第9話 終戦と結婚

翌日は、朝から作戦会議を隊舎でしている。


皆が色々な案を出してくれるが・・・


すぐに片付くと思うんだけどなぁ。


「現地の状況が分からないので、現地に行ってから決めないか?」


「そうですよね。敵の人数も分かりませんし。隊列や陣形も分かりません。」


「本部も詳しい情報が無いらしいので、現地に行って決めましょう。」


「では、出撃の準備をしてくれ。」


『了解』


小隊長室にミルシャと入り、ソファーに座りボーっとして準備が終わるのを待っていると、目の前でズボンを履きだすミルシャ。


「昨日までは向こうを向いててください。って、言ってなかったか?」


「着替える訳では無いので。」


「俺を男として認識しなくなったのか~?」


「認識してますよ。なので着替えは、見せませんよ。」


「それで頼む。嫁に殺される」


「そうですよね・・・」


残念そうな表情のミルシャ


「そろそろ行くか。」


「はい。」


外に出ると準備が終わっていたので出撃をする。


一斉に飛び立ち皆の速度も、かなり上がっている。


現場付近の上空で待機している。


「俺が一人で偵察をしてくるから待機してろ。」


「はい。」


偵察関連のスキルをオンにして偵察に向かうと、結構な人数が待ち構えていた。


最終決戦でも、するつもりなのか?


戻り情報を皆に伝えると、皆は青ざめる。


「そんな大軍勢を小隊だけで、どうするんだよ?」


「どうにかしないとだろ。」


「厳しい戦いになりそうだな・・・」


と隊員が話をしている。


「俺が先人を切って攻撃をするから、その後に指示を出すから残敵を、殲滅してくれ。指示が、あるまで待機だ。」


『了解です。』


大軍勢の端の方から攻撃を始める。


いつもの魔法に、威力20倍を追加して飛びながら、数発連続で放つ。


大軍勢が居る場所が線状に巨大な爆炎が天高く上がり、周りに衝撃波と爆炎が襲いかかり、辺り一面が地形が変わっている状況になった。


最後の仕上げで城にも1発放ったら城も吹き飛んだ。


これで戦争も終わるんじゃないか?


皆が待機をしてる場所に向かい


「残敵は、居ないと思うが・・・後は頼んだ。」


「ココからでも見えましたが・・・残敵はいないと思いますね。やり過ぎだと思います。」


・・・山が無くなってるし、地形も変わる程の魔法って・・見たことも聞いたことも無いんだど・・・凄すぎ。


「かなり離れてるココまで衝撃波が来ました」


ライトが思い出したように


「あ、そうだ城も吹き飛んでるからな。」


「え?城も吹き飛ばしたんですか?」


「ああ、つい吹き飛ばした」


「つい。で、やる事じゃないですよ。」


「じゃあ、皆で向かうか。」


大軍勢が居た付近を探すが何も無さそうだった。


・・・城が跡形も無いし・・・。


一応探索魔法で探索を、してみるが反応は無かったので帰還する事を、本国に伝えるとホントに終わったのか?と疑われた。


ついでに追加情報として、城も吹き飛んだと報告したら通信機から拍手や喜んでいる声も聞こえてきた。


 


