第15話 大隊長になった。
昨日の夜は・・・幸せだったなと寝るのが遅かったが早く起きてしまって、隣を見るとサキがまだ寝ていたので起こさないようにそっと抱きしめる。
「えっと・・・おはよ。まだ夜の続きしたかった?」
「え?そんなつもりは無いけど。可愛かったから抱きしめたいと思って・・・」
「まだ朝には時間が早いからライトが、したいなら良いよ?」
今日は、朝から幸せな時間が出来てしまった。
サキが朝食を作り始めてミリアが起きてきて
「サキ姉、随分とご機嫌だけど何か良い事あったの?」
「うん。昨日・・・ライトからネックレスをプレゼントされたからだよ。ミリアも嬉しそうに見えるけど?」
「あ、そっか。嬉しいよね。わたしも嬉しそうに見える?」
「うん。見えるけど・・・違ったの?」
「あはは・・。嬉しいに決まってるよ。」
凄いな。サキの話術。と言うか妹を丸め込む力というのか・・・。
昼頃になりまた兵士が呼びに来た。
「参謀本部から呼び出しで、すぐに本部まで起こしください。」
何だろ?いつもなら出撃命令なんだけど・・・
呼び出しか、何かバレたか?
サキとミリアに呼び出しの事を話して出かける
まったく、幸せの時間を毎回、奪ってくれるよな。
本部へ直行して話を聞く。
「休暇の所、申し訳ない。驚かないで聞いて欲しいんだが、昨日の朝、エンジェル帝国の、上空を飛行する物が現れたんだ、物が空を飛んでいたんだよ。それに鉄の塊の様な物も、地上に多く隊列を組んで、移動をしていたのを多数の目撃者が出ている。ライト隊長の意見を聞きたい。」
「はい。話だけでは何とも言えませんが・・・帝国内での戦闘が激化するか・・・他国に向けての戦争かだと思います。」
「そうか・・・どちらだと思う?」
「私は、他国に侵攻の方だと思います。帝国が隠し持っていた兵器を出してきたので、近いうちに何処かの国へ攻撃が始まると思います。」
「どうして、兵器だと分かるんだ?」
「前回の幹部の襲撃の件で、情報を収集していて、何の事だか分かりませんでしたが、今の話を聞いて理解できたような気がします。」
「そうだったか・・・」
「不確定な情報でしたので黙っていました。」
「それは良い。何とか対処出来そうか?」
「どのくらいの戦力の規模かに寄りますが・・・」
「参謀本部から各隊へ指令を出して飛べる者、魔法が優れている者を集め、今の殲滅特殊部隊と統合して大隊を編成する。その大隊を任せる。」
「了解しました。」
「話は以上だ。下がって良いぞ」
「失礼します」
隊舎に行くと荷物を運び出されていた。
「何だ?どうしたんだ?」
ミルシャが慌ててやって来た。
「えっと・・・大隊を編成して隊長が大隊の隊長になると・・・」
「ああ、それは聞いてきたけど、何で部屋を追い出されてるんだ?」
「大隊になるのでココだと狭いので引っ越しです。」
「そうなのか・・・気に入ってたのにな。」
「はい。」
クーラントがやって来た
「大隊長、中隊長達が集まっています。ご挨拶をしたいと言っておられます。」
会いに行くと2人の女性と1人の男性が待っていた。
背の低いヤンチャそうな女の子が
「私はサシャだ、宜しくな」
優しそうなお姉さんぽい女性が
「リリアです。よろしくお願いします」
真面目そうな男性が
「マークです。宜しくお願いします。」
サシャが不満そうに
「私は、お前の実力を知らない。上官だと認めてはいないからな。ふん。」
「失礼ですよ。上層部の命令ですよ。貴方が認めていなかろうが指示に従わないと厳罰です。」
「そんな事は分かってる。聞けば入ったばっかりで昇格して来たみたいだしな。」
クーラントが慌てて止めに入る
「中隊長、お止めください!大隊長を怒らせないでくださいよ。特に奥さんの事には触れないでください。」
と、必死で止めて青ざめている。
ん?なんで必死なんだアイツ
それで、余計な事を言っているけど・・・
「良い事を聞いたぞ。お前の嫁をどうにかすれば本気で戦ってくれるのか?」
ヤバいと思ったクーラントが飛んで逃げていった。
「何だと?嫁を襲う気なのか?」
戦闘系スキルを全て自動でオンになった。
周り全てを威圧して恐怖を与える様にオーラが溢れ出て中隊長達を襲って3人共恐怖で動けなくなり座り込んでいる。
「何だ?座っていたら戦闘訓練が出来ないぞ?」
「・・・すみ・・ません。」
「戦う前から降伏か?」
「・・・はい・・。」
威圧スキルを解除して
「これで戦えるんじゃないか?」
「少しだけ相手をしてもらえれば・・・」
サシャが構えると他の二人は避難する
サシャが魔法を連発してきたのを全てを魔法吸収で吸収して無効化した。
「では、こちらの番だな。バリアくらい使えるんだよな?バリアが無いと初級魔法だが死ぬぞ。」
言われた通りバリアを張るサシャ
魔法陣を複数上空に現れ初級魔法に多重スキルも追加してを連発で撃ち込み3分で止めた。
「まだ行きてるか?」
「・・・」
治癒魔法で回復させる
「続きをやるか?次は・・・剣術でどうだ?」
目を潤ませて
「すみません・・・ごめんなさい・・・。強さの次元が違いを思い知らされました。貴方に付いていきます。」
「なんだ?戦闘狂じゃないのか?楽しめると思ったんだが・・・」
