招礼川
【招礼川】しょうれいがわ
兎々乃が川で拾ったシーグラスを見せびらかしてたけど、あの小島でさがしたに決まってる。登下校のときずっと足元を見て歩いてるんだから、あんなに青くてぴかぴか光るガラス見落とすわけない。あすこは神さまがいらっしゃるから絶対ひとりでいっちゃだめよ。先生やママから何度言われてたって、目立ってる兎々乃がうらやましかった。バレたらおこられそうだし、わたしは土曜日の、太陽がのぼる前に家を出る。橋をわたって小島へおりたら、ちゃんと石の家にお願いもした。思ったとおりで、水の近くでしゃがんだら赤や黄色や青の丸いガラスがたくさんちらばってる。わたしは大きなものをいくつかポケットにいれる。パパとママが起きる前に帰ってきたからバレてないみたいで、ふたりは朝ごはんを食べてすぐ出かけてしまった。
部屋でガラスを見てたらチャイムが鳴る。あけてえ。ママの声だった。お仕事が早く終わったのかもしれない。よばれたからあ。意味わかんないけど、わたしはスキップでむかえにいく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます