第12話 ライトが仕事に行った後に゙。 ショートストーリー

夫のライトが仕事に行くと食器の片付けをしてから、たまにだが、夫の働いている職場の野外訓練場までミリアと一緒に外から見学をしに行くことがある。


「ねぇ。ライト兄見つけた?」


「うぅ〜ん・・・まだ、見つからないなぁ・・。」


「何で、ちゃんと予定を聞かないの?」


「軍事秘密とか、あるかもしれないでしょ?何か、聞きづらくて。」


「えぇ〜そんな事気にしてるの?軍事秘密だったら言わないしさぁ、ライトの予定が軍事秘密な分けないじゃん。」


「でもさ、ライト何かの隊長やってるって言ってたし、特殊な任務で秘密かもしれないでしょ?」


「あぁ〜そう言われれば、そうかもしれないね?なんだか格好良いね。うぅ・・・早く帰ってこないかな。」


「ねぇ、私の大切な大切な旦那さんなんですけど?」


「それだったら、私の超超大切なお兄様なんですけど?」


「なにそれ?早く自分の旦那さんを、見つければ良いじゃないの?」


「・・・ライト兄より良い旦那さんが居ると思うの?」


「えっと・・・居ないかな。」


「だったら探す意味ないよ。」


「え?言ってる意味が分からないんだけど。」


「え〜こんだけ言って分かってくれないの?」


「何となくだけど、分かる気がしてきた。」


ミリアが頬を赤く染めて俯きながら


「・・・えっと・・ライトの事が・・ね、好き・・なの・・・」


「まあ、気が付いてたけど。」


「え?そうなの?」


「普通さ男の人と手を繋いで帰ってこないし、膝枕をしないでしょ?好きでもない男の人が使ってるベッドでニコニコしながら寝ないよ。それに私に毎日会いに来る訳がないし・・・」


「え・・あ、その・・バレてたって事なのかな?」


「バレバレです。」


「ライト兄のお嫁さんになりたいんだけど・・・ダメかな?」


「ミリアは、まだ若いのに、これから良い人に出会えるかもしれないよ?」


「また、それを言っても答えは同じだよ。わたしは、ライト兄のお嫁さんが良いの。」


「・・・まぁ・・ミリアがそこまで言うなら私は良いけど。ライトには自分で言ってよ。」


「え?良いの?ホントに?やった。」


「それなら家事も手伝ってよね。」


「うん。勿論手伝うよ。でも、何で良いの?イヤじゃないの?」


「さっきも言ったけど・・・普通、手を繋いで帰ってこないでしょ。膝枕もそうだし。ライトもミリアの事は嫌いじゃないんじゃないかな。それに私は、ミリアの事だったら良く知ってるし気を使わなくて良いしね。それにもう一緒に住んでるでしょ。」


「そうだね。頑張って助けになるように手伝うよ。」


「これだけ探して見つからないんだから、今日は練習は他の所でやってるんじゃないかな。」


「そうかもね。わたしが、見るけられない、はずがないよ。」


「何その自信は・・・」


「わたしの好きだって思いの強さから来る自信だよ。」


「・・・そうなんだ。帰ろうか。」


「うん。帰ろう。」


 


家に帰ってくるとミリアはライトの部屋に走って入っていった。


「もぉ。何やってるの?」


目を潤ませているミリア


「・・だって。寂しいんだもん。」


「え?朝に会ったでしょ?朝食も一緒に食べたし。」


「そうだけど・・・ライトの匂いがして安心するの。」


「ねぇミリア・・・変態みたいだよ?お姉ちゃん少し恐いんだけど・・・。」


「・・・お姉ちゃんは寂しくなかったの?」


「あ・・そんな時期もあったかも・・・ゴメンね。わたしも同じような事してたかも・・・」


「え?サキ姉も?そっか、安心したよ。」


「でも、そこまでライトの部屋には、いなかったけどね。家事もあったし。ミリアも落ち着いたら洗濯を手伝ってよね。」


「はーい。」


 


ミリアの心も落ち着き洗濯を手伝う。


「えっと・・・ライトの服の洗濯ばっかりやってないで、他のも洗ってよ。」


「あれ?ホントだ・・・気付かなかったよ。えへへっ。」


「可愛く笑って誤魔化してもダメだよ。」


「仕方ない・・・お姉ちゃんのも洗うか・・・」


「仕方ないってヒドイよ。もぅ」


「あ、ごめんなさい。」


「洗濯が終わったら家の掃除だからね。」


「うん。分かった。」


ライトの部屋に走って入っていった・・・


「あのぉ~ライトの部屋だけじゃないからね。他の部屋も掃除をしてよね。」


「今、ライトの部屋で元気を貰ってるだけだよ。」


「・・・うん。頑張ってね・・」


「私は買い物に行ってくるから、掃除お願いね。」


・・・


・・・・


サキが買い物から帰ってくると、ちゃんと家の掃除が追わていた。


サキがライトの部屋を除くとミリアがライトのベッドの掛け布団に包まって寂しそうな顔をしていたが


「おかえり。サキ姉」


「ただいま。ちゃんと掃除が終わってるね。偉い。」


「えへへっ。家でも手伝ってたしね。」


「今日は、しばらく休憩してて良いよ。私は夕飯の支度をしてるね。」


「え、手伝うよ?料理だって作れるし」


「料理を作れるようになったの?スゴイね。今度お昼に作ってもらおうかな。」


「えぇぇ〜。ライト兄に食べてもらいたい。」


「ライトに食べて欲しいなら、お昼にちゃんと作れるか私が食べて合格を出してからだよ。」


「はぁーい。じゃあ明日の、お昼ね。」


「休憩してて良いよ?」


「そろそろライト兄が帰ってくる時間じゃない?」


「うん。そろそろだね。」


「今日・・言ってみるよ・・。」


「・・・えっと・・頑張ってね。」


「ありがとうね。サキ姉」


家を出てライトの帰り道にある大きな木のある丘に来た。


木の下で木に寄りかかってライトの帰りを待つ・・・


はぁ・・・緊張するなぁ・・・なんて言おうかな・・。


嫌だって言われたら・・・人生の終わりだよ。


不安に、なって座り込んで待つ・・・。


良いって言われたら・・うん。天国だね。最高だよ。


もう、ライト兄の言う事を何でも聞いちゃうよ。


ドキドキ・・しながら待っていると・・・。


 


■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □


この後は「休暇を終えて」に続きます。


今回はショートストーリーです。


また、夕方に投稿予定ですので、良かったら読んでください。


 

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