帰還すると皆が訓練場に集まって出迎えてくれて、隊長まで出迎えてくれた。


「ただいま戻りました。」


「良くやってくれた感謝するぞ。」


「これで戦争も終わったりしますかね?」


「ああ、多分終わったんじゃないか?敵国の王が亡くなったとなればな。」


「そうですか。だったら、やっと嫁と結婚出来ますよ。」


「そうか。まだ結婚していなかったのか?」


「戦争が始まる頃にプロポーズしたので・・・嫁の両親にも挨拶にも行けてないんですよ。」


「それなら連絡が行くまで、しばらく休みで良いんじゃないか?」


「それは嬉しいですね。給料は出るんですかね。」


「俺が何とか交渉をしてやるよ。」


「有難う御座います。」


ミルシャが質問をする


「この部隊は解散するんでしょうか?」


「こんな優秀な部隊を解散する訳無いだろ。」


「良かったです。安心しました!」


「報告はミルシャ副官から聞くから、お前は帰って良いぞ。」


「お先に失礼します。」


家まで飛んで帰ると、不安そうに椅子に座り祈っているサキが窓から見えた。


今日は、転移で帰って来てないので、鍵が閉まっているので家に入れないので、ドアをノックすると慌ててドアを開けに来るサキ。


「ただいま。」


「何かあったかと思って、ビックリしたよ。もぉ」


「おかえりが返ってきてないぞ。」


「そうだった。おかえりなさい。」


「戦争は終わったと思うぞ。」


「え?ホントに?やったー!」


「これで、お前の両親に挨拶にも行けるな。」


「これでホントのライトの、お嫁さんになれるんだね。」


「そうだな、改めて言われると少し照れくさいな。」


照れ笑いをするライト


「えへへへ・・・。そうだね、照れるよね。」


 


その後、サキの両親に挨拶に行き、友人と小隊のメンバーと隊長と副隊長も招待をして、小さな結婚式をして無事に式を終えて入籍も出来た。


 


入籍を終えた翌日から二人で、ゆっくりと過ごそうと思っていたら、サキの妹のミリアが朝早くからやって来るようになっていた。


サキの家に両親に挨拶に行った時に、印象を良くしようと遊んで、あげたのが懐かれた原因だと思う。


ミリアは、明るくて元気で人懐っこいく可愛い感じの子で一緒に居て楽しい。


サキは家事などが、あるので忙しく動いているがミリアは、特にやる事が無いので・・・


俺の後を付いてくる可愛いので嫌な気分では無いけど、最近はサキと居る時間より長い気がする。


庭に出れば付いて来てリビングのソファーに座れば隣に座っているし、サキに頼まれて買い物に行けば手を繋いでくる感じで懐かれている。


「ミリアは、普段何してるんだ?」


「えっと、家の手伝いかな。」


「意外だな。手伝い出来るのか?」


「意外ってヒドイね。もぉ」


「家の手伝いしないで俺と一緒に居て良いのか?」


「上のお姉ちゃんも居るし妹も居るから大丈夫だと思うよ。」


「そっか。文句とか言われないのか?」


「今の所は、大丈夫だよ。」


「ちなみに、なんて言って出て来てるんだ?」


「え、普通にサキ姉の家に行ってくるって。」


「なら問題ないか。嘘ついて出てきてるんだったら注意しようかと思ってたけどな」


「嘘ついて出てきてないよ。」


「お姉ちゃんが恋しくて会いに来てるだけか。」


「サキ姉にってよりかライト兄に会いに来てるんだけど?」


「俺にか?俺と居て楽しいか?」


「うん。一緒に居て楽しいよ。」


「そっか。親が良いって言うなら好きなだけ居ても良いぞ。」


「ホント?やった。」


ジャンプして喜んで抱き着かれた。


この日から、ちょこちょこと泊まりに来るようにもなった。


最近では、ソファーに座っていると、膝枕にされる事もあるくらいに仲良くなっている。


「俺が仕事に行ってる間も居てくれるのか?」


「ライト兄が、居てくれって言うなら居ても良いよ。」


「じゃあ、居てくれな。」


「うん。分かった。」


「俺が居なくて寂しがってたら頼んだぞ。」


「はーい。」


サキも来て


「また、ライトと一緒にいるの?家の手伝いは大丈夫なの?」


「大丈夫だよ。ちゃんとココに来るって言ってあるし」


「なら良いけど。でもさ、ライトに懐き過ぎじゃないの~?」


「いいじゃん自慢の旦那さんを自慢できて。」


「仲が悪いより良いけどさ。夕食でも食べようか。」


「そうだな、お腹も空いたし皆で食べよう」


こんな感じで過ごしていた・・・


 


しばらく休みを取っていたが、兵士が家まで国王様からの招待状を持って来た。


内容は ”勲章の授与式を行うので、参加をするように。” と、いう物だった。


ハッキリ言って興味は無いのだが・・・


サキがとても名誉な事で嬉しい。と、乗り気なので参加をする事にした。


当日に、国王様から直々にプラチナスター勲章を賜った。


本当はゴールドスターと言うのが最高だったのだが、王国を救った英雄として、新たに作られたプラチナスターと説明を受けた。


サキも一緒に参列をして見ていて、大興奮でとても嬉しそうだったので、勲章を賜った事よりも嬉しかったのは秘密である。


 


