第13話 軍の幹部の殲滅。
翌朝、いつも通り隊長室に入ると朝から書類仕事を片付けているミルシャがいた。
「おはよう。」
「おはようございます。」
「そんな朝から仕事をしなくても良いのに。」
「大丈夫です。好きでやっているので。」
「今日はクーラントに訓練を任せるかな」
「私は?」
「書類仕事が忙しいんじゃないのか?」
「そうですけど、大丈夫なんですか?」
「お前に任せるけど、どうする?」
「そうですね・・・書類仕事が溜まっているので、書類仕事を片付けたいです。」
「わかった。後でクーラントに伝えておく」
「それで隊長は?」
「俺は昨日会ってた隊員と面談だな」
「そうですか。」
心配そうな表情をしている
「また、女性だと思っているんだったら、後でお茶でも持ってきてくれ。」
「え?良いんですか?」
「一応、10時から隣の会議室で行う」
「はい。」
時間が、まだあったのでソファーに寝転がると、いつも通り向かいに座るミルシャ。
「お前は書類仕事が溜まっているんじゃなかったのか?」
「それより隊長とのお話の時間が大切だと思いますし。1時間前に勤務してるので、少しくらい休憩をしても良いと思いますけど・・・」
「そうだったのか・・・それなら、休憩も必要だな。何か話でもあるのか?」
「えっとですね・・・隊長と一緒に、お出掛けとか買い物とかお食事をしてみたいんですけど・・・」
「えっと・・・それはデートってやつじゃないのか? 俺には妻が居てダメだろ。」
「隊長なら、もう一人くらい養えるのではないでしょうか?」
「・・・もう一人押しかけてきているんだ」
「え?!そんな・・・」
「そんなに落ち込むなよ。俺より良い人が、そのうちに出てくるだろ。この後に来る奴は独身だぞ?」
「他の人は、どうでもいいです。」
「最近、アピールが過剰過ぎないか?」
「すみません。」
「まだ、可愛いし若いのに勿体ないと思うぞ?」
「ゆっくりと考えてみます。」
「それと、そこに座るとパンツが見えるって言ってるだろ」
「え、あ・・今日は、お気に入りなので大丈夫です。」
「あ・・・そうなのか。」
「可愛くないですか?」
「そんなに、じっくりと見れるわけ無いだろ。」
「隊長になら・・・良いですけど。」
「はぁ、さっきの話を聞いてたのか?」
「うぅ・・頑張ってるのに・・。」
「わかったって。いつも通り可愛いと思うけどな。」
「ちゃんと見てくれましたか?」
「・・・もう勘弁してくれ。」
まぁ可愛くて一生懸命で良いんだけどさ。
サキもミリアもいるからな・・・
それより、この後の話し合いの方が重要だよな。
「勘弁してくれってヒドイです。」
「もう少し落ち着いたら考えるから、それまで待ってていられるか?」
「え?!待ちます。待っていられます。」
「じゃあ、この話はお終いな?」
「はい。仕事に戻ります。きゃーやったー」
「それじゃ俺は会議室にいるからな。」
「はい。」
隊長室を出て隣の会議室に移動してきた。
しばらくすると二人がやって来た。
二人「おはようございます。」
「おはよう。早速だけど始めるか」
「昨日の話ですがエアコンドルが怪しいと思うんだが」
「そうだよな。怪しいが何の情報もないから、そこからじゃないか?」
えっと・・・真実を明らかにするのは難しいよな・・。
真実を明らかにする必要もない気がするんだよな・・・
裁判とか罪を証明したい訳でもないし。
戦争になりかけてる状況を止めたいだけだからな。
この際、真実は置いといて。
どうやったら解決出来るか、防げるのかを考えた方が良いんじゃないかな?
どうやったら陰謀が終わるんだ?
首謀者を消していく?
関わってる重要な人物を消していく?
「この際、真実を調べていくより、どうやったら戦争を防げるのか、陰謀を阻止できるのかじゃないか?」
「そうだけどな、それをやるにしても調べないとだろ?」
「まあ、調べはするけどラジエントに居る、盗賊を出してくる幹部関係者だけ、分かれば問題ないと思う。例えば現時点で分かっている各王国の重要な人物を消したらどうなる?」
「指示をする者が居なくなれば混乱はするだろうな、それから新しい代役が用意されるんじゃないか?」
「その代役が用意されないようにするには?」
「難しいな・・・」
そうか?簡単だろ会社だったら役職付いてる奴を全員クビにしたら終わるだろ。
平社員だけ集まっても何も出来ないだろ。
纏め役、管理する者が居なくなれば?
