第11話 不信感
まずはミルシャ達を任務完了で帰還させてから、ゆっくりと尋問をする事にした。
「今日の連帯は上手くいったな、この調子で頑張って練習を頑張ってくれ。お前らは帰還し攻撃班、包囲班で反省点や指摘が、あれば話し合って改善をするように。俺は見回りに行ってくる。」
『了解』
隊員の帰還を確認をしてからラジエント王国の兵の元へ偵察スキル系を使って会話を聞いてみる。
「あいつ等、遅いな。」
「殲滅させられたんじゃないか?」
「そななに簡単に殲滅出来る数じゃないだろ。」
「次の指示を伝えに来たのにな。」
盗賊とラジエント王国の繋がりは確認できた。
盗賊への指示か・・・次に襲う場所とかか?
しばらく待っていたが会話が無くなったので結界を応用して隔離して動けなくして全員確保出来た。
5人並べて顔だけを出して質問する事にした。
「盗賊への何の指示を出しに来たんだ?」
「・・・」
「早く話した方が痛い目に、あわずに済むんだがな。もう一度、聞くが盗賊への指示の内容を聞きたいんだが?」
「・・・」
拷問は苦手だしな・・・
情報収集スキルで何とかならないか?
離れた場所で一人に聞いてみた。
情報は話してくれたが、ただの兵士だったので大した情報は持っていなかった。
情報は、思った通り次に襲う場所の指示だけだった。
その目的不明、作戦内容不明、他国との繋がり不明。
兵士には用は無くなったので5人を1つの結界に纏めて炎系の爆炎魔法で跡形もなくして帰還した。
その日は朝の盗賊1組だけで後は訓練で1日が終わり帰宅した。
帰るとサキは夕食を作っている最中でミリアの姿が見えなくて、また、外で待ってるのかと心配してサキに聞くと
「今までソファーに座って待ってたよ。」
「出掛けては無いんだな?」
「うん。」
とりあえず着替えに自分の部屋に入るとミリアが俺のベッドでうつ伏せになっていた。
「どうしたんだ?」
「あ、おかえりなさい。ライトの帰りを待ってただけだよ」
「このベッドはライトの匂いがして落ち着くね。」
「俺のベッドだからな・・・」
「もう少しココに居ても良いかな?」
「別に良いけど。俺は着替えるぞ?」
「うん。」
着替えだすと視線が気になるんだけど・・・
「あんまり見つめられると恥ずかしいんだけど。」
「あ、ゴメンね。思ったより筋肉が凄いね。」
「一応、鍛えては、いるからな。」
着替えが終わり
「リビングで夕食を食べに行くよ」
ミリアがベッドに座り何か話したそうな感じだったので隣に座ると頬にキスをしてきて
「隙あり!」
と言って頬を赤くして先に行ってしまった。
リビングに行くと何事も無かったように並べられていた食事をしている。
「ミリア、何処に居たの?」
「自分の部屋でベッドで休んでただけだよ。」
「どうせ、またライトのベッドで寝てたんでしょ。」
「知ってるなら聞かないでよ。もぉ」
「またって何だよ。いつから俺のベッドがミリアのベッドになったんだよ。」
「さっきも言ったでしょ。ライトの匂いがして落ち着くねって。」
「ミリアは、寂しい時にライトの匂いで落ち着くんだって。」
「まあ、外で待ってられるより、それならベッドぐらい良いけどな。」
「やったー。ライトの許可がでたよ。」
「良かったね。ミリア」
「うん。」
「俺ってそんなに匂うか?」
「うん。ライトの良い匂いがするよ。」
「そうだね。安心する匂いがするね」
後で、水浴びでもしてくるか。
翌日、小さい会議室の前を通り掛かった時に殲滅特殊部隊の名前が聞こえたので偵察スキルをで気配を消して情報収集をすると
「あの部隊だと生き残りが出なくて助かるな。」
「他の部隊だと生き残りが出ますからな。」
「下手に生き残られて、余計な情報を喋られても困るからな・・・」
「今日の話し合いは、これくらいにして戻るか」
やっぱり盗賊と関係がある奴が居るのか、軍の上層部全体では無いと思うが・・・警戒しておかないとな。
自分の隊長室へ入ると書類仕事をやっているミルシャが
「お疲れ様です。」
「ミルシャも書類仕事させて悪いな。」
「お役に立てて嬉しいです。」
ソファーに座って
「軍の上層部にも盗賊と繋がりがある奴がいるから気をつけろよ。」
「そうなんですか・・・気を付けようが無いのですが。」
「それはそうだな。」
「今日も午後から訓練だな。ちゃんと下に履いてきたか?」
「勿論ですよ。」
と、スカートを捲って見せてきたが・・・?
