどな」

 疑問符を浮かべているタツローを放っておいて、ケイゴは深く頷く。

「アンタだったんだな。研究所の防衛兵器を発動するとき、誰かの気配を強く感じたんだ。それに、出力に問題のある砕力兵器にも関わらず集中光撃砲アストラルビームだのムゲンミサイルだの、桁違いの威力の砕力兵器が使えるのは妙だとは思った。オペレーションルームで構えていることが、アンタの力を兵器に通す条件でもあるんだな」

「実際は、オペレーションルームである必要はないのですが。私がこの研究所に残る条件の提示として、上層部に司令官の座を要求したんです」

「なるほどな」

「い、いやいや。滅茶苦茶やってんぞ」

 で納得するケイゴに代わってタツローが一応の苦言を呈した。タツローは異常なテンポで進む話を必死に追っているが、ケイゴはそれに配慮するつもりは全く無いらしい。

「そうまでして、父親の形見を守りたかったのか?」

 やはりブレずに会話をつづける親友に不満気なタツローであったが、話の邪魔をする気はなく不満は唇を尖らせるに留める。

 タチバナは少し俯いて、何と話すか慎重に考えた。今まで人に話す機会が無かったので、彼女なりに言葉を選んでいる。

「父とは、幼少期からあまり接点がありませんでした。兵器技術の発達や鏡の出現により緊張感の高まる世界情勢に振り回されて、彼はほとんど家を留守にしていたんです。私が小学校を卒業したころ。久しぶりに帰ってきたと思ったら、留学に行けと言われました。彼は私の頭脳と才能を高く評価してくれていました。外の世界を見て、より強くなりなさい。そういわれたことが嬉しくて、私は父の言う通りに海外へ旅立ちました」

 昔を懐かしむ彼女は、その表情を優しい物へと変えていく。父に対する敬愛の気持ちが伝わってくるようだった。

「仲は良かったのか?」

「……どうでしょう。彼はきっと私を愛してくれていたと思います。期待も……。けど、仲が良かったのかどうかはわかりません。それを量るには、時間があまりにも足りなかった」

「そっか。悪い、続けてくれ」

 話の腰を折った事を謝ると、タチバナは頷いて続きを話す。ここで、タツローはケイゴの態度にある違和感を覚えたが、それが何なのかをはっきりと思い当たらなかった。

「父の期待に応えるため、たくさん勉強しました。軍隊に入るつもりだったので格闘技やロボットの操縦も学んだり。先ほど話した通り飛び級制度も駆使して、本来の予定より遥かに早く日本に帰ってくることができました。父と一緒に居られた一年間はとても充実していて、上司と部下の関係ではありましたけれど、一緒に過ごす時間が増えて言葉を交わすことが当たり前のようにできるんです。まるで、過ぎ去ってしまった時間を取り戻すかのようでした。でも……」

 彼女は言い淀んで唇が動かなくなってしまった。隠すつもりもないし、既に一度伝えた事なのになぜだか言葉にならない。そんな自分が情けなくて焦っている彼女の代わりに、ケイゴは口を挟んだ。

「だが、お父さんは死んでしまった。鏡界獣の手によって。……ってとこか」

「お、おい。はっきり言うなよ」

 タチバナは唇をぎゅっと締めて頷く。タツローの指摘通り、ケイゴの無遠慮な態度は一見無礼に見えるかもしれない。だが、言葉を紡ぐのが辛い彼女の代わりに、一番辛い所を代弁する彼なりの優しさでもあった。

 事情を語り終えた事を察するとケイゴはしばし考えこんだ。それからふっと息を吐き出し、薄く笑う。

「意外だな。アンタは随分真面目そうで、ズルい事をするタイプには見えないのに。てっきり、上に無理やり押し付けられたから困ってるのかと思ってたよ」

 これにはタツローも頷いている。

「だって……」

 目を伏せ、言い訳をする子供のようにベッドの隅で身体を丸くした。畳んだ膝を抱えて口元を腕の中に隠してしまうと、問い詰められていじけてしまったようにも見える。

「この研究所が一番の思い出だから。施設のトップがお父さん以外なんて嫌だったし。違う人に任せるくらいなら私がやりたかったから」

「けど、大変だろう」

 ケイゴは責めるのではなく苦労を聞いた。彼女は頷いてそのまま顔を膝の中に隠してしまう。

「毎日やることがたくさんあります。でも、それはいい。耐えられないのは私のせいで誰かが傷つくこと。無理やり奪った椅子だからこそ責任が私にはある。だから私は、強くあらねばならない。……これは、父の望みでもあります」

 くぐもった声が彼女の真意を語っていた。相手を直視できないのは、責められるのが怖いから。はっきりと喋ることができないのは、聞き逃されても恥をかかなくて済むから。二人がどんな反応をするのか恐ろしい。笑われるだろうか。軽蔑されるだろうか。ひょっとしたら、周囲の人間に言いふらして、私の悪評を広めるかも。そう思うと、とても顔を上げる事ができなかった。

「そうか。話してくれてありがとう」

 ところが、彼の反応は彼女の予想とは大きく違っていて思わず顔を上げた。タチバナの過去を聞いても、彼の瞳は変わらず自分を見つめていた。ちなみに、タツローも何かに驚いてケイゴを凝視している。

「アンタは俺と少し似ているのかもな。だから、気にかけてくれていたのか?」

「そういうわけでは……いえ、そうかもしれません。でも、本質は利己的です。私と同じ、身内を失って尚強い貴方の秘密を知りたかった」

 後ろめたさからつい目を逸らす。ベッドのシーツを掴む手が無意識に強まってしわを寄せた。そんな彼女に怯える必要はないと、ケイゴは首を横に振るい、それから自嘲的な笑みを浮かべる。