「戦闘狂では無いです。私が従うのに値するか見てみたかっただけです。完璧ですっ」
他の中隊長も呆然と見ているだけだった。
マークは、少しは良い所を見せようと、途中で助けに入ろうとしていたが、圧倒的な魔法の攻撃で立ち竦んで動けなかった。
リリアは、自業自得で仕方ないよね。
自分でケンカを売ったんだからね・・・
ただ見ていたが圧倒的な魔法を見てこの人には逆らってはダメだと心の底から思った。
ライトが集合の合図を送ると
3人が瞬時に集合した。
「よし。お前達は空は問題なく飛べるんだよな?」
3人「はい。」
「魔法の方は大丈夫か?」
3人「・・・」
「もしかして自信がないのか?それとも使えないわけはないよな?」
リリアが俯きながら
「大隊長の魔法を見てしまっては・・・自信を無くしました。」
サシャも
「わたしも・・・です」
「俺も自信は、あったんだけどな・・・」
「じゃあ、一人ずつ俺に全力で魔法を撃ってみろ」
サシャが心配そうな顔で
「え!?それは出来ません!」
「私も出来ません。」
「気にするな。魔法がどれくらい使えるか見るだけだ。」
マークは魔法を放つ準備をしている
「良いぞいつでも」
「ケガをしても文句は言わないでくださいよ」
と言い中級魔法を放ってきた訓練場で放つような魔法ではない、下手すると訓練場が吹っ飛ぶ程の威力がある魔法だが、魔法吸収で無効化した。
「まあ、上出来じゃないか。」
「は?一瞬で魔法が掻き消された・・・」
「他の二人も同じ程度か?」
二人「はい。」
「詳しくはクーラントかミルシャに聞いてくれ、俺は休暇中なんでな。」
サシャが寂しそうな表情で
「え?もう帰っちゃうんですか?」
「ああ、休みなんだぞ?」
「分かりました。じゃあ、次は明日会えるのかな?」
「1週間後だな。」
「えぇ・・・そんなに会えないの?」
「お前は俺の彼女か?」
「・・・違います。」
なんだかサシャに懐かれたのか?
帰宅して部屋で着替えてると当たり前の様にミリアが入ってきた
「お疲れ様ライト。」
「ただいま。」
「休みなのに大変だね。」
と言ってベッドに座る
・・・昨日の夜の光景が浮かんできてドキドキしてしまう。
早く着替えてリビングに向かう
夕食を食べてリビングで話をして過ごしてた。
ライトはソワソワしながら部屋に戻り、魔法の本を読んで時間を気にしながら読んでいるので頭に入ってこない。
そっとドアを開けてサキの部屋の様子を伺ってるとドアが開いて
「まだ、ミリアが起きてるよ。」
「え?」
「え?違うの?」
「あ、そうなんだけど。バレてたのか?」
「あれだけソワソワしてたら何かあるのかなって思うよ」
「そっか。恥ずかしいな」
「せっかくだから、入っても良いよ」
ライトがサキの部屋に入る
「サキの部屋に入るのも初めてだな」
サキの部屋はキレイに片付いていて女の子らしいかわいい部屋だった。
サキの匂いでいい香りだ・・・ミリアの言っていることが理解できた。
俺もサキが仕事か買い物で出掛けて寂しくなったらサキのベッドで横になって待っているかもな。
「そうだよね・・・わたし、相手にされてないからさぁ・・」
「いや、大切にしてただけだぞ」
「冗談だよ。大切にされてたのは知ってるよ。」
サキがベッドに座ると隣を叩いて座ってと合図をする
「やっとライトが私を構ってくれる時が来たんだね。」
「まだミリアが起きてるんだろ?」
「そろそろ寝ると思うよ。」
ベッドに横になるとサキの良い匂いがしてきた。
サキも横になるとライトがサキの頬を触ると
「静かになら大丈夫かも・・・ね?」
とサキに言われて幸せの時間が始まった。
そして日課になってしまった朝早くからの幸せの時間。
それから休暇が取り消され不機嫌なライト。
新しくなった隊長室大きさは変わらないし家具の配置も変わらないので、まあ良いか。
会議室が大きくなったのと隊員室がお大きくなったのと、中隊長室も5部屋がある。
ミルシャがきて
「休暇が取り消されて大変でしたね。」
「ホントだよ。今度はエンジェル帝国か・・・」
クーラントが来て
「大隊が訓練場に揃っています。」
訓練場に出ると随分と人数が増えてるな・・・
皆、使えるのか?
前世で聞いたことがる言葉が浮かんできた・・・
合っているか分からないが。
” 恐ろしいのは強敵より無能の味方である ”
今のうちに把握しておいた方が良いだろ。
「今日は訓練をしようと思っていたが、変更する、これだけ人数が増えて使えない奴が混じっていては作戦に支障が出てくる。なので、選別を行う。元、俺の部下と中隊長を除く者の選別だ。内容は飛行テスト、魔法のテスト、バリアのテストだ。」
・・・・
選別作業が終わり、脱落者はゼロだが不安な者も居たが、訓練をしていけば問題ないだろう。
「お前らは、凄いな。超優秀なエリートの中のエリートと言えるな。これから軍事力最強と言われている、エンジェル帝国と戦をする事になるだろう。軍事力最強というが、お前らなら余裕で魔導士の小隊で中隊規模を殲滅出来るだろう。だが、相手は何を隠し持っているか分からない為に、明日からは能力の底上げの訓練をしてもらう。今日は帰ってゆっくりと休むようにな。解散。」
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