「そんなパンツを堂々と見せられても」
「きゃ。」
赤くなって座り込むミルシャ
「良い物を見せてもらったけど、忘れてきたのか?」
「・・・はい。朝に用意しておいて履き忘れました。」
「お前が買ってこなさそうだったから昨日帰りに買ってきたぞ。」
「・・・有難う御座います。」
「今度から忘れるなよ。」
「はい・・・どうせならもっと良い下着を履いて来ればよかったな・・」
「十分、可愛かったけどな。」
「ホントですか!?」
「パンツを見られて喜ぶなよ。」
「あ、そうですよね。可愛いと言われて嬉しくなっちゃいまして、つい。」
「まぁ・・・いつも履いてるの可愛いと思うぞ。」
「え、見られてたんですか??」
「ソファーに寝転がって、向かいのソファーに座られたら見えるだろ。」
「・・・そうですね。」
と赤くなるミルシャ
「仕事の邪魔をしちゃ悪いから、ちょっと出掛けてくるな。」
「はい。お気をつけて。」
部屋を出てラジエント王国の軍事施設を上空から様子を見ると特に変わったことは無さそうだな・・・
戻る途中でラジエントと自国の境界付近で盗賊が自国の方へ隊列を組んで移動してきている。
またかよ。はぁ・・・どうせ放っておいても殲滅の命令が出るんだし殲滅して帰るか。
国境付近だし派手に殲滅すると不味いよな。
80人くらいなら粘着性のウォーターボールに多重と目標を鼻と口に設定して追尾も追加して放つ。
見事に全員窒息で倒れていくのを確認して帰還すると久し振りにデューイとリュークと訓練場で会った。
「久し振りだな。」
「お前は昇格しすぎだろ。」
「お前達も早く昇格してこいよ。」
「そんなに簡単に昇格が出来る訳無いだろ。」
「上官にその口の聞き方は不味いだろ。」
「あ、そうか。そうだったな・・・」
「俺達だけだったら問題ないけど、訓練場だからな。」
「そのうち相談があるから呼び出すかも」
「上官から呼ばれれば行かないとな。」
「いつでも、呼び出してくれな。」
「頼りにしてるからな。」
二人は敬礼をして訓練に戻っていった。
そのまま自分の隊長室に戻りミルシャは訓練に行っているのか不在だったのでソファーに横になり、考えを整理してみる。
ターボランド王国の侵略行為で始まった戦争は、まだ理解は出来るだろ。でも、隣国のファンベル王国にまで侵略行為をして敵国を増やして勝てる気だったのか?
それとも・・・
他に味方が居て攻めてくる、はずだったとか?
ターボランド王国の狙いは元々自国であるファンベル王国でラジエント王国と協力してファンベル王国に侵略してくる気だったのか?
それにしても盗賊が分からないな、撹乱のつもりなのか?
何かから目を外らせるための作戦なのか?
考えてる途中でミルシャが帰ってきた。
「戻られていたんですね。お疲れ様です。」
「訓練は無事に終わったのか?」
「訓練中に盗賊の殲滅命令が出まして向かったのですが全員が死んでいたのです」
「・・・そうか。」
ん?盗賊は、まだ何もしていなかったよな?
何処からの情報を・・・
被害が出てから軍へ出撃要請をして、軍が各隊に出撃命令を出すんだが・・・
今回は最初の被害が出てないのに出撃命令が出てるよな。
完全に盗賊と連携が取れてるって感じだな。
連携が取れていても何のメリットがあるんだ?
盗賊を装って兵を出しているのはラジエント王国だろ?
兵を減らされてて良いのか?
それに見合うだけの価値があるのか?
「どうしましたか?」
「いや。ちょっと考え事をな。」
「そうですか。私は残っている書類仕事を片付けちゃいますね。」
「悪いな。」
まだ、あいつら訓練してるかな?