「強くなんかないさ。もしそう見えるなら、俺は死ぬことを恐れていないだけ」

 タツローが奥歯を噛み締めている。彼は自分を顧みない。分かっている事だったが、本人がそれを肯定している事実が何より歯痒かった。

「けどな、司令官。俺にはアンタの方が俺よか強く見えるよ」

「私が?」

「アンタには怖いものがたくさんがある。それは、一つ一つの物事の大切さを正しく認識できるからだ。人の視線が気になるのは、周囲の人間を気にしてやれるからだ。椅子に座るために取った手段は強引だが、そのための責務を全うする覚悟があって、皆が付いてきてる。人の上に立つ器があるってことさ。……少なくとも、俺よりは、な」

 そう語る彼は今までと少し違う表情をしていた。それは、自嘲を混ぜながらも好きなものを語る照れの混じった笑顔だった。

「あったりまえだろ! お前なんかにエラソーにされてたまるかよ」

 隣でタツローが声を上げた。語彙の強さの割に口調には笑みが含まれている。そんなタツローの反応を見て、タチバナはケイゴが冗談の類の事を言った事にようやく気が付いた。どこまでも本心で固められた彼なりの笑い話は、きっと自分の事を励まそうとしてくれている。

「ふふ。志村君、ありがとう」

 口元を抑えて笑う。それを見て、男子高校生二人はお互いの顔を見やった。ケイゴが得意げに顎をそると、タツローは不満げに唇を尖らせた。

「タツロー君も。倒れた時、助けてくれたのは貴方ですよね」

 後ろめたい思いのあるタツローの肩が跳ねた。それから、明後日の方を見る。

「えっ、あーいや、気のせいじゃね?」

 何故だか彼はシラを切るので、タチバナはその理由がわからずポカンとしていた。そんな二人にケイゴは思わず吹き出してしまい、タツローは顔を上気させた。

「笑ってんじゃねえ、ケイゴォ!」

「素直に言えばいいだろ」

「言えるか!」

「どうしたんですか。志村君、何かご存じですか?」

「あ、いやなんでもねぇ。……だろ!? ケイゴ!」

「フッ。……、な」

 唐突に訪れた和やかな時間。少しの間、緊張を忘れて三人は笑いあった。過去と立場を背負って必死に生きる司令官にとって、友人と笑いあうなど何時以来の安らぎであろうか。少なくとも、父を失い居場所を守ることに必死だったこの一年は、本気で笑うことなどなかった。

 しかし、和やかな時間はそう長く続かない。不吉な予感を感じ取ったケイゴとタチバナが同時に表情を強張らせる。そして、二人は同じ方向、南の窓の外を見ていた。

「どうしたんだよ」

 困惑しているタツローに応える間もなく、その音が鳴り響く!


 ヴーッ! ヴーッ!


「「!」」

 二人の声が重なった。ケイゴとタチバナは互いに頷きあい、ベッドから降りて走り出す!

「お、おい。何が」

 困惑しきりのタツローが二人を交互に見る。

「鏡界獣が出ます」

 靴を履くタチバナが答えた。先を行くケイゴは振り返らずに部屋を出て行き、タツローは慌ててその背を追う。廊下に出ると、戻ってきた常駐医が廊下の端で道を開けていて、その先をケイゴが走っている。たちまち遠ざかっていく親友ダチに向かって、何と言うか迷う間もなく大きく息を吸って喉を震わせた。

「ケイゴォ!」

 意外にもケイゴは足を止めた。内心、彼が立ち止まるとは思っていなかったが、タツローはその驚きを意地で表情に出さなかった。緊張のあまりつい目つきが悪くなる。

 言葉には力が宿る。だから、声にすればきっと現実になる。……そうなってほしいと、願う。

「もう行くなとは言わねえ。だが、帰って来いよ。もし死んだら、ぶっ殺すぜ!」

 勢いのまま滑り出した言葉の羅列は罵倒にも聞こえる酷い語彙だったが、彼の心情を現すには最適だ。ようやく言いたいことが口から出て、彼は笑顔を浮かべた。ケイゴに向かって右の拳を突き出し、意思を見せろと言わんばかりに返事を待つ。

 ケイゴは目を丸くした。言葉は返さなかったが、ゆっくり上げた右の拳を親友に突き出すと、強い意志を込めた瞳を細めて薄く笑って、すぐに振り返って走り出す。タツローはそれで満足だった。口数の少ない親友の事は自分が一番わかっている。二人の間に言葉はいらなかった。

 この場で出来ることはもう無いだろう。達成感を感じながらも、ふと自分の立場を思い出す。急に手持ち無沙汰になって居場所も失い、何かに必死になれるケイゴやタチバナが羨ましいと一人愚痴る。

「タツロー君!」

 ケイゴが去った反対側、オペレーションルームに向かう道の先でタチバナが呼びかけていた。振り返ると、遠くで手を振っている。

「行きますよ!」

「は? どこに?」

 何も答えずに走り去っていく彼女の金の髪は躍るように棚引いて、その横顔は悪戯っぽく笑っていた。タツローはぽかんと口を開けたまま、遠ざかる彼女を見送って、すぐにそんなことをしている場合ではないと気がついた。

 俺はここに何をしに来た? 決まってる、親友ダチを助けに来たんだ。戦いはまだ終わっていない。

「しょうがねえなあ!」

 照れ笑いをかみ殺して再び走り出す。スニーカーは床を踏みしめて、身体は風を切った!

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