2023 年 10 月 12 日 ドルメン第 6 話と受験勉強の話

「ドルメン」休む、休むと喧伝していたのですが、章の全体を見たらめちゃくちゃ長くて、「ここでサボってしまうと後が苦しいぞ」と思い、先週半分やったところの残り半分を訳すことにしました。なんだか受験勉強の様相を呈してきました。


 * * *


 その晩、アルタフィはなかなか寝付けなかった。子供の頃優しかった父が突然出ていった、という記憶が蘇っていろいろと考え込んでしまったからだった。父の出奔はアルタフィの心の傷となり、彼女の男性関係に影を落とした。男性不信で関係が続かないのだ。アルタフィは思う。

「フロイトが私の精神分析をしたら、典型的なオイディプス コンプレックスを発見できてさぞかし楽しいだろう。私が十八歳のときに起きたことでさえこうなのだから、子供時代に起きていたら私は満月の晩に吠えていることだろう(注 1)」

 アルタフィは父の行方を探したことがある。父が親しくしていた同僚に連絡したのだが、彼も父の行方を知らなかった。当時建設会社に努めていた父は、ある日出社すると「会社を辞める」と告げたそうだ。誰にも別れを告げずに去ったのだと言う。同僚は父に連絡しようとしたが、既に携帯の番号が変わっていたらしい。その父が、母の家に寄ると言う。おかしなことだ。


 月曜日になり、マヌエル カラスコの監督の下、ドルメンの濠の発掘が始まった。アルタフィの下には最終学年の二人の生徒が付き、博士課程にいるロベルト サウサの下には三人、そして別の二人の生徒がアシスタントになる。チームは最初にドルメンの濠について調べる。濠は巨大で一キロ以上にわたって続き、幅と深さは七メートルにもなる。堆積している各層を順に調べていき、その目的や役割、どのような組織によって作られたのかを推察する予定だ。カラスコの指示を聞きながら、アルタフィはドルメンを振り返った。何か叫びが聞こえた気がしたからだ。遠く古代の遺物が呼ぶ声が――。


 * * *


(注 1)子供時代に起きていたら私は満月の晩に吠えていることだろう

 要は適度な大人になっていてもショックだったのだから、子供のときに突然父が去ったりしていたら、もっと酷いトラウマになっていただろうってことですよね。

 ちょっとよくわからない例だな、と思ったんですが、男女を逆にしてみるとなんとなくしっくりする気もしました。母親に突然去られた息子だったら月夜に叫びそうな気がします。



 上記で「受験勉強の様相を呈してきた」などとエラそうに言ってみたのですが、実はワタクシ受験勉強なるものをしたことがありません (^^;)> 何をしてよいのか分からなかったんですよね……。親は放任主義だったので、塾に行けとかも言われませんでした。当たり前ですが、大学は落ちて専門学校に行きました。社会人をやってから大学に入ったのですが、それも面接だけでなんとか入れてもらったという体たらく。今、学生の皆さんはきちんと勉強しておきましょうね……。


 習慣化の皆さんは、お休みということでのんびりお過ごしください。


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