「ちょっと人と会ってくるな」
「はい。分かりました。」
「隣の会議室を使うかもしれない」
「はい。」
外に出て確認をするとまだ、訓練中だったので隊長を見つけて話をして呼んでもらった。
小隊長が近くに居た隊員に
「リュークとデューイを呼んで連れてこい」
と命令をすると二人を連れて来てくれた。
「すまないが二人を借りていくぞ。」
「はい。問題有りませんのでご自由にお使いください。」
と敬礼をされた。
二人を連れて、隊舎にある隊長室の隣に、10人程入れる会議室があり、そこに案内をして話をす事にした。
「そとでは話せない内容の話しで、意見を聞きたくてな。」
さっきの考えを話をして意見を聞くと、顔が青ざめている。
「良く気が付いたな・・・」
「言われてみれば、そうだよな。」
「どう思う?」
「お前が指摘した事は全部当たってると思うぞ」
「うちの上層部も絡んでるのも間違い無さそうだな」
「何か気付いたとか意見は無いのか?」
リュークが思いついたようで
「隣国といえばエアコンドル王国は動きは無いのか?」
「何にも聞かないな。」
「何も聞かないのも、おかしいよな。」
「確かにおかしいよな、隣国が戦争をしてたんだぞ?」
「戦争中も何も動きは無かったよな。」
「完全に情報封鎖してる感じだよな。」
「盗賊を装っている兵も本当にラジエントの兵なのか?」
「何だか全部疑わしく思えてきたな。」
「今日は、とりあえずココまでにして、また明日呼ぶけど良いか?」
「問題ないさ。」
「構わない。」
「明日の10時くらいに来てくれ。」
二人を呼び出したと隊長宛に手紙を書いておいた。
二人が帰った後に隊長室へ戻った。
「誰と会っていたんですか?」
「昔からの友人とな」
「誰なんですか?」
「どうした急に?」
「気になっちゃいまして」
さっきの話をしてから相手を疑わしく思えてきてしまう
ハッキリする為にミルシャに情報収集スキルを使って聞き出してみる。
「お前の上官は誰だ?」
「ライト隊長です」
「お前に指示を出している者は居るのか?」
「指示はライト隊長から書類仕事の指示を受けています。」
「上層部と繋がりはあるのか?」
「ありません。」
「どうして俺の友人を気にしている?」
「ライト隊長が気になるからです」
スキルを消して
「ハロルド小隊長の所に居るリュークとデューイだ。」
「男の人だったんですね。」
「女性だと思ってたのか?」
「・・・えっと・・すみません。」
「俺の事を気にしてるみたいだけど、俺じゃなくて他の男の事を気にしたらどうだ?」
「え、他の男の事は興味は有りませんよ。」
「え?どういう事なの?」
「え?あ、その・・・仕事一筋って事です。」
「あぁ・・そういう事ね」
「お前は一人暮らしなんだっけか?」
「はい。いつでも遊びに来てくださいね。」
「女性の一人暮らしの所に行けるわけ無いだろ。」
「・・・そうですか?私は、良いんですけどね」
「お前が良くても問題だろ。」
「そろそろ帰るか。」
「・・はい。書類仕事は明日に続きをします。」
「ああ、分かった。」
帰宅するとサキは夕食を作ってミリアは居なかった。
「ただいま。」
「おかえりなさい。」
「またミリアは俺の部屋か?」
「朝から、ずっとですけどね。」
「もう、俺の部屋じゃないんじゃないか?」
「そうかもしれないね。」
「サキの手伝いは、してないの?」
「頼めば、ちゃんとやってくれるよ」
「そうなんだな。サキが良ければ良いんだけど」
「頼りになる妹ですから。」
「そう見えなくて心配なんだけどな。」
「大丈夫だよ。」
「そっか。じゃあ、着替えてくるな。」
部屋に入るとミリアがベッドで寝ていたのでそっと着替えてリビングに戻ると
「あれ?ミリアは?」
「寝てたぞ?」
「もぉ。夜寝れなくなるのに。」
「そうだよな。起こしてくるか?」
「うん。お願い出来るかな?」
「わかった。」
また、部屋に戻ると、やっぱり寝ている。
「ミリア起きてくれ。」
「・・・ん?どうしたの?私の部屋まで来て・・」
「ココは俺の部屋だけどな。」
「あれ?寝ちゃったのか・・・」
「う~んと・・・おかえりなさい。」
「ただいま。」
「もしかして・・寝顔見られちゃった?」
「まぁ、少しな。」
「恥ずかしいね。」
「今日は1日俺の部屋に居たみたいだな。」
「そんなにこの部屋が好きなのか?」
「え、そうじゃなくてライト兄が好きなんだけど」
「そうか・・・今日は疲れたな」
寝転がるとミリアが抱き着いてきて
「隙ありだよ。」
「またか。」
「わたしの勝ちだよ。」
「勝負だったのか?」
「そうだよ。負けたんだから言う事を聞いてもらおうかな」
「何だそれ。」
「ギュッと抱きしめてくれるかな?」
言われた通りにギュッと抱きしめる
頬が赤くなるミリア
「ありがとね。元気が出たよ」
と言い頬にキスをして
「隙ありだよ。また、わたしの勝ちだよ。」
笑顔でリビングに逃げるように走っていく。
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