自国であるファンベル王国は、徐々に落ち着きを取り戻していた。


だがターボランド王国の生き残りの兵が集まり盗賊の集団となっていて、それがファンベル王国や隣国に入ってきては、奪略行為や人拐い等を行っていて、盗賊の討伐で休暇中だが今日も呼ばれた。


ミルシャが申し訳ないといった表情をしている


「・・・新婚で休暇なのに申し訳ないです。盗賊の討伐の経験が足りないので・・・どうしても建物や住民に被害が出そうで恐くて。」


「その訓練をすれば良いんじゃないの?」


「練習をしてるんですが上手くいかないのです。」


「それで。今日は、どうするんだ?」


「え、あ・・・の、盗賊の討伐です。」


「うん。それは、もう聞いたけど?作戦は、無いのね。盗賊の人数は?」


「・・・はい。盗賊は60人程と聞いてます。」


「・・・じゃあ、被害が出た地域の上空で盗賊の拠点でも探すか。」


「はい!」


・・・やっぱり小隊長が、居ると安心するなぁ


ミルシャが被害が、あった地域の上空へ案内をする。


「この地域の、お店が奪略行為を受けました。」


「店の物って事は、まだそんなに遠くには行ってないか、拠点が近くに、あるんじゃないか?」


「あ、そうですね。気が付かなかったです・・・」


探索魔法で探索してみると、山の洞窟と思われる場所に見張りが2人と洞窟の中に10人程集まっている。


他の仲間は奪略後に、分前を貰って目立たないように、散らばって行ったのだろう。


まだ目視で確認はしていないが、洞窟に見張りを配置する事は普通は無いだろうから当たりだろ。


「では、洞窟から逃げ出してくる盗賊を、確保が出来るように配置を頼む。」


「はい。」


「捉えた方が良いのか?」


「敵国の生き残りで大した情報も持っていないので殲滅でと指示を受けています。」


「そうか、さっきの指示を取り消して、捕獲から殲滅へ変える。」


「はい。」


「俺が中に入って片付けてくる、お前はココの上空で逃げ出した盗賊の方向を各隊員に伝えろ。それでは行って来る」


暗殺系のスキルをオンにして、ナイフを片手に握ると、気配を消して、背後に立ち首を静かに切り、もう一人見張りがいるので、そっと壁に寄り掛からせ休んでいるように見せかける。


もう一人も背後から首を切りその場で寝かせて、洞窟内に侵入をする。


入口は狭かったが中は思ったより広くて、そこそこの人数も入りそうだな。


先を進んでいくと、盗賊たちが盗んだ酒で酒盛りをしているのが見えてきた。


ココで魔法を使いたいが、使うと俺も生き埋めになるよな・・・、洞窟を破壊して壊さなきゃ良いんだよな。


ウォーターボールを粘度と粘着性を高く改造をした10個に追尾を目標を盗賊の口と鼻にして放つと、口と鼻を塞ぎ取ろうとしても粘度が高くて、へばり付いてなかなか取れなくて窒息死していく。


任務が終わったので洞窟から出るとミルシャが上空から降りてきて


「お疲れ様でした。誰も出てきませんでした。」


「盗賊の殲滅完了だぞ。」


「もしかして魔法を使ったんですか?」


「そうだけど。」


「洞窟で魔法は危ないのでは?」


「魔法の種類と威力に、よるんじゃないか?」


「さすが小隊長です。」


「じゃあ、終わったから帰るぞ。」


「有難う御座いました。」


こんな感じで良く呼ばれるようになってきた。


初めは敵国の兵士の生き残りが、盗賊になって悪さをしていると思っていたが、何となくだが違う気がするな・・・


自国が滅びたというのに不安も無念さも感じないし、食事も十分に取れてる感じで何処かの国から送り込まれてるのか?と、疑念を抱くようになっていた・・・


 


 


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