「簡単じゃないか?軍に例えると小隊が小隊長、副長を失ったとしたら?纏め役や管理する者が居なくなれば、どうだろう?軍なら替えがいくらでもいるけどな。」
「そう考えると行けるかもな。」
「悪巧みしてる奴もだけど、王国自体も混乱するだろうな・・・」
「エアコンドルは、どうするんだ?」
「放っておいても、大丈夫じゃないか?」
「例えば隊長一人が居ても何か出来るか?」
「何も出来ないだろうな」
「悪巧みしてても、協力者が居なくなれば、お終いだな。」
話が一息ついた所でミルシャがお茶を持って入ってきた。
「誰だ?この可愛い子は」
「何でお前だけ可愛い子が周りに居るんだよ。」
「ありがとな。ミルシャ」
「いえ。何か有りましたらお呼びください。」
ミルシャがホッとした表情で出ていった。
「うちの隊にも可愛い子入ってこないかな・・」
「あの娘を紹介してくれよ」
「あぁ・・・多分ムリだと思うぞ。」
「何でだよ、独り占めか?」
「まあ聞いてみるよ。期待はするなよ。」
「ああ、ありがとうな」
「とりあえずは話は終わりにして。また、呼び出すな。」
「ああ、また考えるか。」
「いつでも、相談にのるぞ。紹介してくれよな。」
「紹介の件は期待はするなよ。」
二人が帰っていった。
隊長室に戻ってミルシャが笑顔でいた。
「あの二人のどちらかが気に入ったのか?」
「え?違いますよ。女性じゃなかったので安心したんですよ。」
「お前そんなんじゃ嫌われるぞ?全然信用されてないんだなって思うし。束縛が強過だぞ?」
「え?・・・困ります。」
「俺の方が困ってるんだが」
「え、あ、そうですね・・・気を付けますので許してください。忘れてくだい・・・うぅ・・。」
「まだ、付き合いもしていないんだぞ?」
「そうですけど・・・」
「もしだぞ?俺の嫁になって他の嫁と仲良く出来ないだろ?そんなんじゃ無理だろ。」
「うぅ・・そうですよね。」
「それと、明日から俺は忙しくなるからな」
「え?どちらに?」
「また疑ってるのか?」
「いえ。他の人に聞かれて何て答えれば良いですかね?」
「お前は頭が良いんだから、言い訳を考えていてくれな。偵察でも見回りでも良いんじゃないか?任せるぞ」
「はい。分かりました。」
翌日、早速ラジエント王国に会議室に、潜伏スキルに偵察系スキルで、会議室を盗聴してると早速、見つけたので会議室全体に結界を張り、人物だけを近くの森に転移させた。
中に居たのは23人で情報収集スキルで一人ずつ情報を聞き出す。
重要人物達の事だけを聞くと全員揃っていと全員の証言が一致した。
自国のファンベル王国の関係者も判明した12人の幹部の名前が出てきた。
一応エアコンドルの関係者の名前も聞いておいた。
さて、もう終わってしまったので結界内で爆炎魔法で跡形もなく焼き尽くした。
ミルシャには数日と言ったが今日中に終わりそうだな・・・
サキやミリアを安全な場所に避難させようかとか考えてたけど大丈夫そうかな。
自国のファンベル王国の、軍の会議室に偵察系スキルと探索スキルで12人を探し出すと、会議室に6人集まっていたので、他の人を巻き込まないように6人だけに結界魔法を掛けて、転移で森に集めて跡形なく燃やし尽くす。
他の6人も、悪巧みを企んでいるのか、ご熱心に会議中だった、室内には関係者だけだったので、部屋に結界を張って結界内に爆炎で焼き尽くした。
これを繰り返して作戦は終了だ。
隊長室に入るとミルシャが寂しそうな顔で書類を片付けていた。
「ただいま。」
「え・・あれ?・・おかえりなさい」
「早く片付いたんで顔を見に来たぞ」
「あはは・・冗談でも嬉しいですよ。あと、何日くらい掛かるんですか?」
「もう、終わったよ。盗賊も、しばらくすれば出なくなると思うぞ。」
「ホントですか?数日と聞いたので寂しかったですよ」
「盗賊の心配はないのか?」
「えっと・・どうでも良いです。出てくれば討伐するだけです。なので興味は、ありません。」
「それは、問題発言だな。」
「では、少しは心配はしてました。はい。」
「ん・・・それなら良いのか・・?良いか。」
「疲れたから少し横になってるな」
「では、私も休憩の時間ですね」
いつもの定位置に二人が座り、いつもの会話が繰り返される。
「そこに座ると・・」
言いかけたが面倒なので止めとく。
「今日も一応、可愛いのを履いてきてますので大丈夫です。」
「そうですか・・・可愛いんじゃないでしょうか。」
「もぅ。ちゃんと見てくれましたか?」
「今、ちょっと休むって言ったよな。」
「じゃあ、後でで良いですよ。仕事に戻ります。」
「そうしてくれ。」
ミルシャも気を使い静かにしてくれているので半分寝ていたら・・・
副長のクーラントがノックして入ってきた。
「隊長は?」
「えっと、盗賊の殲滅をしてきて疲れて今は、お休みになられています。」
「いや。起きたがどうした?」
まあ、予想はつくけどな。
「複数の軍の幹部が姿を消しました。目撃証言では敵の魔法だったとの事です。」
「そうか、何か命令は出ているのか?」
「いえ。今の所は何も有りません。一大事だと思いご報告を致しました。」
「ご苦労。それでハロルド小隊長の部下のリュークとデューイを、お前の部下に呼んできて欲しいと頼んでくれ。」
「了解です。」
クーラントが部屋から出て行き
「悪いなパンツは、また今度だな。」
「恥ずかしいので言わないでください」
「自分で言っておいて・・・」
「俺は会議室で二人を待ってるからな。悪いが部下を1人呼んで見張りを付けてくれ。重要な会議をするからな」
会議室で待ってると二人が、やって来た。
「お前、まさか一人で片付けたのか?」
「そんな事が出来る訳が無いだろ。」
「まあラジエントとココの重要人物達だけ片付けて来たけどな。」
「は?どうやってだよ。」
「この軍の殲滅特殊部隊の隊長だぞ。」
「・・・そうだったな。」
「・・忘れてた。」
「ココのお偉いさん達も消したから、しばらくは混乱が続くと思うぞ。一応エアコンドルの関連している幹部の名前も聞いておいたぞ。」
「そうか・・・俺達も一緒に戦うつもりだったのにな。」
「ああ、俺も戦うつもりだったがな・・・」
「お前達が戦ったら戦争になるだろ。勘弁してくれ。」
「そりゃそうだな。」
「戦争は御免だな」
「それとミルシャは興味がないって言ってたぞ。悪いな」
「そっか・・・残念だ。あんな可愛い子と付き合えたらな・・・」
「それと、この際うちの隊に来ないか?」
「俺達には、お前の隊に入っても何も出来ないだろ?」
「空も飛べないしな・・・」
「うちの隊に入って訓練すれば良いんじゃないか?」
「勘弁してくれ、お前の隊の訓練を見たが・・・過酷そうだったぞ。俺には無理だぞ。」
「俺も見たけど、ついて行けないな。」
「そうか?空くらい飛べるようにならないとな。」
「ああ、頑張ってみる」
「俺も練習をしてみる。」
「今日は、これくらいにして解散かな」
二人が帰ると、外で見張りをしていた部下に訓練に戻るようにと言って隊長室に入ってソファーに横になる。
「今日は、早く帰るか。」
「そうですね。お疲れのようですし。」
先に帰ることにしたが、上空を飛び見回りをして帰ると、煙の上がっている場所があった・・・しかも町中で。
近づくと明らかに盗賊が町を襲っていた20人程が確認できた。
町中なので、あまり派手な魔法攻撃は出来なそうだな・・・
剣を取り出して着地をして盗賊の太腿を狙って斬る、次の標的も太腿を斬る。
殺さない理由は、ちゃんとあるケガ人を抱えていれば盗品も大量に盗られる心配はなくなるし、追跡もラクになると思って、わざと足を狙ったのだ。
思惑通り盗賊が退却命令を出して退却をしていく。
偵察スキル系をオンにして、追跡をすると山道を通って洞窟へ、逃げ込んでいった。
俺も洞窟に入り、全員を結界で囲い動きを封じて情報収集スキルで情報を聞き出すことにした。
今回の命令は、いつされたのか?
誰に命令を、されたのか?
命令は1週間前で、ラジエント王国だったので問題はなしだ。
今まで通り結界内を爆炎で焼き尽くして終わりだ。
洞窟内を見て回りお宝もなく、食料が少し残っているくらいだったので転移で帰宅することにした。
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